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心理的 子ども学〈共感性は生まれた時から?〉

共感性とは?
相手の感情を理解し、自分事のように対応すること。

保育者は子どもの気持ちや現状を理解し共感性を持ち発達、成長をサポートしています。
この共感性ですが、実は生まれた時から備わっているらしいのです。

〈ある実験の話〉
生後間もない赤ちゃんに社会的に「良い」と思われる行動をしている絵と、社会的に「悪い」と思われる行動をしている絵を見せたとき、社会的に「良い」と思われる行動をしている絵の方をよく見るという実験結果になったのです。

善悪の知識をまだ持たない赤ちゃんが「良い」と思う行動がわかるという実験結果です。
ということは逆に、「悪い」と思う行動もわかっている?のかなぁ?
これは赤ちゃんの意識の中には既に「良い」というイメージがインプットされていて、無意識的に「良い」方を見てしまうことになるのです。

ここで一つポイントになるのが、この実験は生後間もない状況だけど身近な大人に守られる中で、赤ちゃんの機嫌が良く、安心している環境があることが絵を見る行動を後押ししているといえます。
すなわち、ストレスを感じない愛に満たされる環境がインプットされた「良い」イメージを引き出しているのです。
身近な大人が無条件に赤ちゃんに共感をしていることが必至なのです。

では、共感性を持続させるためにはどうすれば良いのか?
それは、自分のやりたいことをたくさんさせてくれる!いつも応援してくれる!という【共感される環境】で、自分のやりたいことができるようになると心が満たされる。
心が満たされ安心できる環境の中では他者の存在に目が向く余裕が生まれてくるのです。
そうすると共感性にスイッチが入り「良い」行動に気づくようになる。
それが他者の良い行動からの気づきであり、自然と模倣をするようになる。
良い行動を模倣する中で(こういうことをすれば良い)(こういうことをすればうれしい)などがわかってくるのです。
そこから、
(こういうことをしたらまずい)(これをしたら迷惑がかかる)とわかるようになるのではないか?と思うのです。

では?

自分のやりたいことを抑えられる不利益な関わり【共感されない環境】ストレスを感じる保育環境で過ごす場合だと「この人はどうせわかってくれない」「どうせ私なんか」と心を閉ざすことも、もしくは、その保育者が個人的に良いとされる方向へ動いてしまうようになるのです。
すると他者を攻撃したり、告げ口をしたりして、子どもは自分を守ることで精一杯となり、人のことを考えなくなることが起こり得るわけです。

子どもには共感能力の芽がもともとあって、共感されることで自分がされてうれしかったことを他者へもしたいと思うようになり、集団の中のひとりとして社会のルールも守れるようになっていく。
子どもがやりたいことを感じ取ってそれをできるようにサポートしていけば子どもは自分で道徳的に育っていくのではないか?

だから、乳幼児期ほど保育者が共感し子どもの思いを感じ取っていかなければならないのです。そういう姿勢で子どもと接することが【養護】と呼ばれる行動になるのです。
もともと持っている共感性をなくさないようにまず保育者が共感性を持ち、子どもと関わらなくてはいけないのです。


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