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市民ランナー2年目の36歳の社会人芸人がBeyond2023で315ペーサーをした話


1 はじめに

 いつもお世話になっております、アオキプランです。私は、普段は公務員として働きながら、社会人お笑い芸人として休みの日に舞台に立つなど活動をしています。

 また、私は、ランニング歴2年でフルマラソンをサブ3(3時間未満)で走るくらいの市民ランナーでもあります。

 詳しいプロフィールはこちらの記事から

 今回は、Beyond2023の目標タイムが3時間15分(以下、「315」)グループのペーサーを務めて参りましたので、その体験記を書かせていただきます。来年以降のBeyondに出場してみたい、ペーサーをしてみたいと考えている方の参考になれば幸いです。

2 Beyondとは

 Beyondは「世界一自己ベスト更新率の高いレース」を銘打っているマラソンの大会です。競技結果は日本陸上競技連盟等の公式記録にはなりませんが、様々なサポートを受けながら、目標タイムや自己ベストを目指してフルマラソンを走ることができます。

 詳しくは公式ホームページから

 ランニング関係のインフルエンサーやランニング系YouTuberのランチューバーも多数参加するマラソンのお祭りみたいなものです。私のランニングのバイブルはランチューバーの動画なので、是非2023年のBeyondに出てみたいと思っていました。 

 ただ、サブ3達成後にフルマラソンの明確な目標がなかったので、タイムをどうしようかと考えていたところ、知り合いから「ペーサー(ペースメーカー)としても参加することができるよ。」と教えていただきました。

 そこで、今年のBeyondはペーサーに申し込むことにしました。今年は希望者が多かったので抽選になったようですが、運よく315グループのペーサーとして参加させていただくことになりました。

3 Beyond練習会

 年末のBeyondに向けた練習会「Road to Beyond」が9月くらいから開催されます。本番と同じように目標タイムに合わせたグループで、主に2時間走を行いました。

 私は、10月15日に四万十川ウルトラマラソン100㎞を控えていたので、その目標(100㎞サブ9)のイーブンペースである5分24秒/㎞前後に設定されていた315グループの練習が丁度良いと思い、よく参加していました。

 フルマラソンの315のイーブンペースは4分37秒/kmなので、それより45秒/kmくらい遅い設定なのですが、距離走ではなく時間走なので、決められた時間を走り切る体力を付けることができます。

こんな感じの2時間走

 315グループは、この設定で2時間で23㎞くらい走ることができるのですが、とても良い練習だったと思います。実際のところ、今年はこれより速いペースの距離走は、11月26日のつくばマラソンの前に2回(4分15秒/kmで21㎞)しかしていないのですが、四万十川ウルトラマラソン100㎞は9時間22分でゴールでき、つくばマラソンは2時間58分50秒で自己ベストを更新できました。

 一つ残念だったのが、練習会に5回参加したのですが、本番の315グループにエントリーしているという方と一人も出会わなかったことです。エントリーを検討中ですという方はいましたし、他のグループにエントリーしているという方とも練習でご一緒できました。もし、「ペース設定が遅いのではないか」という理由で、練習会の参加を見送った方がいるとしたら、そんなことなく良い練習だったとサブ3経験者として言わせていただきます。

4 Beyond前コンディション

 正直なところ調整不足で、コンディションはあまり良くなかったです。というのも、11月26日のつくばマラソンは余裕をもってサブ3ができたのですが、その1週間後に2年半ぶりくらいにバスケットボールをしたら、胸骨と肩甲骨を痛めてしまいました。

 深い呼吸、咳払い、くしゃみをすると胸と背中が痛かったですが、レントゲンでは骨に異常はありませんでした。ただ、それから3週間は痛みが続いたので、レントゲンに写らない程度に骨にひびが入っていたと思います。

 痛みは残っていましたが、Beyondの2週間前に21㎞の距離走、1週間前にBeyondの練習会で16㎞の距離走をし、最低限の調整はできたという感じです。ただ、走行距離も落ちてしまい、年末に向けて飲み会も増えていたので、つくばマラソンの時より体重は1㎏くらい増えてしまいました。

 万全の体調でペーサーをしたかったので、残念でした。

筋肉量が増えた覚えなし

4 Beyondレース前

 ペーサーは新宿から出るバスを利用できたので、朝4時半に起き、6時に新宿に向かいました。前日は働いていましたので、寝るのが21時半といつもより遅くなってしまいました。

 レース前の朝食はいつもお餅を食べるのですが、この日は移動中に食べられる菓子パンにしました。レース前はいつもエナジードリンクでカフェインを摂取するのですが、今回は持っていたのに飲むのを完全に忘れており、カフェイン抜きで走ることになってしまいました。

 2時間半ほどバスに揺られて会場に着きました。会場はランナーをサポートする企業のブースやメインステージのMCで盛り上がっています。トイレは混んでいなかったので、到着してすぐに行っておきました。

 今年のペーサー用ウェアは当日会場で配られたので、事前に配布されたゼッケンを付けます。気温と日差しでレース中は暑くなるだろうと思い、コンプレッションインナーは着けず、カーフスリーブだけ身に着けることにしました。シューズはヴェイパーフライ2にしました。この時点で220㎞走っていたので、練習用にしようと思っていましたが、もう1レースだけ出てみることにしました。

支給されたペーサー用ウェアがおしゃれ

 ペーサー全員で集合写真を撮り、各グループで軽く打ち合わせを行います。レース数日前に慶應大学競走部長距離ブロックの部員の参加が発表されていましたが、315グループにも3人の部員がペーサーとして来てくれました。折角なので315グループのペーサーでも記念写真を撮りました。

315グループのペーサー陣(筆者右下)

5 Beyondレースの感想

(1) ペースメーク

 Beyondはグループごとに1分間隔のウエーブでスタートしました。各グループのスタートをMCが盛り上げてくれます。スタート前にはゲストランナーのSHARKSの楠さんもペーサー陣に合流。心強かったです。315グループもペーサーから「4分35秒~40秒/㎞で走ります、4分30秒/kmより速くは走りません。」とランナーに声をかけて、スタートしました。

 1㎞までは200mごとに表示があり、ペースメークに役立てることができます。ペーサーがそれぞれ手元のGPSでペースを見て、1㎞毎のラップタイムを集団に伝えていました。ペースが速い場合も、ペーサーが声をかけてペースを落ち着かせます。序盤は楠さん、中盤以降は慶應大学の学生たちが正確にペースを刻んでくれました。私のGPSでも、スタートからゴールまでのラップタイムが4分32秒~41秒/kmだったので、315グループはイーブンペースから±5秒/kmで刻むことができました。

安定したラップタイム

 コースには5㎞刻みで目印のフラッグが用意されていましたが、私は、イーブンタイムから今どれくらいのタイムで走っているか、ランナーに声をかけるようにしていました。5㎞刻みのイーブンタイムをすべて覚えられる訳がないのですが、ゼッケンにイーブンタイムが書かれていたので、他の人のゼッケンを見て手元のタイムと比較をしていました。20㎞、ハーフ地点で10秒の余裕があり、30㎞時点で20秒の余裕がありました。「イーブンから20秒マイナスです!」と叫んでいましたが、この「マイナス」という表現が正しかったのかどうかは、今も不明です。

ゼッケンの時間を参考にGPSとの差を走りながら暗算します

 最終的には、私のGPSで3時間14分30秒でゴール。目標タイムに合わせるためにペースの上げ下げをすることはせず、42.195㎞走って30秒だけ余らせることができたので、ペーサーとして一定の役割を果たせたと思います。Beyondはイーブンペースで走りたいという方には、ピッタリのレースだと思いました。

42.195km走って30秒しかずれていないのは凄い

(2) 給水

 給水は1周に1か所のみでしたが、コースの左右に用意されていて余裕をもって取ることができました。給水を取ると集団が乱れますので、ペーサーが先頭に集まり手を挙げて「ペーサーここです!」と声をかけ集団の位置をアピールし、ペースを落として集団を再構築してから、イーブンペースに戻します。慶應大学の学生たちも積極的に声を出していて、おじさんは感動してしまいました。

 スタート地点近くには戻ってくると応援ゾーンがあり、ランナーに声援をかけてくれます。ランナーによっては、給水の補助をお願いしている方もおり、今年は暑かったので、これは可能な限りやった方が良いなと思いました。

(3) インフルエンサー参戦

 インフルエンサーやランチューバーなど多くのゲストランナーが来ていたのですが、コースを逆周してランナーを応援している方もいました。遠くから逆周してくる小さい人影は誰かを当てるゲームが、一瞬だけ流行りました。

 途中から志村美希さんが315グループに加わりました。慶應大学の学生をはじめ、全ペーサーのテンションが爆上がりでした。6週目まで一緒に走っていただきましたが、アクションカメラでレースの動画を喋りながら撮ったり、集団の先頭を走りながらランナーに声を張ってアドバイスをしており、単純にすごいなと尊敬しました。

 ゴール後には、志村美希さんと一緒に記念撮影ができ、楠さんとも挨拶することができました。ゲストランナーと一緒に走れるものBeyondの魅力です。

志村美希さん、慶應大学競走部の皆さんありがとうございました

6 ペーサーとして迷った点

(1) ペースメーク

 315グループのペーサーは、ランナーに最初に伝えたとおりのペースで刻んだのですが、「ペーサーより速く行ける人は、行っちゃってください!」と、声をかけた方が良かったのかなとも思いました。一応、38㎞時点の最後の給水で、余裕のあるランナーに声をかけたところ、3人ぐらいが飛び出していきました。

 その中には、「めっちゃ走りやすかったです!」とお礼を言ってくださった方もいましたが、私が初めてサブ3をした時には、イーブンペースから-5秒/kmで30㎞まで走ったので、ポジティブスプリットの人には、先に行くのを勧めた方が良かったのか悩ましかったです。

(2) 給水

 この日は天気が良くて気温が高くなりました。ペーサーは、ランナーに「必ず給水を取りましょう!」と声をかけていましたが、「給水は2~3杯取りましょう!」とした方が良かったのかなとも思いました。周回コース1周5.6㎞に1回は、通常のレースよりも給水の回数が少ないというのもあります。

 私も、1周目からスポドリと水を1杯ずつ、途中からスポドリを2杯と水を1杯ずつ取るようにしていました。ただ、普段から走りながら給水をする練習をしていないと、給水で大幅にペースが乱れてしまうので、何度も給水を勧めるのも難しいところです。

7 ペーサーとしての反省点

(1) 脚を攣った

 ハーフの時点で怪しかったのですが、残り3㎞で脚を攣りました。着地を変えることで、なんとかペースを落とすことなく走ることができましたが、変なフォームになってしまいました。

 慶應大学の学生とずっと先頭を走っていましたが、315グループのランナーに「このペーサーは脚攣って苦しそうだな」と思わせてはいけないと思い、一旦後方に下がります。「ランナーに檄を飛ばすために後方に位置取りしたんだぜ」というくらい急に声を出し始めて残り3㎞を走りました。

 315は自己ベストのペースよりは遅いのですが、前述のとおりの調整不足、暑かったこと、ペーサーとしてたまに後ろを向きながら走っていたことなどが原因かなと考えています。

 「サブ3なんだから315なんて余裕でしょ」と思っていた自分を張り倒したいです。ペーサーは、周りを見て、ペースを作り、声をかける、これをやり切ることが必要です。今回はギリギリ最後まで持ちましたが、ペーサーとしてランナーを不安にさせないよう、もっと鍛錬を積むべきであると反省しました。

(2) 動画が上手く撮れていない

 Beyondの様子を撮影しようと思い、アクションカメラをサブスクすることにし、ランニングベルトに携帯して走っていました。

 バッテリーに限りがあるので、5㎞刻みのフラッグあたりでランニングベルトから取り出し、電源を入れて、録画をしていましたが、タイムラグがあり上手く撮れていませんでした。

 また、ペーサーとして集団の先頭をずっと走っていたので、結局単調な映像が多くなってしまいました。たぶんお蔵入りです

 今後は、もう少し勉強してVlogなど作ってみたいと考えています。

数少ない上手く撮れてるやつ

8 おわりに

 一言でまとめるとBeyond2023めっちゃ楽しかったです!

 まずは、練習会や本番で多くの方と知り合うことができたことが嬉しかったです。普段コミュニティに入らず一人で練習している身としては、ランニングを通じて、同じ趣味の方と出会えることはとても嬉しいことです。

 どのレースにも言えることですが、一人で参加するより仲間と参加した方が色んなメリットがあると少しずつ分かってきたので、そろそろどこかのコミュニティに参加してみたいなと思っています。

 次に、グループ一丸となって、目標タイムに挑むというコンセプトが素敵でした。周りも「〇〇グループ頑張れ!」と、グループに対して応援してくれますし、ゴールした後は、同じグループ内のペーサーとランナーがお互いに讃え合います。

 これは通常のマラソンレースでは味わえない体験だと思います。部活に近いです。もし来年もペーサーをすることができたら、同じグループでもっと一体感を出したいなと思っています。

 あとは、脚を攣りながらも4分35/kmくらいなら少し走れることが分かったり、カーボローディングやカフェインなど準備しなくても315くらいなら走り切れることが分かったのも良かったです。成長を実感。

 以上が、Beyond2023の315グループのペーサー体験記です。この記事を読んでくださり、Beyondに興味を持たれた方は、是非次回参加してみてください。私も何らかの形で参加できたら嬉しいです。

 それでは、次回もよろしくお願いいたします。

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