日本全国縦横無尽 感想その4
セットリスト順のコンサート&楽曲感想続きです。
「あなたのやさしさをオレは何に例えよう」
古い曲です、聴いてください。で始まるけどちっとも古く感じない。この曲はもともと好きなんですけど、このコンサートでますます好きになりました。メンバー紹介であるソロ演奏の部分が、回を重ねるごとにだんだん馴染んできてまるで軽口をたたきあっているような関係に変化していったのがすごく楽しかったです。宮本さんとギター、ベースとの掛け合い、ドラム音、ピアノ音に合わせた踊り。観客までもメンバーとして指差してくれる。音楽を通した会話がほんとうに大切な宝物になったなあと思います。個人的に鹿児島公演の回がめちゃくちゃ楽しくって踊りまくりました。舞台の上でもみんな楽しそうに演奏して歌って踊っていました。
「この道の先で」
コンサートの終盤なのでクタクタになりながらも、ただ届けたいという一心でその時の全てを出し切って歌う姿に目を離せなくなります。もちろん声量が落ちずパワフルに歌うときもあったんですけど。なんでしょう。どちらの場合もこの、アルバム縦横無尽からの4曲が始まるとリズムにのることすら忘れて、いつの間にかじっと歌に聴き入って見入ってしまう自分がいました。コンサートが始まってからいろんなパフォーマンスを見てきて、ここにきてシンプルに、歌う宮本さんに心を奪われてしまった。(ゴロンゴロン転がりながら歌ってるのも別の意味で心を奪われました)
「十六夜の月」
この曲はとても明るい基調のアレンジで、歌詞も清々しいというか吹っ切れた感じの内容なんですけど、なんだかしんみりして、ちょっとほろっとなってしまいます。前曲からの続きでだから、深く物思いに耽るような感じでじっと聴いてしまうんです。わかりやすく例えると、山口の旅日記で宮本さんが過去に思いを馳せて少し長めの沈黙が訪れたのと同じように。コンサートでは歌前の誘い文句が話題になりましたが、個人的には体育座りで歌った姿にグッときました。
「rain-愛だけを信じて-」
前奏の跳ねるようなピアノがぽつぽつと降り出す雨の音に聞こえるんですよね。照明もアスファルトに落ちる雨跡のようで。この曲もマーチのリズムで威勢がいいんですけど、愛を求めて〜からのメロディが心地良くて聴き入ってしまいます。1回だけ熊本で聞いた、いつもココロにrain rain rain(たぶん)という曲紹介がすごく好きでした。
「P.S. I love you」
CDを聴くと(例えば若き日の〜)、ああこの宮本さんの声好きだなあと思います。地声に近いのかな。コンサートでは小林さんに向かってじっとうなだれた状態から、お互い相手の呼吸を感じ取るようにしてピタッと合わせてくる宮本さんの第一声に打ち震えます。振替となった最後の3公演では本当に優しく、会場にいる全員に向かって I love you!と伝えようとしているのがひしひしと感じられました。大好きな曲です。
「木綿のハンカチーフ」
カバー曲。ひとりで歌っているのにデュエットしているような、男性のパートは男性に女性のパートは女性に聴こえます。心情が声に反映している。声にどちらの気持ちも乗っているんですけど、若干男性の方に多く気持ちがあるような気がします。スーツを着て誇らしげな自慢したい気持ちとか共感する部分が多いのかな。旅日記で私服のスーツを披露していたのってこういう気持ちなのかなあなんて想像してしまいます。
「ハレルヤ」
ソロ1stアルバム『宮本、独歩』の1曲目がコンサートのラストに。こんなにも理屈抜きで無条件にワクワクする楽曲って他にないなあと思います。MVで朝のイメージだったんですが、これ夜の風景なんですね。CD聴いて改めて。コンサートでは元気いっぱいに走り回って(この後に及んでまだこれだけのパワーがあるのかってくらい)、そして宮本さんの「幸あれー!」の繰り返しで終わります。いい終わり方だなあと思う。会場中がしあわせに溢れて、この多幸感は帰ったあともずっと続きます。
これで感想は終わりです。そして今もしあわせな感じは続いています。