何かがはじまる予感がして、心臓が鳴った――。【鑑賞後感想】『花束みたいな恋をした』
2年前に観た。その時は、かなり半信半疑だった。それに苦手なジャンルだったからだ。でも、すごく良かった。でね、前の金曜日のことなんだけど、飲み会で、後輩がコレを大好きな映画だと熱弁したんだ。
というわけで久しぶりに観た。
この『花束みたいな恋をした』(長いので、以降は『花束~』と書く)は、映画で言えば『アルマゲドン』、小説で言えば『火花』、マンガで言えば『ワンピース』の友達なわけですよ。いや、そういう訳でもないかもしれないが、いわゆる王道感があった。だから、ということと、恋愛映画はね、僕は昔から少し苦手だったんだけど、前の時の話だけど百聞は一見に如かず。だったね、評価は自分で決めるべきだ。
また、文学的だったんだ。その点も、ここで書くにふさわしく思い、もし、まだ観ていないのなら、観た方がいい。保証するよ。とてもいい映画だよ。
2021年
監督:土井裕泰
出演:菅田将暉、有村架純
123分
ロマンス
90点
こういうので、わあーたまらん! とか思っちゃう人はね、ま、僕の話だけどさ、ようは重ねちゃうんだよね。とか、そう、こんなんだったら最高じゃん! もう、彼女しかいらない。彼女との幸せの、そんな現状維持のために、ほかの何もいらなくなる。
なんでこんなにピッタリな人がいるんだ。どうしよう、全部好きだ。僕と、彼女の好きなことはほとんど一緒。たとえば本棚がそうだった、嬉しいわ。
好きな映画も、音楽も、とか。価値観? そう言えばいいのかな、考え方も全部一緒なんだ。
運命的だった。きっと今までもどこかですれ違っていたんだけど、あの日、交わった。人生には、何度も選択を迫られてきた。でね、自分を誇れることって言えばあの時のことだ、追いかけてよかった。そうじゃなかったら一生後悔していた。それは絶対。
ほんとうに、よかった。
彼女が、彼女になってくれてよかった。
3日間、冷蔵庫の食糧がなくなるまで、ほとんど2人でベットにいた。幸せだったし、いっぱいシタ。
『花束~』素晴らしかったのは、それからがあることだ。よく出来ていると思った。そうなんだよな、そうなんだよ!
俺は、変わっちまったのかな。好きだよ。大好きだし、たぶん愛している。でも、忙しいんだよ。ごめんって。
そういや夢の方は、どうしちまったんだ。もう、ずいぶん描いていないや。
あんなに幸せだったのに、どうしてだろう。彼女だけいれば、彼女と一緒にいられれば、それで全部よかったのに。そうしたくて、必死だったのに、
人生って、難しい。
はあ、いつものとおりかも。僕にはたまらなかったけど、そうじゃないかもしれない。前の記事で小説『TUGUMI』について書いたけど、あれは思い出す恋じゃない。でも、『花束~』は、思い出す恋なんだよな。
過去の恋愛について、男は、名前をつけて保存。女は、上書き保存。ということが言われる。よく分かるよ。思い出すもん。そしてね、あの時の彼女にもそうであった欲しいという、エゴがある。
なにを未練がましくて!
って、君は言うのかな。でもそのとおり。たとえば今の彼女に失礼だとか、それは至極まっとうご意見でしょう。わかるよ。でもさ、僕の人生なんだ。
大切な、思い出なんだ。『花束~』を観ると、強くそう思う。
最後のファミレスのシーンなんて、えぐいよね。でもさ、そうだよなーと思う。あんな頃があった。僕たちも、あんなだった。でも、もう違うんだ。
僕たちの恋は、とても美しかった。
それは、まごうことなき、だけど、
あー別にね、あのシーンがよかっただとか、わかるわかるーとか、したいんじゃない。
昨日のつぐみとはまた違ったアプローチで、グッときたんだ。
いやあ、いい映画だよ!!
菅田将暉と有村架純、最高だったな。たぶん、これ以上ないってくらい。
最後まで読んでくれてありがとう!!
これは、記事、ではなく、感想文かラブレターもしくは日記ですね。思い出徒然、付き合ってくれてありがとう。それではまた!