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’24.02 現在

もう思い出せないんだね、娘のことが…
流行病に隔離されて1ヶ月が経った
聞けばその間 高熱出したり酸素を貪ったり
顎まで脱臼したそうじゃないか

呼ぶと消えそうな声ではーいと返事をする
病院のシーツをまた涙で汚してしまった
貴方は
家族も知らない遠くを歩いているんだね
微かに開く目は光を帯びながら宙を見てる

家の階段の踊り場から見下ろし
廊下を歩いている幻を見るよ
必ず上を向いてくれ笑顔を見せるんだ
トントンと扁平足で歩いて行く
そんな貴方には二度と会えない

貴方がやがて行く先は光に包まれていて欲しい
父さんから差し伸べられた手を
貴方が掴むまで
だから通うよ毎日毎日
短時間しか会えないけど最期まで寄り添うから
心配しないでね

気の強い貴方が変わって
あれから一年経つんだね
今年も貴方が植えた山茶花が庭を彩る
矢のように速い人生の輪っかを
貴方は這いずって行く
生きるのは時間の奴隷のように

2024.02.16

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