参加型会議ツール slido を使ってみたらこんな感じだった /実践レポート
オードリー・タンさんも愛用する民主的会議ツール
みなさん、こんにちは。会議ファシリテーターの青木マーキーです。昨日、ある会議で参加型会議ツールのslidoを使って見たので、使い勝手をアップしておこうと思います。昨日は、生協のみなさんの全国会議でした。みなさんのお住まいの地域にもコープ〇〇とか、××生活協同組合みたいな名前で存在しているかな、と思います。僕が住む兵庫県だと コープこうべ さんがメジャーですね。この生活協同組は、株式会社とちがって、一人ひとりの利用者が組合員となって、一人1票の議決権を持ち、自分たちが食べたい食材や利用したいサービスを参加型でつくってきた組織です。なので、民主的な運営を志しているし、組合員のみなさんの参加をもとに商品開発をしてきたり、意思決定をしてきた歴史がある。
そんな皆さんの全国集会、新年ということもあって「何か新しい参加型の会議手法を体験しみよう」という話になって、今回のチャレンジとあいなりました。
で、利用することになったのがslidoというツールです。このツールは台湾のIT大臣をなさっていたオードリー・タンさんが愛用しているもの。「デジタル民主主義の可能性があるツールを使って、会議進行してみたい」とかねてから思っていたので、ちょうどいいチャンスを頂きました。
slidoの手順
手順としては、以下のとおり
1,アカウントをつくる(とりあえず無料アカウントでいい)
2,いくつかの質問やクイズ、投票の選択肢をセットする(無料アカウントは3つまでつくれる)
3,QRコードを発行して、それをパワーポイントなどに埋め込んで、画面共有やスライド映写で、会議参加者に見せる
4,参加者は、手元のスマホでそのQRコードを読み込む
5,すると手元のスマホに選択肢や書き込みボックスが出るので、質問に答える
6,すると、リアルタイムで、皆が見ているスクリーン、打ち込んだ文字や投票結果が映し出される
というものです。
どれが美味しかった?
この日は、会議の前のおやつ代わりに新商品に試食タイムがあったので、どれが美味しかったかを、練習がてら聞いてみることにしました。
手元のスマホの画面では、こんな感じで選択肢が出されます。
すると、会場のスクリーンに映しているパワーポイントで、こんな風に結果が表示されました。リアルタイムでグラフが伸びていくのが面白いです。
ぽこっと文字が出てくる感じがいい
また、この日は、事務局から「生協を取り巻く社会情勢報告」というプレゼンがあったので、それを聞いて、どんなキーワードがびびっと来たか?をslidoで聞いてみました。先ほどは選択肢をチョイスするだけだったのですが、今回は、文字の打ち込み。会場には50-60代の方々も多くいたので、スマホの操作に手間取るか、恐る恐るでしたが、なんとか全員打ち込めたようです。
1人目が打ち込むと、ぽこっと文字が出てきて、2人目が打ち込むとさらに文字が増え、配置がかわり、誰か同じキーワードを打ち込むと、その文字はサイズが大きくなって、強調される、みたいな感じで、とっても楽しい。打ち込むと、スムーズに画面に反映されるので「おー、これ面白い、もう一つ打って見よう」という感じで、次々声が集まってきます。
自分が打ち込んだ意見や、投票がリアルタイムでスクリーンに出てくる面白さがウリですね。
インタラクティブな仕掛けは豊富
ほかにもクイズ仕立てにしたり、5段階評価を聞いてみたり、ランキングをきいたりもできるので、また別な機会でいろいろ試してみたい。特にQ&A機能は講演会とかで使い勝手がよさそうで、ある人が質問を書くと、それが画面に表示され「それ、私もききたい質問だ」と思ったら賛同ボタンを押すことができ、たくさんの人が賛同した質問が上位にあがってくる、というしかけになっている。講演会などで、まとはずれな質問がでてきにくくなるので、講演者としても、皆が聞きたい質問に絞って応答することができそうだ。
slidoを使うメリットとデメリット
というわけで、初めてslidoを使ってみた印象をレポートしてみました。今回は60人ほどの会議でしたが、100人超えても使えそうな感じがいいですね。
slidoを使うメリットとしては、
1,QRコードを読むだけで、全員が参加・発言・投票できる(何もインストールしなくていい)
2,即座に結果が画面に映し出されるので、皆の声や意向を掴みやすい
3,匿名で書き込めるので、本音が出てきやすい
4,終了後、打ち込んだ全てのデータを主催者は回収できるので、今後の方針検討や事業改善に役立てやすい
5,オンライン会議でもリアル会議でもパーティでも使える
あたりかな、と思います。
逆にデメリット&注意点があるとすれば
1,不適切な発言も即座に画面に出てしまうので「荒らし」や攻撃的な発言、不適切な発言も皆が見る可能性がある
2,同じ主旨の発言だが1文字でも違うと違う発言という感じで配置されるので、必ずしも意見集約がしやすいわけではない
3,打ち込んだはずなのに反映されない、上位30文字ぐらいを表示するのに、せっかく書いた意見が消えてしまう場合もある
4,文字の配置などはシステムまかせなので、ファシリテーターが付箋を動かすように再配置はできない
5,有料版はかなりお高い(年会費13万円から)
6,基本英語のインターフェイスなので、主催者には少しばかりの英語力が必要
あたりでしょうか。
でもまぁ、無料版でも100人まで、質問3つまでは使えるので、興味があればお試しあれ。公式が出しているyoutubeはこちら
slidoを使った会議ファシリテーション承ります
使い勝手もよさそうなので、今後、会議ファシリテーションをお引き受けする際のツールとして備えておこうと思います。slidoを体験してみたい、slidoを使った会議進行を依頼したいという方はお気軽に声をかけて下さい。以下、会議ファシリテーションのご依頼フォームにも「使ってみたい会議ツールはありますか?」の項目にslidoを足してみることにしました。
新しい時代には、新しい会議ツールも生まれて来ます。じきにAIファシリテーターみたいなのも出てくるでしょう。いろいろ試してみて、しっくりくる会議手法を使いこなせればと思います。さて、今日は九段下で1on1のお仕事です。行ってきます!