デジタルカメラで表現可能な光の明るさの範囲。ダイナミックレンジとは?
ダイナミックレンジとは?
デジタルカメラのセンサーには、感じ取れる明るさ暗さの限界がある。
タイトルに「デジタルカメラの…」と入れたのは、ダイナミックレンジはカメラ限定の話ではないからだ。
カメラ用語の中に「ダイナミックレンジ」というワードがある。あまり気にかけたことがないかもしれない。けど光や音など波動で表現する場合に「ダイナミックレンジ」を無視することはできない。
デジタルカメラの光を受けるイメージセンサーの受光部。
ミラーレス一眼カメラのレンズを外すと、そのカメラ本体の中に金属のようなキラキラ光る板が見える。
見た目ではわからないが、その板にはいくつもの画素(撮像素子)が格子状に並んでいる。その画素(撮像素子)の合計数が画素数。
ちなみに iPhone 13 の画素数は1,200万画素。
Android端末であれば普通に4,000万画素を超えていたりする。
が、画素数が多ければ画質が良いというわけではない。
一粒の画素に、複雑な機能が備えられている。
画素数が多いということは、狭いところにいくつもの機能がぎゅーぎゅー詰めの状態ということ。
当然、光を受け取る受光部分も小さくなってる。
すると受光部分の精度が悪くなる。
どんなに弱い光でも受光できるのか?
どんなに強い光でも受光できるのか?
デジタルカメラのセンサーは、受光できない光の「強さ弱さ」がある。
光が強すぎて、あるいは弱すぎて、細かなディテールを表現できない。
というセンサー受光部の限界がある。
許容範囲が狭い、あるいは広い。
カメラによってその範囲は異なる。
許容範囲が狭いカメラなら、白飛びや黒つぶれが起こりやすい。
許容範囲が広いカメラなら、最も明るい部分も暗い部分も細部までディテールを表現してくれる。
簡単に書くと、表現可能な光の明るさの範囲がダイナミックレンジ。
イメージセンサーとダイナミックレンジの関係
センサーサイズが異なる場合
センサーサイズが大きい FUJIFILM GFXシリーズのカメラのダイナミックレンジは広くすることができる。その点、フルサイズやAPS-Cセンサーサイズのカメラは不利になる。
センサーサイズが同じ場合
センサーサイズが同じ場合、画素数が多ければダイナミックレンジが狭くなる。画素数が多い方が良いとは言えないのは先ほど書いたとおり。
スマホのカメラの中にあるセンサーは、一般的なミラーレス一眼カメラと比べるとかなり小さい。それなのに画素数が多い。つまりダイナミックレンジ(表現可能な光の明るさの範囲)は狭くなる。
だからスマホカメラは、明暗差の大きい被写体や環境で白飛び、黒つぶれが起こりやすい。白飛び、黒つぶれが悪いということではないので、スマホカメラがダメという話でもない。
ダイナミックレンジが広ければ画質が良いということでもない。が、広い方が表現の幅が増えるのは間違いない。
最近は、同じセンサーサイズでも受光部を大きくするような技術も進んでいるようだ。例えば、積層型CMOSセンサー。富士フイルム X-H2s でも採用されたイメージセンサーだ。
X-H2s が積層型になってダイナミックレンジが広くなったかどうかは知らない。多分広くなってるんだろう。
F-Log2動画撮影では「ダイナミックレンジを14+stopに広げた」と富士フイルムの公式な記載がある。
ここまでは、一般的なダイナミックレンジの話。
富士フイルムXシリーズ特有のダイナミックレンジの話がある。
富士フイルムXのカメラには、ダイナミックレンジをお好みでカスタムする設定があるのだ。コントラストの強いシーンでも白飛びや黒つぶれを抑える効果がある。
この夏の日差しが強い季節。
光と影の明暗差がきつい撮影シーンも増えてくる。そんな場面で効果を発揮してくれるダイナミックレンジ設定。
富士フイルム以外には関係ない話なので、また別の記事で書くことにする。
今日も元気に楽しく
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