vol.02 真っ暗な空間に浮かぶ虹。
今回は、私が好きなアーティストの一人である、オラファー・エリアソンの《丸い虹》(2005年) についてご紹介します。
オラファーは自然界や人間の知覚をテーマに、展示空間を丸ごと作品にするインスタレーション・アートを数多く制作しています。
《丸い虹》(2005年) は、暗い部屋の天井から吊るされたプリズム・リングに光をあてるというシンプルな作品です。
オラファー・エリアソン
《丸い虹》
2005年
アクリルプリズム、鋼、アルミニウム、モーター、三脚、HMI ランプ
サイズ可変
引用元:
https://olafureliasson.net/archive/artwork/WEK100699/round-rainbow
光があたったリングは、白と虹色の光の円を作り出し、
真っ暗な世界の中で波紋のように広がります。
まるで日食と虹がゆっくり追いかけっこをしているようです。
ゆったりとした空間が流れる中、
光がリングの影に吸い込まれる瞬間、
光の速度が上がり、彗星のように見えました。
作品の中にリズムがあり、光の円を目で追いかけたくなるような仕組みになっていると思います。この作品は私たちの知覚を揺さぶり、自然への見方を変えるきっかけを作っているのかもしれません。
東京都現代美術館にてオラファー・エリアソンの個展「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」が2020年9月27日まで開催されています。
皆さんの中で観に行かれた方はいますか?私は先日、行ってきました。
展覧会を通して感じたことは後日、書こうと思います。