「すんません」がスムーズに出てくる人
11月24日
大阪の八尾市で、フライパンジュウの藤田金属さんと一緒にトークイベントに登壇しました。
(全ての模様は最下部に貼ったYouTubeからご覧いただけます。)
スタート時点からすぐに
会場やオンライン上からの質問に答えていくというカジュアルな形式で行われたこのイベント。
ここでは、いくつかの質問と回答を抜粋して書きたいと思います。
「デザイン料です」って言葉をよく聞きますけど、それって本当ですか?
青木 藤田さんに僕から質問があるんですけど。
藤田さんで製造してるこれまでの鉄フライパンよりもフライパンジュウの価格が高い理由として「デザイナーさんに依頼したんで」って答えたりするじゃないですか。
あれって、本当に理由はそれだけですか?
藤田 実際にバイヤーさんに聞かれたときは「フライパンジュウはデザイン会社さん入ってますんで」って言うてしまいますよね。
でもホンマはそれ、答えじゃないですよね。
青木 ですよね!そこはすごく聞きたい。
藤田 なんせ開発に二年かかってますし。
治田 実際に材質としても、鋼板も違うし板厚も違うし、工程の数も金型の数も多いし。
青木 こんなにいろいろ理由があるのに「デザイン費です」って答えるんですよ!
藤田 間違いでした。
青木 世の中にある「デザイン費です」って言葉には、実はそういう開発費や材料費という説明があるのに、面倒臭いから「デザイン費です」って言ってるだけっていう裏があるってことを、みなさんには知ってもらいたい。
藤田 ホンマですね、すんません。笑
ーじゃあTENTさんはどうやって儲けてるんですか?
青木 大変ですよ!日々みなさまに1つ1つ買っていただくことで、今日もなんとか生きています。お味噌汁が飲めます。
TENTさんは、この会社となら一緒にやれるなあというポイントはありますか?
やっぱり会社というよりは、人ですね。
やってて気持ち良い人が良いなあと思います。
ちなみに藤田さんは「すみません」のハードルがものすごく低い。
電話がかかってくると、一言目には必ず
「どうもー、藤田です、すんませ〜ん」から始まるんです。
もうちょっと解説すると、
「ありがとう」と「すみません」がスムーズに出てくる人って、すごく気持ち良いじゃないですか。こっちもすごく簡単に「ありがとう」と「すみません」を言えるようになるから、すごく気持ちよく仕事ができる。
できるだけ、そう言う人と一緒に仕事をしたいなあと思いますね。
自分の欲しいものを作るって?
わがままに自分の作りたいものを作るってこと?
自分は絶対に買う!ってものを作ると、世の中には買ってくれる人が必ず存在するんですけど、そこそこ欲しいけど自分は買わないってものを作ると、みんなそこそこ欲しいけど買わないものになっちゃうんですよ。
自分が欲しいものを作ると、自分と似た人が買ってくれる。
だから欲しいものと、買ってもらえるものっていうのは、完全に繋がってるんです。
あと、欲しくて作って、実際に使って満足してるものって、自然に「これすごく良いんですよ!」って言えちゃうじゃないですか。
宣伝やPRかどうか以前に、使ってて本心で良いと思うから、その気持ちそのまま伝えてしまう。
フライパンジュウは、広告宣伝は全くしてないんです。強いて言うならプレスリリースで利用したPR TIMESの3万円くらい。
青木がInstagramでフライパンジュウの写真を上げまくってますけど、あれも宣伝と言う気持ちはなくて。
「焼いて食べたら無茶苦茶美味しい!この感動を伝えたい!」って普通に思ってやってるだけなんです。
なんでTENTは二人で結成したんですか?
はじめは展示会の出展費用が折半てきるよねっていうのが理由だったんですけど、やってみて気づいたことがあって。
一人だと、ずっと悶々と考えちゃうんですよね。
でも、二人いると、いつでも悩んだら相方に相談すれば「そもそも」に一瞬で立ち戻れる。このスピードがすごく効率が良いなあと思ったからですね。
ブランドイメージはどう作りますか?
よく「ブランドを作ってからモノを作る」ってされているところもあると思うんですけど、TENTはそれは絶対にやらないって決めていて。
ブランドが良くて商品がくだらないって言う例も沢山あって。しかも広告費とかいっぱいかけちゃうんですよ。でも商品がよくないので売れなくて立ち上げたブランドがすぐ立ち消える。これ本当にあるあるで。
商品がよければ、初めはまだブランドなんて立ち上がってなくて良いんですよ。正直言って。
フライパンジュウも、実はブランドじゃなくて、モノの名前なんですよ。
それがすごくヒットしたんで、シリーズに展開されていってブランドのような見え方に育っていっただけ。
大ヒット商品が1発目に立ち上がらなかったら、どんだけコンセプトとして良いことを言おうとブランドを格好良くしようと、絶対にうまくいかないんで。
必ず、まずは1つヒット商品を作る。そこは、かなり重視してますね。