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三者三様スースースー
口中が常に歯医者さんだ。
喉風邪から始まった副鼻腔炎の炎症が鼻を経由して歯まで至った結果、かつての虫歯の治療根が腫れる事態に至った。そのせいでずっと微熱だったから、歯に炎症が発生しているとわかって本当によかった。セカンドオピニオンは大事だ。なまじ神経を抜いて治療をしていた唯一の銀歯だったがためにちっとも痛み無く腫れていた。痛みの大切さを実地で学ぶ。
熱が出るほどの炎症だったこともあり、歯医者さんの治療はとても慎重だ。被せ物を外し歯の中を綺麗にして仮蓋で一週間。を五回ぐらい繰り返している。毎回薬と綿を入れるのだけれど、次回歯医者さんにいったときにこれが真っ白だったらOKらしい。少し茶色くなるのは膿やらバイ菌だそうで、料金も驚きの安心価格だし先生がめちゃくちゃいい人だから全然通う意気込みだ。何回行ってもいいから完全真っ白完治を目指したい。もう二週間原因不明微熱はごめんだ。
そんなわけで一ヶ月以上歯に風穴が開いた状態ですごしてる。仮蓋はしているけれど練り消しを詰めたみたいなこの蓋は脆くてすぐに外れる。全部外れずともちょっとずれるみたいで、口中で薬剤の味がする。常に歯医者さんだ。ミントに消毒を混ぜたような味はお世辞にもおいしいとは言えないからやっぱり早く完治したい。
誕生日プレゼントにラッシュのフェイスマスクをもらったので愛用し始めた。使ってみたいけど試すには高価だと思ってLINEの欲しいものリストに入れていたのだ。ぬたっとした緑色のペーストを顔に塗って、暫くしたら洗い流すタイプのヤツ。まんまとプレゼントしていただき、使ってみたらとてもよく肌に合い、顔のトーンが爆上がり。スースーするところに甘い砂糖みたいな香りがしてチョコミントみたいだ。それもお気に入り。私は大のチョコミン党である。
今日もお風呂でフェイスマスクをしていたら、口中がまた歯医者さんになった。いつだって突然開業だ。口のなか、顔のうえ、両方でミントが爆発してる。ちょっとハーブっぽいフェイスマスクで、それがなお、共通した香りのように思われた。
え、じゃあこの口中はチョコミントとも言えるのか?突然のひらめき、小学生の算数も驚きの結論だ。
口中開業歯医者≒フェイスマスク
フェイスマスク≒チョコミント
なら
口中開業≒チョコミントなんじゃないかと。
そうはならない。
そうはなってたまるもんか。
そうなるならいつだって口中開業してくれて構わない。私はチョコミントが大好きだ。
絶妙に重なり合わないベン図の上、しいて言うなら歯医者の治療もチョコミント両方スースーしているだけだ。
甘いフェイスマスクとチョコミントは愛せても、この口中は愛せまい。
早く治るようにちゃんと歯磨きしなきゃと思いながら、とりあえず歯磨き粉みたいなフェイスマスクを勢いよくシャワーで洗い流す。
かえって本物のチョコミントが枯渇した。