足るを知る。という世界観で経営する事が何よりサステナブルなんじゃないか?と思っている税理士の視点
法人の経営についてアレコレ思う事があります。
顧客より株主を向いている経営をすると、モラルハザードを起こした者勝ち。という現象が起こります。事実、法人格には刑事責任が課されないので、罪に問われにくいという法律のアヤもあるので、社会悪に手を染めてまで利益を出そうとする企業の多い事多い事。
そうしてまで、過大な利益が出ているアピールを株主に対してすると、株価はどんどん上がっていく。時価総額の大きさ比べのような無意味な争いが起こる。
無意味な争いには必ず犠牲者がいるのですが、それがその会社のスタッフだったりするから本当に罪深い……。
人は幸せになるために働いているのです
誰かの虚構の演出道具になるために働いている訳ではない
そもそもの立て付けが、スタート位置が時代にそぐわないのではないか?と思っているのです。
✗利益を最大化する
○生きがいを最大化する
✗株主にアピールする
○社会課題の解決をする
✗売上を右肩上がりで出す
○最小の利益を確保して分かち合う
✗規模の拡大を目指す
○質の充足を目指す
✗終身雇用で専業させる
○複数社にまたがり活躍する
✗情報にセキュリティをかけコントロールする
○全員に情報へのアクセス権を付与する
✗税務署に対する申告の意味で経理をすすめる
○自分たちの立ち位置を知るために会計を活かす
✗プロモーションで盛り上げて買ってもらう
○お店のファンである事を超え同じ共同体感覚になる
このように、20年前では当たり前のように信じられていた経営学も、今では錆びついて見えるのです。
かくいう私も、ここで言う ✗ の手法を勧めてきた時代がありました。確かに違和感は感じていましたが、世の中の常識という勝手に決めた前提に流されていたと反省しています。
さて一つの問い
当期の税引き後利益がいくらだと、当社の現預金は増減なしの状態ですか?
この言葉がすべての入り口なんじゃないか?と、皆様に提言したい。
サステナブルな経営を目指したいのであれば、ドーピングした筋肉ではなく、コツコツ蓄えた筋肉が必要です。
不必要な利益を出して華美に飾るよりも、足るを知る利益とともに幸福を追求して生きていくという経営に美しさを感じるのは私だけではないはずです。
もう一度問いたいです
当期の税引き後利益がいくらだと、当社の現預金は増減なしの状態ですか?
この、最低限の利益が足るを知る経営です。
例えば、8ケ月でこの目標を達成したらどうしますか?
残り4ケ月を出勤しないで自分のために使えば良い。子供と濃密な時間を過ごすも良し、ずっと勉強したかった講義を集中的に受けても良い。旅は人を成長させるし、旅先で出会えた綺麗な風景が人生を歩む上でのマイルストーンになる事を我々は知っている。
美味しいものを食べた時の満足感は緩みを与えてくれるし、何かに没頭した時の身体感覚は自分を誇らしく思うだろう。他人の役に立つ事で、この世界から必要とされている感覚は例えようのないぐらい尊く・美しい。
我々は忙しすぎるのかもしれない
何かに追われている人生から一休みしてみませんか?
世の中は驚くほど美しい
そして、私はすべての人の中に美しさがある事を知っている