どうしたら差別をなくせるのか
「どうしたら差別をなくせるのか」
を考える前に、
「どうして差別をしてしまうのか」
を考えてみたいと思います。
まず、誰の心にも「差別意識」はあるということを思い返してみましょう。
身近なところでは、仕事場で、「あの子よりは、あいつよりは自分は仕事ができる」、と思っている自分はいないでしょうか。
あるいは、学校なら、「あの子よりは勉強ができる」、あるいは、「あの子よりは足が速い」等々。
なぜこのようなことを考えてしまう、思ってしまうのかといえば、「自分の地位の安定」を得たいという無意識の心が働いているからではないでしょうか。
言い換えれば、自分は最下位ではない、まだ下がいるのだという安心感とでもいうようなものでしょうか。
人は、自分が最下位であることを何の屈辱もなく受け入れることは出来ないでしょう。
そうではないですか?
もし仮に受け入れられるとすれは、あなたは余程達観されておられる方か、人生を諦めてしまってる人でしょう。
一番なんて、そんな贅沢なことは望まないけれど、最下位は嫌なのです。
そんな心理が、ある塊となって働くと、人種差別や、性差別などに発展してしまうのではないでしょうか。
もう一つ、人には
「自分と異質のものを排除したい」
という心理があるようです。
これは、「いじめ」にも繋がる要素ですが、おそらく、人間の遺伝子の中に、「自分と異質の遺伝子は残したくない」、という設定がされてるのではないでしょうか。
現世人類の他にも幾つかの人類が誕生したそうですが、残ったのは私たちホモサピエンスだけです。
なぜ他の人類が絶滅してしまったのかは、その道の専門家の方にお任せするとして、事実、現世人類は他の人類と違った遺伝子を持ったまま生き残ってきているのです。
そこに何があったのか、興味をそそられますね。
話を戻しますが、「異質のものを排除したい」という気持ちは、遺伝子だけではなく、脳の中にも、「異質のものに、もっと言えばよく知らないものに不安を覚える」という作用があるからなのではないでしょうか。
心を通わせられないから、心がわからないから、不安になる。だから、不安を解消するために遠ざけようとする。
それが「差別」へと繋がっているのではないでしょうか。
ここまでで、「どうして差別をしてしまうのか」、の理由が二つ見つかりましたね。
一つは、「自分が最下位でいることが屈辱だから、自分より低いと思える人を作ってしまう心理」
もう一つは、「異質なもの、知らないものは不安にだから遠ざけたいという心理」
私は、この二つの要素が、「差別」をしてしまう原因の中でも大きな位置を占めているのではないかと思います。
では、どうしたら差別をなくせるのか。
おそらくは、無意識にこのような心理が働いていることを自覚して、あるいは啓蒙して、「理性」の力を奮い起たせることではないでしょうか。
感情的に差別してしまうことの解決に、同じ「感情」はあまり役に立たないでしょう。
逆に、感情の対立を生むだけになりかねません。
ヘイト合戦は不毛です。
今、私たちに出来ることは、出来る限り理性的であること。
そして、それを日常にすること、習慣にすること。
習慣的に何かを行うと、考え方、行動、気持ちなどが変わっていきます。
自己啓発本を読んだことのある人なら、良い習慣を作ることがいかに大事かおわかりでしょう。
現在、世界中でデモが行われていますが、これが単発で終わるのではなく、デモという形をとらなくても、日常的に何かしらのアクションを続けることで、人々の意識が変わり、世界から人種差別がなくなるのではないかと、私は考えています。
もちろん、時間はかかるかもしれません。
しかし、私たちが強い意思を持って行動し続けるのなら、それは遠い未来ではないはずです。
まずは、自分が何かしら差別をしていないだろうか、その辺りから動き始めてみたい私です。