京都暮らしと庭いじり~吸血鬼~
去年の晩夏、京都の庭付きの借家に引っ越して来ました。
休眠状態の庭が変化してゆく過程を綴っていきます。
10月末、芝の根付き具合を気にしつつ、雑草を抜く。
カタバミやら、ドクダミやら。
先日、シロツメグサの種を蒔いたので、毎日たっぷりお水をあげている。
秋の虫の声も、そろそろフェードアウトしていくだろう。
ちょっと淋しい。
蚊はまだまだ生命力をみなぎらせて、吸血の機会を伺っている。
私は数年前から、なるべく虫を殺さない生活をしている。
庭では肌を出さないようにしているので、ほとんど刺されない。
蚊が寄ってきたら、手で払う。
室内の場合は、あえて肌に留まらせて、手に空洞を作って潰さないように叩き、風圧で蚊を失神させ、外に出す。
蚊は、普段は植物の汁を吸っているのに、子孫を残す時になると、メスが人間や動物の血を吸いに近づいてくる。
命懸けで。
誰かと一緒にいると、私は刺されないけど、周りの人は血を吸われていることが多い。
蚊に刺されやすい体質の友人は、虫除けグッズで身を守っていても被害に遭っている。
私は、蚊に対する苦手意識がないのと、蚊と周波数を合わせてないってのもあるかな。
18年前、真剣に蚊に刺されようと願ったことがある。
インドネシアで演劇公演をした時のこと。
楽屋はもちろん、本番直前に舞台袖で待機していても、蚊が襲ってくる。
出演する女優二人は浴衣なので、うなじや袖口、足元からいくらでも血を吸うことができる。
本番前、女優陣は集中している。
いいパフォーマンスをしてもらいたい。
私は心の中で叫んだ。
蚊の皆さん!刺すなら私を! みんな私のところにどうぞ!!
結局、みんな舞台袖では刺されなかった。
蚊がオスだったのか。
日本人の公演を、蚊も楽しんでくれたのか。
表現者が放つオーラで、近寄り難かったのか。
生きとし生けるものと共存しながら、舞台公演を成し遂げた、ありがたい想い出。
演劇の神様が、味方してくれてたんだろうな。
部屋に戻ると、足首がかゆい。
二箇所、刺されてる~!
よくってよ。キンカン塗っとこ。
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