【人財共育】成長を促すことは現状の否定。子供に勉強しろ!と言うのは、子供に能力がないと無意識言語で伝えてしまっている状況
前回に引き続き共育です。
企業における共育を考える前に、別の視点から、日本全体の教育を見てみましょう。
私も小学生の娘がいるので、共育には非常に興味があります。
先日、尊敬する恩師が私の事務所に尋ねてきて雑談したのですが、こんな事を言っていました。
「学校教育は日本という国のシステムの一部なんだ」
「国がどういう政策を掲げるか?によって現場は大きく左右される」
「高度経済成長時代は、年上の人に言われた事をそのままやる子が優秀な子」
「今の時代は、答えがない問題が多いから、生きる力の強い子を輩出するのが教育の目的」
なるほどな〜と思いました。
国家の一存で教育方針が変わるという事に妙に納得。我々40代が幼少期に受けてきた教育と、今の20代が幼少期に受けてきた教育は根本から異なる訳です。
我々40代や、その上の世代は
「先生の言う事は絶対」
という価値観を刷り込まれてきました。子どもたちを軍隊的に画一化し、頭動かすなら手を動かせ!という教育思想です。
高度経済成長の時代にはこのほうが理にかなっていました。出生率の高かったので、人口も増加していましたからね。
ITもそこまで普及していなかったので、労働力が安価でした。
イノベーションを起こさずとも、人口増加によって自然にモノが売れる時代だったので、頭動かすなら手を動かせ!を素直に実行してくれる人財が重宝されました。
※年金システムや医療制度などは、この時代が永遠に続くという錯覚のもとに創られています。もう対処ではなく制度を根本から変えないと対応できないですよね……。
今は昭和の時代と根本的に異なります。
「今の時代は、答えがない問題が多いから、生きる力の強い子を輩出するのが教育の目的」
なのです。
ようやく今日の本題に
前回も書きましたが、成長しろ!ゴラゥォォォォ!!!!
って言っていませんか?
世の中の大半の人が誤解しているのですが
成長しろ!というメッセージがきちんと伝わる事は非常に稀です。
ほぼ相手に届かない
成長しろ!
勉強しろ!
このようなメッセージは、相手の頭の中でこのように解釈されます。
(お前はダメだから)成長しろ!
(お前はバカだから)勉強しろ!
このカッコ書きの部分のみが相手の頭の中に残るのです。
経営者に思い返していただきたいのですが
いわゆる名経営者に会った時に、成長しろ!とは言わないですよね?
自分より下に見ている相手に対して、成長しろ!とか勉強しろ!とか、数字出せ!売上たてろ!利益だせ!
とか言ってしまう訳です。
この下に見ている。という部分だけがメッセージとして伝わります。
とても良くない人間関係が職場に出来上がってしまうのです。
※例外的に、このようなメッセージがきちんと伝わる事もあります。
それは、両者が心から信頼しあっている状態の時です。いわゆる愛のムチは、両者の(特に部下の)信頼関係がキモです。
人間の成長と教育を考える上で
能力・スキルを横軸(水平方向)
人間力を縦軸(垂直方向)
として考えてみる。と前回書きました。
ここでいう縦軸(垂直方向)の成長は、上記の話がすべての入り口になります。部下を人間的に、OSから成長するアシストをしたかったら、まずは自分自身がやり方を勉強すべきです。
私の師匠の本を紹介
子育て中の方だけでなく、経営者も必読です。
垂直方向の成長の鍵がみっちり詰まっています。
はい、という訳で
垂直方向の成長のお話でした。
人間力、とも言いますが、鍵を握っているのは上司・経営者だったりする訳です。逆の視点から見ると、垂直方向の成長ができずに離職した社員さんは、上司・経営者がアシスト失敗したからだ。
と言える訳です。
とても耳が痛い話ですが、逃げずに正面から受容しましょう。
もう少し共育の話をしたいですね。
信頼関係がしっかりしている状況を創る鍵、関係性の質について、次回は書きましょう。
ではまた!