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令和5年度「NHK新人落語大賞」

毎年楽しみにしているNHK新人落語大賞。例年、収録から放送まで結果を公表できないシステムが物議を醸していましたが、今年は生放送という形でこれを解決しました。非常に良かったと思います。スムーズな番組進行に拍手です。

春風亭一花さん「四段目」
柳家吉緑さん「置泥」
春風亭昇羊さん「紙入れ 」
桂慶治朗さん「いらち俥 」
桂三実さん「あの人どこ行くの?」


皆さん良かったですが、私は上方のお二人の噺が特に響きました。やはり改作部分が多かったり、純粋な創作落語には強く反応してしまいます。桂慶次郎さんは特に定番のお話を聴きやすく工夫して11分にまとめておられて、納得の優勝だったと思います。おめでとうございます。

そして、個人的に印象に残ったのが、金原亭馬生師匠のコメントです。最後に惜敗だったお二方、三実さんには「大阪の地名は全国放送だからわかりにくい」、昇羊さんには「若いうちからあまり不倫や色っぽい噺に走らない方がよい」と仰ってました。

厳しい視点だと思います。採点も馬生師匠が一番厳しかった。私なんかは放送を観ていて、「若いのにこれだけ艶笑噺で聴かせるのは研鑽の結果でありスゴイ」「大阪の地名がわからなくても伝わるし面白いのでスゴイ」と思ったんですが、師匠のコメントを聞いて別のことに気付かされました。

身も蓋もないような感想もお客様の反応の一つであると。それを伝える役を買って出ておられたのかなと私は思いました。いや、本当に、厳しいですね芸事の世界は。でも、それを乗り越えて、糧にして、ますます面白くなっていく人達だと思います。頑張ってください!