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inorian

 家の3軒隣に工房兼物置として借りていたお部屋に、一昨年、家で転んで骨折した近所のおばあちゃんが1人では心細いというので身を寄せることになりました。
毎朝コーヒーを持って良いって安否確認。
おしゃべりしたり、一緒に軒先セールしたり楽しい日々でした。
私の実家がガラクタで溢れておるので、それをとっとと売っぱらう作戦で古物商もとり細々と商いもしていたのですが、だんだんと人様からの預かり物も増えたりと、箱を並べて人に見ていただいたりしてましたが、その中にひとつどう値段つけて良いかわからない、骨董品が含まれておりました。どうしようかなぁと考えていた時に、そのおばあちゃんのお知り合いに、三度の飯より器が好きで、骨董に大変お詳しい方がおられるとかで早速伺ってみることにしました。

南宋時代 青磁青影

そっと器を持ってじっと眺めて
裏返してじっとみて
5秒くらいでさらりと出た答えが


そうだねぇ南宋時代くらいのものだね
昔大量に土から出てきたんだよ
だからたくさんあるからそんなに価値はないよ
綺麗なものはもっと綺麗だからそうだね〜
そうだね〜親切なところで35,000円くらいかな
大したものじゃないよ時代は古いけどね


さらりと出た
大変的確なお答えに驚くやら感動するやら


どわー聞いてよかったーーー
他の茶人の方に伺ってもこれは骨董だから50万くらいするんじゃないかそんな値段で売ってたの見たよとかだったのでわーー聞いてよかったーーーー(っていうか、あなた何者っ!)ありがとうございました大変な値段つけるところでしたーーー、っとお礼を言いながら片付けようとしたその時にその方がポツリと一言


あなた、こういうの好きなの?


(うん器は好きだ、土ものは好き、土いじりも好き❤️)
はい好きですとお返事したところ


うちで勉強しない?


。。。っときた!
お勉強?


なんでもそのかたは大学の副学長までされた方で、50年も昔に古い陶片に魅了され、そこから器を求めて世界各地を歩き回るようになり、元々が学者はだの研究熱心な方ですもんで深入りしていった結果目が養われていったという経緯のある方でした。そんな世界行脚の中で集まったものがご自宅にたくさん
おばあちゃんの言葉を借りれば
ちっちゃいのがたーーーーーーーーーーーーーっっっっっっっっっくさん
あるらしく、
好きで集めたものを売る手伝いをして欲しいとのこと
売りながら器のこと教えてあげるから勉強になるよ、っとそういうお話でした。


ならば蔵の中身を持って来るよりも私がそちらへ行きますとのことで、軒先をお借りして商売を始めることになり昨年秋ごろ荷物のお引越しが始まりました。
引越しながら同時進行でDIYしたりして、やっっとお店らしくなってきたのが今年の3月というお話でございます。

それと時を同じくしておばあちゃんも元のお家の戻られました。

 3/8は「町屋の日」として、前後一週間で町屋を利用したイベントが全国各地で開催されます。その日を皮切りにお店スタート!たくさんの方にご来場いただき、古いものたくさん楽しんでいただけました。
元の時代のもの
明の時代のもの
博物館級のもの、触れるってすごくないですか?

そんなこんなでinorianスタートしました。



明治ガラス インドネシア逆輸入もの
明治大正ガラス大皿
海あがり盃
海に沈んだ船の積荷から出てきたものだそうです。海洋考古学的にも貴重なものだとか
器各種
宋や元や明など時代のついた器たち
明治ガラス 逆輸入もの



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