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読書録📚13歳からの地政学

「地政学を学ぶと、歴史が面白くなる!」
こちらの放送↓で聞いてから気になり、結構前に図書館で予約していた本(買いなさいよ)

知らないことばかりでした。。
地政学的な切り口で考えると、一つの物事が違った見え方をするのが面白かったです。

たとえば地球温暖化。
悪いことのように思えますが、ロシアからすると悪いことばかりじゃない。

ロシアの北極に近い辺りには、たくさんの天然資源が埋まっている。
以前は、寒すぎて石油や天然ガスを堀り出したり送り出したりすることができなかった。
ただ、今は以前よりも暖かくなって、船で行き来できるようになったことで、いくつかの場所では(天然資源を)掘り出す作業が始まっている

p225

北極海の一部ではすでに氷が溶けてきていて、夏の間にはアジアからヨーロッパに向かう船のルートが使われ始めているそうです。

***

ここから、
なぜアフリカにはお金がないのか?
という項目がびっくりする内容だったので(無知なのかもですが)書いておきます。

✅アフリカが貧しい最大の理由

それは
国のお金を、政治家が海外に流しているから。

アフリカの政治家が不正にお金を懐に入れる。

外国の有力者が複雑な仕組みを経由して自国にそのお金を回す。

稼いだお金が自国の投資に回されないため、貧しい国になっている。

✅政治家が国外へお金を流出させる理由

政治家が国外へお金を流す理由。
それは政治家が手に入れたお金が、"汚いお金"だから。

国民から不当に奪ったお金、犯罪的なお金であるため、普通に使ったり貯めたりすることができない。

そのため、お金はタックスヘイブン(税を逃れることができるカリブ海の島)へ送られる。
そこで、ヨーロッパやアメリカの有力者は、アフリカの政治家のお金の持ち出しや浄化に協力し、自分の国にお金が流れるようにする。

そうして、天然資源を掘り起こしたりなどして得たアフリカの莫大なお金は、先進国へ流れていく。

✅アフリカに身勝手な政治家が多い理由

それは、アフリカに色んな民族がいるから。

愛着のない自分の国より、自分が属する民族を優先し、国の中で遠心力(国より民族を優先する力)が働く。
それを大きくて強い民族が力づくで抑えるために軍事政権や独裁政権をバックにした強引なリーダーが多い状況ができる。

そしてリーダーになると、お金を国民のために使わず、自分の民族の身内を優先するようになる。

こんな状況では、いくら天然資源がたくさんあっても国は決して豊かにならない。

p157

✅アフリカ産のチョコレートがない理由

カカオ農園とチョコレート工場の、どちらで働きたいか?

大半がチョコレート工場で働きたい理由。
それは、カカオ農園の労働がつらく、給料は少なく、利益はチョコレート会社の何十分の一だから。

チョコレートを売りたいヨーロッパやアメリカの国々が、自分たちはやりたくないカカオ豆作りを、アフリカに事実上押し付ける。
貧しい国だから儲からない仕事を担わされて、そのために貧しいままでい続けるという悪循環が起こっているんだ。

p165

政治家が国内の利益を国外へ流していること。
先進国にとってアフリカが貧しいことが都合が良い。
これら外部や個々の"事情"で、アフリカは貧しい状況にさせられているんですね。

異常に安くて良い物は、なんらかの人々の犠牲がともなっている

服を作る繊維産業は、とても安い給料で働いてくれる人の力なしには成り立たなくなっている。

日本もそう。

「アフリカでも日本でも、そんなひどい環境で働いている人がいるのはおかしいってみんなが気づけば、こういうのってなくすことができるのかな?」
「そうだな。しかし、外国人や人種が違う人への差別意識がなくなっていかなければ、解決しない問題でもある。差別意識というのは、人々の考え方や世界観に植え付けられた根深いものだ」

p168

感想

通信のための海底ケーブルが張り巡らされてることとか、核ミサイルがどこに隠されているのかとか、外交のテッパン遠交近攻、なぜ戦争を起こすのかなど、驚きの内容や知らないことが多すぎて、一体自分は学校で何を習ってたんだとガックリきました。

歴史の授業も、まず現在の各国の状況把握から始まり、過去に遡っていくスタイルにすると面白そう。
アフリカの国々の国境が、線で真っ直ぐに区切られている理由も、多分習ってるんでしょうが、本書を読んでようやくちゃんと認識しました(無知すぎる)。

ストーリー理解や背景を知ることにこそ、歴史を学ぶ意味があるんでしょうね。暗記だけしていた自分に言ってあげたいです🙄

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