桂米朝一門会 in うたづハーモニーホール
地元で桂米朝一門会が開催されたので行ってきました。落語は都市の文化だと思いますが、定席のない地方をこうしてたくさん回っていただけるのはとても嬉しいことです。
桂りょうばさん 『動物園』
桂紅雀さん『向う付け』
桂ざこばさん『鉄砲勇助』
〈中入〉
桂団朝さん『看板の一』
桂米團治さん『七段目』
りょうばさんの虎の動き、紅雀さんの日常マクラ、ざこばさんの円熟の笑い、団朝さんの親分のリアリティ、全て大いに笑って楽しみましたが、とびきり感動したのはトリの米團治さんの『七段目』でしたね。
私、芝居噺を生で聴くのは初めてだったんですよ。知識としてはあるじゃないですか。こういう演目だってこと。けど、ウィキペディアで情報を読んでも、動画や音声だけで体験しても、正直あまりピンと来ない。ネタ元の芝居だってほとんど知らないわけですし。
ところが目の前で芝居の所作を再現されると、これがとてつもなく面白いんですね。芝居の筋を知らなくても、その所作と声色と世界観だけで十二分に面白い。そして米團治さんの動きの美しいこと。男前なこと。すっかりハマってしまいました。
かつてお芝居にかなり凝っていた時期はあるのですが、芝居好きの若旦那と丁稚のやり取りを見ていて、なんだかその頃の気持ちが戻ってきたように思います。全ての芸能はどこかで繋がっているのですね。
僭越ながら落語台本を志す者として、これまではネタばかりにこだわってあまり書く時に意識してこなかった「演者の所作・動き」というものもしっかり考えていきます。やっぱり落語会に通ってこそわかるものが多い。
楽しかったです。またぜひ宇多津へおいでください!