京都暮らしと庭いじり~少年の日~
去年の晩夏、京都の庭付きの借家に引っ越して来ました。
休眠状態の庭が変化してゆく過程を綴っていきます。
10月下旬。
東京の品川歴史館で『ミチカケ』公演が終わり、京都に戻って来た。
出演者、スタッフ、お客様と共に、素晴らしい時空を立ち上げることができ、至福の数日間だった。ありがとうございました。
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そして、留守の間、庭や鉢植えの植物に水やりしてくれた友人に感謝。
さあ、来春に向けての庭いじりを再開。
この間、庭の半分は、芝を張った。
4分の1は、元々埋まっていた球根を掘り出して、等間隔に植えた。
残りの4分の1は、これからシロツメグサ(クローバー)の種を蒔くぞ。
葉っぱの形(三つ葉)、ポンポンのような白い花も可愛らしい。
女の子なら、子どもの頃、シロツメグサやレンゲの花で首飾りや髪飾りを作った思い出があるだろう。
庭のコンセプトは「緑の絨毯」。
芝生はもちろんのこと、シロツメグサの繁殖力は圧巻。
スコップで土を掘り返して、フワフワにする。
直径1mmくらいのシロツメグサの種をパラパラと蒔く。
ジョウロでたっぷり水をかける。
来春には、三つ葉の絨毯が広がり、可憐な花をたくさん咲かせるだろう。
口ずさむのは中学校の校歌。
「し~ろつめ草の幸分けて~ 少年の日を た~の~し~ま~ん~」
そういえば、校庭にもシロツメグサが繁ってたな。
思春期の頃は、四つ葉のクローバーを懸命に探していた。
探すとなかなか見つからないけれど、ふと目をやると四つ葉が笑っていたりする。
それって、流れ星の出会いにも通じる。
ぼんやり夜空を眺めていると、宇宙に浮かんでいるような心地になる。
すると、プレゼントみたいにキラリと星が流れる。
中学時代の友人の顔が浮かぶ。
富士額で、長いポニーテールがトレードマーク。
当時、黄色いフォルクスワーゲンを見ると願いが叶うというジンクスが流行っていて、彼女は、それを見かけると「全部叶えてください」と言霊を飛ばしていた。
私は衝撃を受けた。
全部叶えるなんて、考えたことなかったから。
半世紀生きてみて、好きなことばかりしながら進んできたことを実感している。
流れで京都に暮らすことになり、この庭で夕日を浴びながら、過去と今と未来を丸ごと味わっている。
友は、40代でこの世を去った。
中学校を卒業して以来、会う機会がないまま、彼女の訃報を聞いた。
会いたかったなあ。
短い滞在だったけど、きっとたくさん願いを叶えただろう。
私は長生きするつもり。
心の畑を耕して、光を浴びて、いろんな色の花を咲かせるよ。
体育の時間。
バスケットボールの試合で友が勢いよく振り向き、
彼女のポニーテールの毛束が鞭のように私の頬を打ち、意識が飛んだことがある。
それからは彼女の動向に注意し、よけるのが上手くなった。
毛束の感触、懐かしい。愛おしい。
ありがとう。友よ。