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掌編・短編小説

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五百から二千字程度の短い単発小説をまとめています。末尾記載の日付は初回公開日、日本語はタイトルの日本語訳です。
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2022年7月の記事一覧

« C'était à cause du soleil »

「最近どうも」 「なに?」 「私の子猫があまり会いに来てくれなくて」 「えっ、それ本人に言…

minuit

 額を通り過ぎ、髪を梳く柔らかな感触にアレクサンドルが薄く目を開ける。視線を持ち上げると…

Homme fatale

「僕はいつまでおまえを守れるかな」  夕食を終え、それからずっとべったりとシャルマンのそ…

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Le goût du péché

 しばらく散髪を後回しにしていたために伸びた髪が、はらりと顔に落ちる。無意識に顔を振りそ…