苦しかった時の話をしようか。感想
USJを回復に導いたマーケター森岡氏が、自身の子供にむけた書いた一冊。
とりあえず最初の1章、2章を読んだところまでの感想になるのだが・・・。
すでに頭を殴られたような言葉の連続であった。
一番効いた言葉はこれである。
向いてない、あるいは興味ない仕事に安定性をもとめて、入社し、
そこから定年まで逃げ切れるとして、君は幸せか?
理不尽な決定に耐え、つまらないとぼやきながら、その世界しか知らないこと、そんな人生で本当にいいのか?
(多少表現は違うと思います)
森岡氏はクレバーでパッションあふれるマーケター。
やはり知性×熱意の言葉の重みはすごい。
私は親の勧めで公務員を10年続けており、まさしく
上記の人生そのものを歩むアラサーである。
親の勧めというだけあり、私は公務員に全く興味がなく、むしろなりたくないとすら思っていた。
そこからいろいろあって結局公務員として勤めるのだが、まさしく森岡氏の呈したとおりの状態に陥っている。
また、こうも書かれていた。
サラリーマンという枠の中で、その中(組織)だけで通用するスキルだけで満足し、奴隷として扱われているのに、ふんぞりかえることがは果たして楽しいのか?(意訳)
森岡氏は広い広い世界を知っているので、若者に伝わりやすいよう
奴隷にたとえて、サラリーマンと資本家の違いが明瞭に冷静に書かれている。
(名誉のために追記しておくと、森岡氏もサラリーマンの人生を否定しているわけではないと書かれていた)
最近とてもよく感じるが、組織だけのスキルというのはこれからの時代どんどん役に立たないのではないかと推測している。
在宅、フレックス、ノマド、フリーランス、副業・・・
今の時代は、ほんとうに働き方が多く存在する。
私が知らないこともあるだろう。
それなのに毎日8時に出社し、5時まで拘束され、
3~5年で自身の意思とは関係なく課を転々とし、
地域のために無償で土日も働き、残業も日付を回る課がある・・・
という組織依存な働き方にいよいよ疲れてしまったのだ。
そこにあるのは、拘束時間の割に安い給料のみがもらえる安定のみ。
あと有給が20日。
しかし私は大黒柱が家にいるので、安定したお金は必要としていないし、そもそもアルバイトや副業、フレックスの人からすれば有給20日よりもさらに休める計算になる。
つまり唯一の支え安定すら魅力を失っている状態だ。
私たち夫婦は子供がいないので、育休もとらないし、穴埋めばかりさせられているので、うんざりしている。
というわけで話がそれたが、つまり組織依存の場合、メリットが薄れた場合、一気に下火になる。
公務員ほど組織依存な働き方もないだろう。通える範囲に住み、その組織に骨をうずめることができれば、それはそれで幸せだろう。
外の世界を知らない幸せだ。少ないけど必ず給料もらえるし。
また、その町のことが大好きなこんなに幸せな仕事はない。
市民と交流し、市民のために汗水をたらし、窮地に陥る市民を助け、
地域向けのイベントを行う・・・・。そこに自分の子供を連れていく・・・。
ただ私には合わないだけだ。
私は働いている市には住んでないし、子供はいないからプライベートで職場の市の市民と触れ合うこともないし、別に市民のために何かしたい情熱はない。むしろマイナス。
私が公務員を続ける限り、移住もできないし、夫と在宅もできないし、
何より楽しくない。だって、最初から興味ないのだから。
というわけで、私はやはり離脱するしか道はないようだ。
森岡氏の強い言葉で気づいてしまった。
まとまりのない文章ではあるが、これを書かずにはいられないほど
強い衝動が心の中を走り回った。
それほどまでにパワーのある一冊だ。
とくに2章「学校では教えてくれない社会の秘密」だけでも読んだほうがいい。私たち(とくにサラリーマン)は世界をあまりに知らなさすぎる。