ペットと話すとき、なぜ赤ちゃん言葉になるの?【心理学】
ペットと話すとき、赤ちゃん言葉を使うことってありますよね。
「かわいいね〜」「おりこうさんだね!」といった調子で、普段とは違う口調になることが多いのではないでしょうか。
これは単に感情の高まりから来るものではなく、実は心理学的な理由があるのです。
まず、ペットと話すときに赤ちゃん言葉を使う理由の一つは、ペットが私たちにとって家族の一員であり、特に可愛がる対象だからです。
赤ちゃん言葉は、親が赤ちゃんに対して使うことが多いですが、これは愛情や保護の表現として自然に出てくるものです。
ペットも同様に、私たちが愛情を注ぐ存在であるため、同じように赤ちゃん言葉が使われるのです。
ここまではなんとなく理解できると思いますが、実は更なる理由があったのです。
実はペットに赤ちゃん言葉を使うことで、ペットとのコミュニケーションが円滑になるという研究もあります。
ペットは高い声や柔らかいトーンに反応しやすいことがわかっています。
これは、ペットが私たちの声のトーンから感情を読み取る能力が高いためです。
高い声や柔らかいトーンは、ペットにとって安心感を与え、リラックスさせる効果があります。
したがって、私たちがペットに赤ちゃん言葉を使うことで、ペットがより安心し、従順になるようです。
さらに、赤ちゃん言葉を使うことは、私たち自身にもポジティブな影響を与えます。
ペットに対して優しい口調や可愛らしい言葉を使うことで、自分自身もリラックスし、ストレスが軽減されるようです。
これは、笑顔や優しい言葉が脳内のドーパミンやセロトニンの分泌を促進し、幸福感を高める効果があるためです。
このように、ペットと話すときに赤ちゃん言葉を使うことは、ペットに対する愛情の表現であると同時に、ペットとのコミュニケーションを円滑にし、私たち自身の心身の健康にも良い影響を与えます。
次回、ペットと話すときにも、引き続き赤ちゃん言葉を使ってみてください。
ペットもあなたの愛情を感じ取り、より一層絆が深まることでしょう。
それでは、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
更なる情報です。
マザリーズ
ペットに対して赤ちゃん言葉を使う理由についての心理学的エビデンスをいくつか紹介します。
まず、赤ちゃん言葉を使うことがペットとのコミュニケーションに効果的であるという研究があります。
心理学者のキャシー・ハーシュ-パセクとレベッカ・トレイマンは、1980年代に「マザーリーズ」(母親が赤ちゃんに話す特別な言葉)と似たような言葉を犬にも使うことが多いことを示しました。
この特別な話し方を「ドッガリル」と呼びますが、これは高音でリズミカルなイントネーションを持ち、多くの繰り返しが含まれています。
さらに、ハンガリーのエトヴェシュ・ロラーンド大学の研究では、犬の脳が「ドッガリル」や「マザーリーズ」に対して特に敏感であることがfMRIを用いた研究で明らかになりました。
犬の脳は、通常の大人向けの話し方よりも、犬向けや赤ちゃん向けの話し方に対して強く反応する領域が存在することが分かっています。
この研究は、犬が特定の音声パターンに対してより敏感であることを示す神経学的な証拠を提供しています 。
猫に対する赤ちゃん言葉の使用についても、同様の効果が観察されています。ある研究では、飼い主が赤ちゃん言葉を使って話しかけると、猫はより強い反応を示すことがわかりました。これは、猫が飼い主の声のトーンやパターンを認識し、それに対して特別な反応を示すためだと考えられています。
ポジティブな言葉を使う心理的効果
赤ちゃん言葉を使うことが私たち自身にもポジティブな影響を与えるという点について、いくつかの心理学的エビデンスがあります。
まず、赤ちゃん言葉を使うとき、優しい口調や可愛らしい言葉を使うことで、リラックスし、ストレスが軽減される効果があります。
これは、笑顔や優しい言葉が脳内のドーパミンやセロトニンの分泌を促進し、幸福感を高めるためです。
ポジティブな言葉や行動がドーパミンとセロトニンの分泌を促進し、これがストレスの軽減や幸福感の向上に寄与することが知られています。例えば、ポジティブな自己対話は、自尊心を高め、ストレスや不安を減少させる効果があります。
また、タッチや優しい言葉によるポジティブな感情の増加は、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルを下げ、心身のリラックスを促進することが示されています。