見出し画像

アフターコロナ時代の大学受験:後編【新しい選抜のカタチ】

<参考記事>アフターコロナ時代の大学受験
前編【5つの変化を大予測】
中編【『やり方』よりも『あり方』を磨く】

アフターコロナ時代では避けては通れない教育のオンライン化。
ただし、それは一面的な方法論の変化にすぎません。

本来見るべきは、このオンライン化を真の意味で促す地下茎の部分です。

その本質が、指導者・学習者双方に求められる「あり方」にあると、中編記事でお伝えしました。

つまり、大学受験においても、この「あり方」がよりダイレクトに求められる時代になるのではないかと、私は考えています。

今回の後編記事では、このことについて、
「指導目的」、「指導方法」、「評価方法」の3点を深めながら、アフターコロナ時代の大学受験を考えていきたいと思います。

shutterstock_498224815最小

前編記事でも触れましたが、、、

「指導目的」においては、
知識の体系理解から「ソフトスキルの育成」に、

「指導方法」においては、
ティーチングから「メンタリング」に、

「評価方法」においては、
ペーパーテスト一発型から「常時観測型」に変化するだろうと、お伝えしました。

私は、この3点がそのまま、今後の新しい大学受験のシステムとして進化するのではないかと思います。

その鍵となるのが、指導目的の変化による「ソフトスキルの育成」に対する重要性の高まりです。
これは、まさに、AO・推薦入試で求められている資質そのものです。

私が理事を務める日本アクティブラーニング協会では、国内外の研究者と協力しながら、このソフトスキルを独自に特定し25種類に体系化しています。

ここでその全てをご紹介することはできませんが、
例えば、主なものとして、、、

Insightfulness(洞察力)
Perspective(多角的な視点)
Social Intelligence(社会的な知)
Humor(ユーモア)
Sound Judgement(判断力)

などがあります。
さらに、こうしたソフトスキルが一人ひとりの人財の中にどのように存在するかを可視化するための診断システムを開発しています。

shutterstock_1490111117最小

実は、AO・推薦出願者に対して、こうした診断システムを活用し、分析を試みたことがあります。

活動実績や偏差値、英語資格などの領域をそれぞれ点数化しつつ、
出願者一人ひとりの25のソフトスキルスコアも計測し、
AO・推薦入試における合格者と不合格者では、どの領域でどのくらい差が出るのかを解析しました。

つまり、合格者と不合格者の差が大きければ大きいほど、合格に貢献している領域であることが分かるはずです。

結果は、いかに・・・?!

圧倒的な差になったのは、やはり、ソフトスキルの領域でした。
この領域がAO・推薦における合格を大きく決定づけている、ということです。
こうしたソフトスキルのことを、最近では「非認知能力」と呼んだりもするようです。海外の研究では、この「非認知能力」が高い人の方が、実社会において経済的にも精神的にも豊かであるという報告が存在します。

つまり、ソフトスキルにおけるスコアの高さは、その後の伸び率の高さと比例するわけです。
まさに、AO・推薦入試の合格者にも、このことが当てはまります。

実際に、旧帝国大学の一つである東北大学では、AO入試で入学した学生が、総長賞を受賞するなど、入学後の成績が上位に入ることが確認されています。
早稲田大学は、本当の意味で伸びる人財の採用に向けて、AO・推薦入試による入学者を全体の60%にまで高めることを宣言しています。

shutterstock_160511186最小

では、こうしたソフトスキル、いわゆる非認知能力を、大学はどのように見極めようとしているのでしょうか?

その象徴的な手法が、「メンタリング」と「常時観測型」による採用システムです。

あれ?メンタリングは、採用方法ではなく指導方法なのでは?
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
実は、「メンタリング」は、指導法であると同時に人の本質に迫るコミュニケーション方法でもあるため、人物を総合的・多面的に見極めたいときに、非常に理にかなった手法です。
<参考記事>親子軸を定めるメンタリング術:前編【指示でも命令でもない新しい関係】
AO・推薦入試における面接やディスカッション、口頭試問などは、まさに、教授と受験生、あるいは受験生同士による、「メンタリング」そのものです。さらに、アフターコロナの時代においては、オフラインの試験会場ではなく、オンライン空間による新しい面接試験が一般化するでしょう。
オンライン上に自分の人格をどう表出させるかという新たな課題の助けとなるメソッドも、実は、メンタリングにあると思います。
(これについての詳しい事例や考察については、また別の記事でお伝えできればと思います。)

また、評価方法の変化については、「常時観測型」というキーワードでお伝えしましたが、例えば、企業の人材採用活動では、採用担当者の多くが、就活中の学生のtwitterやInstagramなどをチェックしていると言います。
これは、とはいっても面接だけでは分からない、応募学生の人柄や性格、リアルな行動様式についての日常を確認し、裏をとるためでしょう。こうしたオンラインシステムを活用した「常時観測型」の手法が、大学受験についても発展していくのではないかと思います。

以上のようなことを総合すると、私は、AO・推薦入試は、一部の受験生の特殊な入試ではなく、アフターコロナ時代の大学受験におけるニューノーマルになる可能性が十分にあると思います。

今回の記事が、「アフターコロナ時代の教育=教育のオンライン化」という単純な図式では見えてこない、本当の変化の理由や背景について、保護者の方々に今一度考えていただく機会となれば幸いです。

次回は、「一生使える!志望理由書に必須のリサーチ力を鍛える!」をテーマにお伝えします。
ぜひお楽しみに。


<お知らせ>
6/20(土)19:00〜
麻加真希氏(パーソナルブランディング講師)
が主催する
Facebook LIVE配信「アフターコロナで受験はどう変わる??」にゲスト出演することになりました!
ご関心のある方は、ぜひご視聴くださいませ。

画像3

「大学受験に悩むパパ・ママ集合」グループに申請いただければ、
どなたでも参加可能です。
↓こちらでグループ申請ができます! 
https://www.facebook.com/groups/3906875306054247/

※ Facebook LIVE 開催にあたり、質問も募集します!
LIVE配信の際にお答えいたしますので、ぜひ、お気軽にお送りください。
質問フォーム
https://docs.google.com/forms/d/15V0pkIDP60Zemf9kge3sS02DalgKkHqJpwAqQMKqwc0/edit?hl=JA

<公式LINE>
青木唯有【AO・推薦合格は親子軸で決まる】
AO・推薦の最新情報についての動画などを発信しています!

画像1

<青木唯有 Facebook>
AO・推薦に関心のある保護者の方向けのLIVE配信なども行う予定です!

Facebookロゴ圧縮.001



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?