vertniyk

Twitterでとりとめもなく書いた感想を加筆修正してちょっと長めの文にしました。下書きに溜まっている断片も併せてまとまった文章にしてみようと思います。最近はエレファントカシマシ 宮本浩次さんの楽曲についての感想が多いです。

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Twitterでとりとめもなく書いた感想を加筆修正してちょっと長めの文にしました。下書きに溜まっている断片も併せてまとまった文章にしてみようと思います。最近はエレファントカシマシ 宮本浩次さんの楽曲についての感想が多いです。

マガジン

  • 宮本浩次縦横無尽ツアー感想まとめ

    日本全国縦横無尽ツアー&完結編の感想です。ライブレポというより楽曲や演奏、演出について思ったことを書いてます。

最近の記事

イントロが好きなエレファントカシマシの曲

「イントロが好きな曲」という、あるCDショップのアンケート企画があったんです。1曲だけあげて、その理由も書いてツイートするっていう。でもどうしても1曲に絞れないから結局好きなの全部書いちゃいました… 無効票になるとわかってて敢えて複数曲挙げたのは結局、自分がどう思っているのかが大事だなあと。更に言えば、曲に対する “どう思っているのか” が宮本さんへ伝わるといいなあと思って。きっと作品に対する感想って聞きたいだろうから。という趣旨も当時ツイートしました。 だがしかし、 せ

    • 『扉』収録曲感想〜後編〜

      個別感想の続きです。 「一万回目の旅のはじまり」 イントロが渋い。これも低音がよく効いていて、その上にリズミカルな軽いギターリフが乗る。「歴史」もそうですけど、それぞれの楽器音が特徴的で立っているのに一緒に聴くとすごくまとまっていて。インストでも聴きたいですね。特にこの曲はなんというか音の表現が交響曲のような。“台風“ を音楽にしたらこうなるんじゃないか、という感じがします。この歌詞もすごく好きです。心象風景でもあり比喩表現でもあり。秀逸です。灰色の海に飛び込んでしまうとい

      • 『扉』収録曲感想〜前編〜

        今回は 15th アルバム『扉』です。 ほんとうに声質が多様で表情豊か。この頃の宮本さんの声がめちゃくちゃ好きなんですよね。多種多様な声音を楽しめます。どの曲も「歌い方」をいろいろ試されているのかなという感じ。声が曲の雰囲気を支配している。声音によって様々な感情を表している。表現方法もあらゆる場面で駆使されていて、聴けば聴くほど味わい深い。だから物語がより情緒的。このアルバムは声の活用のひとつの到達点だと思う。 音は全体的に低音が多い印象でベースがすごく効いてます。ギターの

        • どうして「イージー」が好きかっていうとね…

          エレファントカシマシの楽曲でいちばん好きな曲は何ですか? この質問には、答えられないという人が多いのではないでしょうか。なぜなら好きな曲が多すぎて一曲に絞れないから。 でも、わたしは即答できます。はい。表題のとおりそれは「イージー」なんです。この答えには「ああそうですか…(好みは人それぞれですからね)」という感じであまり賛同を得られないんじゃないかと思うけれど。 そこで、なぜこんなにも好きなのか。なぜこれ程までに心臓を鷲掴みにされるのか。この曲の何がわたしのココロを捕らえ

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        • 宮本浩次縦横無尽ツアー感想まとめ
          6本

        記事

          『俺の道』収録曲感想〜後編〜

          個別感想の後編です。 ※重要なネタバレを含みます。未聴の方はご注意ください。 全体感想・個別感想前編はこちら 「ラスト・ゲーム」 アコースティックギターがもう最高にかっこよくて持っていかれるけど、宮本さんの歌い方もこの曲にすごく合っているから、音と歌と両方に引っ張られて揺らぎながら聴いています。わたしは宮本さんの弾き語りが好きなので、ミドルテンポで、この、ちょっと“軽み“のある感じがすごく好みです。そして、メロディと歌詞がカチッと合致して気持ちいい。(な・がいかふうのよう

          『俺の道』収録曲感想〜後編〜

          『俺の道』収録曲感想〜前編〜

          個別感想の前編です。 全体感想・個別感想後編はこちら 「生命賛歌」 最初の1音を聴いただけで胸ぐらを掴まれて一瞬で曲の世界に引きずり込まれる。重厚感のあるギターリフ。重厚感のある声。イントロを聴くだけで内側からウワーッと生命が湧き上がってくるような感覚になります。だだっ広い草原の真ん中にいる情景が浮かんで、草の匂いまでも漂ってくるかのよう。生命賛歌よ!と歌い上げる壮大さは「オマエ・デッケエナ」のでっかさに負けていない。 「俺の道」 前曲で胸ぐらを掴まれたと思ったらそのまま

          『俺の道』収録曲感想〜前編〜

          縦横無尽ツアーで演奏されたエレファントカシマシの楽曲について

          ROCKIN’ON JAPAN の縦横無尽ツアー完結編のインタビューで、ソロツアーでエレファントカシマシの楽曲を歌うことについて言及されていたので、ツアーや新春ライブでつぶやいたことをまとめてみました。答え合わせじゃないけれど、わたしはこう感じましたという個人的感想です。 ※インタビューの引用があります。ネタバレしたくない場合はご注意ください。 『悲しみの果て』 わたしが今回のソロツアーで歌われたエレファントカシマシの楽曲の中でいちばんに違いを感じた曲です。エレファントカシ

          縦横無尽ツアーで演奏されたエレファントカシマシの楽曲について

          アルバム『俺の道』全体感想

          今回は、エレファントカシマシ14thアルバム『俺の道』です。 ※重要なネタバレを含みます。未聴の方はご注意ください。 個別感想はこちら このアルバムを初めて聴いたときの第一印象は「もうギターリフがひたすらカッコいい」でした。何度も聴いた今でもギターのかっこよさに唸ります。まさに ”ロック屋” な一枚だと思います。 そして、狼のジャケットまで含めてアルバム丸ごとでひとつの作品という印象を受けます。書籍の体裁になってるからタイトルが縦書きなんですけど、ケースを開けた状態でも

          アルバム『俺の道』全体感想

          縦横無尽完結編 on birthday 感想

          日本全国縦横無尽ツアーではセットリストになかった曲が、宮本浩次縦横無尽完結編 on birthday で披露されたので、ここではその歌われた曲を中心に感想を書きたいと思います。 「あなた」 カバー曲。この “あなた“ は亡くなっている人なんじゃないかと宮本さんがどこかで分析してたけど(出典不明。すみません)、もう失われてしまった、絶対に手の届かないものへの渇望、恋焦がれる想いを歌わせたら最強なんじゃないかと思う。曲後半、何度も “あなた“ と呼ぶ声にぎゅっと胸を締め付けられ

          縦横無尽完結編 on birthday 感想

          日本全国縦横無尽 感想その4

          セットリスト順のコンサート&楽曲感想続きです。 「あなたのやさしさをオレは何に例えよう」 古い曲です、聴いてください。で始まるけどちっとも古く感じない。この曲はもともと好きなんですけど、このコンサートでますます好きになりました。メンバー紹介であるソロ演奏の部分が、回を重ねるごとにだんだん馴染んできてまるで軽口をたたきあっているような関係に変化していったのがすごく楽しかったです。宮本さんとギター、ベースとの掛け合い、ドラム音、ピアノ音に合わせた踊り。観客までもメンバーとして指

          日本全国縦横無尽 感想その4

          日本全国縦横無尽 感想その3

          セットリスト順コンサート&楽曲の感想続き。 「sha•la・la•la」 ミドルテンポの曲。やっぱり空を見上げているんだけど、こういう “軽み“ は宮本さんの新たな1ページなのかなと思います。途中、足どり軽くステップを踏む振りが結構好きです。“you“ で自分を指差していたので、これも自問自答している歌なんだなあと改めて。誰のために歌っているのかとの問いに、結局自分自身に歌っていると答えたのを思い出します。ミラーボールは後方から見るとほんとに会場中がきらきらしてすごく綺麗。

          日本全国縦横無尽 感想その3

          日本全国縦横無尽 感想その2

          セットリスト順のコンサート&楽曲の感想続きです。 「shining」 高音が続く美しいメロディだけれどコンサートでは力強く、声を振り絞るように歌う姿が傷だらけの武士のようにも、丘の上に立つ孤高の侍のようにも見えました。ライブは生物なので途中歌詞を変えたりすることもあるけれど “男の誓い“ と高らかに歌い上げたときにはグッときました。 「獣ゆく細道」 前曲の後奏から切れ目なく演奏されるバンドの音とトンネルを通るような映像で別世界へといざなわれる。足音だけが響く暗闇の中、パッ

          日本全国縦横無尽 感想その2

          日本全国縦横無尽 感想その1

          日本全国縦横無尽47都道府県完走されましたので、セットリストどおりにCD音源を聴いてコンサートを含めた楽曲感想を書きたいと思います。 「光の世界」 コンサートではとても丁寧に感情を込めて歌っていました。ひとりごとのように自分に問いかける声、大空へ真っ直ぐに響かせるような声、1曲の中でも多様な歌い方をされていたんですが、生の声はCDよりもダイレクトに耳に飛び込んできた印象です。ピアノの美しい旋律とシンプルな照明がまさに光の世界。圧倒的な孤独とやわらかな光。その光の世界に宮本さ

          日本全国縦横無尽 感想その1

          『愛と夢』収録曲感想〜後編〜

          前編に続いて後編です。 「真夏の星空は少しブルー」 この声にやられました。世界観が歌声によって表現されていると思います。これも初聴きはベスト盤で、後日「そぼふる雨の中に一匹たたずむ子犬がこちらをじっと窺っているような歌声」という感想を書いてます。歌詞の内容と関係なく、とつとつと歌う声が置いてけぼりにされてしまったという印象を受けたんですよね。ずっと同じ場所にいて動けないでいる。今回改めて聴いてみると、この歌詞は現在形で書かれているけれど、現実とは別の、幻想的な世界という印象

          『愛と夢』収録曲感想〜後編〜

          『愛と夢』収録曲感想〜前編〜

          今回は『愛と夢』収録曲の個別感想を。 「good bye mama」 イントロのギターの重なり好きですね〜 機械音とドラムの無機質さに対して、ギターやベースが有機的な感じ。それらが合わさるとなんとも言えない不思議な深みのある音に聴こえます。アウトロも聴かせるなあ。口笛も効果的です。これ全部宮本さんが考えてるのかと思うと純粋にすごいなあと思います。その音の上にのる歌声が甘い声なんだけれど、ちょっとしゃがれた部分があるのもいいです。 「愛の夢をくれ」 このギターのリフもいいで

          『愛と夢』収録曲感想〜前編〜

          アルバム『愛と夢』全体感想

          この note は、今までTwitterや下書きに書いてきた楽曲感想をもとに、加筆修正してちょっと長めの文章にまとめてみたものです。わたしは宮本さんのソロワークスから遡って聴いているので、これから発売年順は関係なくアットランダムに取り上げていこうと思います。 今回はエレファントカシマシ10thアルバム『愛と夢』の全体感想から。 とにかく声が優しい。びっくりするくらい優しい歌声がこの時期の特徴かと思うんですが、もうひとつ、ギターが鳴っているように歌う独特な歌唱、ひとことで言

          アルバム『愛と夢』全体感想