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非認知能力と生きる力は関係する?
どうも、あおきです。医学部でコミュニケーション教育と心理学教育を行っている研究者兼心理カウンセラーです。
今日は、「非認知能力」と「生きる力」について、心理学の視点から考えていきたいと思います。この二つは、私たちが日々をよりよく生きるために欠かせない要素ですが、それぞれがどう結びついているのかを掘り下げてみましょう。
非認知能力とは簡単に言うと、学校のテストやIQのように数値で測れない能力を指します。
たとえば、感情をコントロールする力、人と協力する力、目標に向かって努力を続ける力、そして自分を律する力などです。
心理学ではこれらをパーソナリティや社会的スキルとして研究してきました。こうした能力は、人生の満足度や成功に大きな影響を与えるとされています。
一方、「生きる力」という言葉は、教育現場でもよく使われますが、具体的には「どんな状況でも自分らしく生き抜く力」を指すことが多いです。
ここでポイントになるのは、この「生きる力」の中核に非認知能力が大きく関与しているということです。
たとえば、目標に向かって粘り強く努力を続ける力、いわゆる「グリット(やり抜く力)」は非認知能力の一つです。
この能力は、成功や成長には才能だけでなく、継続する力が不可欠であるとされています。困難な状況に直面しても諦めずに努力し続けられる人は、生きる力が強いと言えるでしょう。
また、「セルフコントロール(自己制御)」も生きる力に欠かせません。
たとえば、短期的な欲望を抑え、長期的な目標に向けて計画を進める力です。
心理学の研究では、セルフコントロール能力が高い人は、学業や職業で成功するだけでなく、健康や人間関係にも良い影響を与えることが示されています。セルフコントロールは、非認知能力の中でも特に日常生活に密接に関わる力です。
さらに、感情をコントロールする力、いわゆる「エモーションレギュレーション」も非認知能力の一部です。
日々の生活の中で感情が揺さぶられる場面はたくさんありますが、その感情に流されるのではなく、冷静に対応できるかどうかが生きる力の鍵となります。
たとえば、ストレスを感じる場面で深呼吸をして気持ちを落ち着けることができる人は、感情のコントロールが上手だと言えます。
そして、人間関係を築く力、つまり「社会的スキル」も忘れてはなりません。
これは、他者とのコミュニケーションや共感力、チームで協力する力などを含みます。人は一人では生きていけません。他者とつながり、助け合う力が生きる力を支える大きな要素になります。
非認知能力が生きる力にどのように結びつくかを理解するには、日常生活を振り返るとわかりやすいかもしれません。
たとえば、何か新しいことに挑戦するとき、うまくいかない状況で諦めてしまうのか、それとも続けるのか。その選択を決めるのは、能力の問題ではなく、やり抜く力や自己効力感といった非認知能力です。
また、日々のストレスやトラブルに対して、感情的に反応してしまうのか、それとも冷静に対処できるのか。これもまた、感情調整能力が問われる場面です。
こうしたスキルは、一朝一夕で身につくものではありませんが、意識的に取り組むことで少しずつ強化していけます。
非認知能力は、テストで測れる認知能力と違い、見えにくいものですが、それだけに気づきにくい力とも言えます。
しかし、これらの力が私たちの生活全般を支えていることを忘れてはいけません。生きる力を育むためには、非認知能力を少しずつでも意識して鍛えていくことが大切です。
こうして見ると、非認知能力と生きる力は切っても切り離せない関係にあることがわかります。
非認知能力を育てることは、ただ成功を目指すためではなく、自分らしく、充実した人生を送るための土台作りでもあります。
少しずつ自分の内面と向き合い、どの非認知能力を育てたいか考えることから始めてみてはいかがでしょうか。それが生きる力をさらに強化する第一歩になるはずです。
それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました!