(詩)カサの気持ち
(一)
毎日毎日雨ばっかで
ほんとやんなっちゃうぜ
俺なんか濡れっぱなしの
勤続疲労で
もう倒れそう
(二)
雨の音、雪の音、パラソルの音
レイン、レイン……。
雨に唄えば
パラソルもクルクル、クルッと
踊り出すよ
街に咲くパラソルの花また花
パラソルは聴いている
雨の唄、雨の囁き、雨のおしゃべりを
泣きたいなら
思い切り泣いてもいいよ
ちゃんとわたしが
受け止めるから
きみの涙、涙の雨粒たち
パラソルが驚いている
おやおや、今日の雨は
随分無口だなあって思ったら
雪
雪は雨の涙の結晶
スノウ、スノウ……。
雪に唄えば
パラソルの上で
しゅっと融けていくよ
融けて涙に戻ったよ
大丈夫、ちゃんとわたしが
受け止めるから
あなたの涙
ちゃんとつかまえるから、ね
雨の音、雪の音、パラソルの音
パラソル、パラソル……。
今夜も涙の粒に
しっとりと濡れるパラソル
涙を歌に変え
しっとりと濡れている