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日本全国縦横無尽 感想その2

セットリスト順のコンサート&楽曲の感想続きです。

「shining」
高音が続く美しいメロディだけれどコンサートでは力強く、声を振り絞るように歌う姿が傷だらけの武士のようにも、丘の上に立つ孤高の侍のようにも見えました。ライブは生物なので途中歌詞を変えたりすることもあるけれど “男の誓い“ と高らかに歌い上げたときにはグッときました。

「獣ゆく細道」
前曲の後奏から切れ目なく演奏されるバンドの音とトンネルを通るような映像で別世界へといざなわれる。足音だけが響く暗闇の中、パッと明るくなるとそこには黒のスーツに赤いシャツの宮本さんが。前曲から引き続くイメージ、孤高の赤い獣という感じ。やさしい歌声と地の底から湧きあがるような声。デュエット曲を宮本さん一人で歌い、パートによって声音を変えているんだけど、まるで最初から一人だけの歌唱だったように感じます。間奏、後奏部分では内なる獣を解放するように踊るのがおすすめ。めちゃくちゃ楽しかった!

「ロマンス」
カバー曲。ロック調のアレンジ。あなたが好きなんですという真っ直ぐな思いの少女と愛される女性の心情を余すところなく表現する。宮本さんが少女にも大人の女性にも見えるから不思議です。

「冬の花」
はらはらと舞い散る雪の景色から始まる。それが歌の途中から真っ赤な、引きちぎられてしまったような花弁が直接宮本さんの上に降り注ぐ。わたしはこれは血が流れているように感じました。涙ではなく血が。負けるわけがないと天を仰ぎながらも、打ちひしがれ傷つき血を流している。運命に抗うように歌う宮本さんの歌声に胸が締め付けられます。降り注ぐ花びらは、正面から見ると引き裂かれた思いや心が無情にも散っていくなか立ち尽くす姿に。天井席から見ると舞台の上の赤い色がだんだん広がり宮本さん自身が流した血の跡のようにも、宮本さんを中心とした大きな花のようにも見えました。この演出には圧倒されました。

「悲しみの果て」
前曲で悲しみの果てにいるところからこの曲へ。セットリストの中で特にこの曲順には強いこだわりを感じました。完璧だと思います。エレファントカシマシでは “悲しみの果て“ に焦点があるように感じるんですが、このコンサートでは前曲からの流れや、いちばん伝えたい想いとして “素晴らしい日々を送っていこうぜ“ ということに焦点を置いているように感じます。最後にもう一度この歌詞を世界に向かって宣言するように歌い上げる。そしていつも必ず「みんなに捧げます」と言ってから歌い始めるから。会場によってこの呼称が、「あなた」だったり「キミ」だったりしたのも好きでした。

続く

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