シェア
aotohikari
2021年10月13日 12:26
「翅」 静寂に身を浸した 深く息 縋るものなど何もないと、気づく 瞼も重く 遠のく意識につづく 耳にした衒いのないことばを反芻し 沈むさきは深淵 青いそれを準えるなら きみはなんと、 待っていても仕方ない わたし あの時 ことばは翅音と 知りもしないで 汗を纏った背中 噤むよこがお 胸に口づけ マリンバの弾ける音は序でだと きみもまた身体を揺らす 欠落