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管理会計ツールに自社の数字を落とし込んでみたら見えてきたもの…実践とは具体と抽象を行ったり来たりで、特に具体とちゃんと向き合おうと決めた私

タイトル長い笑

経営を具体と抽象で考えると…。

【抽象】
・呼ばれている世界にチューニングを合わせる
・顧客が好む商品を創造する(プロダクトアウト)
・組織のデザインを考える
・経営の数字をイメージする

【具体】
・経営理念を言語化する
・マーケティングの実践(マーケットイン)
・組織が自律分散的に動きだす
・経営の数字を即時性をもって確認する

これで言うと、抽象の世界のほうが楽しいんだろうな〜。想像とか創造というプロセスは無限大で楽しい気がする。
雑な言い方になってしまうけど、自社の過去とか現在の状況を完全無視で理想のイメージを描くこともできるし、プロセスを考えなくて良い、むしろ無視して考えるから、できる・できない論にならないし。

対して、具体の世界はドロドロしていて
人と人との感情が絡む領域に足を踏み入れていくから、どうしても自分だけで進めていけない部分もあるし
自分だけだとしても、過去や現在の状況を振り返ったり・プロセスの検証をしたりとか、至らない自分と向き合わなければならないかもしれない。


だから、私は具体の世界に生きたいのだ

辛い場所でもがいている人と一緒に歩みたいのだ

混沌としている世界と共に、自分を見つめ続ける強さ。その裏にある儚さがたまらなく愛しくて、その崇高な精神に触れていたい。泡沫な夢を抱きしめたくて。


管理会計のサンプルを前回あげました。

具体の世界に飛び込んでくれた人に大いなる拍手とともに
細かいフィードバックをさせていただきます。

以下、管理会計ツールに数字を入れていただいた人じゃないとピンと来ないかと思います。


3行目を横串で見ていきましょう。
店舗別の売上を一読して何が見えますか?
A店良いなぁ〜。思ったよりC店苦戦しているな〜。みたいな感覚でOKです。まずは自分の感覚とデータのズレに意識をフォーカスしてみてください(抽象)
次に具体に、売上を構成要素に因数分解していきましょう。
売上は単価×客数です(単価×客数×リピート率とか、もっと細かく分解してもOKです。わかりやすい単位まで細かくしてみましょう)
単価×客数のデータを見て何か気づきがありますか?


次に12行目です。利益感度に非常に響く変動費を集計しています。
棚卸が毎月大きく変動する会社の場合には、11行目に棚卸増減(月初棚卸金額−月末棚卸金額)を入力するとより良い指標になりますね。
百分比を見ると全体像がイメージできます。百分比をざっと眺めてから、個別に見てみましょう。


※やってほしくない事として、世の中全体の百分比との比較があります。例えば、飲食店におけるF/L率とか。
なぜなら、売上が上がると百分比は下がるからです(スケールメリット)
自分と世間を比較して良い・悪いというのは前時代的パラダイムです。批判・自己否定みたいで苦しいよね。

変動費は利益感度が非常に高いので、変動費変わると一気に利益出ます。しかしながら、劇薬なので、顧客満足度にも大きく響きます。
中間マージンを廃していくイメージで調達すれば、顧客満足度をむしろ上げる事ができます。
飲食店が生産まで携わるというモデルとかね。焼肉店は酪農すれば良いし、蕎麦屋は蕎麦畑を作れば良い。米も作ったら良いよね。


次に19行目、労務費です。
労務費は固定費なので利益感度は低いですが、ボリュームある塊なのでフロンティアです。もっと最適化できる余地があります。
単純に給料カットするのではなく、人のもつ可能性を開放するために最適化するイメージです。
例えば、会社が副業をクリエイトしてあげたり。

給料という形態から個人事業での請負を考慮してみたり。

中でもオススメはITを積極的に企業に導入する事です。人がやらなくても大丈夫な単純作業やルーティンをITにやってもらいます。それによって空いた時間を属人的な時間に転化する。
キカイではなく人にやってもらいたい事って何ですか?
これが属人性を高めるキーワードでしょうね。

結婚式の牧師とか司会者とか、キカイだったらちょっと嫌だもんね笑


次は69行目、固定費合計です。
ここは顧客満足度との相関関係が低い分野なので、時代の変化とともにカットしていきましょう。2020年の時代世相で言えば、地代家賃なんかは考慮すべき領域でしょうね。
茨城県は土地が安いので地代家賃は当然割安です。広いスペースも取れるので、人だまりをクリエイトできるかもしれませんよ。


最後に72〜76行目です。設備投資や積立金・銀行返済の元本です。
これはみなさん大好き損益計算書(P/L)には一切出てこない数字です。
しかしながら、70行目で出た数字から支出していく項目なので、超大事な数字です。
※私はここが経営のツボだと思っているのでP/Lだけを見る事を強く否定しています。

70行目とのバランスを定点観測してください。
いわゆる借入過多や、過剰節税対策による積立過多により、資金繰りが圧迫されている中小企業はめちゃめちゃ多いです。
77行目がきちんとプラスになっている状況を目指しましょう。

もし77行目がマイナスの場合は、私なら銀行と交渉しますね。借り換えです。売上とか経費に手を付けるより、何の副作用もなく77行目をプラスに転化できます。


このように、管理会計は自社を守る大きな武器になります。
社会活動家の武井浩三さんは、管理会計は自動車のハンドルである。と例えていました。

実に言い得て妙です。完全に同意します。

管理会計を持たない会社は、アクセルとブレーキのみで進んでいるようなものです。アイルトン・セナでも、ルイス・ハミルトンでも事故にあいますね笑

管理会計が多くの企業の標準装備になる事を心から願います。

ではまた!

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