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付着.43 ろれつが回らない。

今回は「ろ」だ。

露骨に歳をとったなぁと感じることが増えた。記憶は散漫だし、最近では夢と現実が混じって意味不明な発言をしてしまうこともしばしばだ。

老人なんて言えるほどの歳ではもちろんないし、働き盛りと言われるくらいなのだが、どうもおかしい。

そこで今日のテーマは「ろれつ」である。

酒を飲むとろれつが回らなくなるが、日々の生活でもよく噛むようになった。今でもロックは好きだが、言葉数が多かったりテンポが早いと口が追い付かないのだ。あきらかに思考のスピードと身体の動きがズレている。

40前の男でろれつが回らないなんて笑えないぜ。恐らくだが、今書いている文章を朗読しても必ずどこかでひっかかるだろう。

健康診断も行ってないからな。それもひっかかるだろう。

単にろれつが回らないだけなら、まぁ恥ずかしいのと伝えづらいくらいの弊害なのだが、記憶力のこともある。脳ミソが心配だ。

もともと腐りかけてる俺の脳ミソがこれ以上腐敗すると、頭皮の匂いもきつくなるだろう。

ろれつが回らず、頭も臭い。話したことを忘れるし、なんなら虚言癖まである。書き出したらものすごい老人になった気分だ。キツイ。

ロイター板など無くとも、華麗なジャンプを決めて跳び箱を飛んでいた少年が、ちょっと目を話したすきにこれである。肩こりも偏頭痛も猫背も口臭も全てがオッサンと化した。

これからの未来、蝋燭の炎のような灯火で生きていかなくてはならないと思うと億劫になる。

だが、俺は諦めないぞ。身体を鍛える為に競泳用の水着を買ってきたのだ。プールに通い、泳いで泳いで若さを取り戻す。ついでに息つぎをすることで顔の筋肉が動いてろれつも回るようになれば最高だ。

平泳ぎから始めて、背泳ぎ、クロール。そしてバタフライができるようになればゴール。その頃には昔のように400mくらいは泳げるようになっていて欲しい。

水着を買ってから1週間ちょっと。まだプールに行けていない。

誰か、ロープで俺を引きずって行ってくれ。ろくでもない奴だと罵りながらで構わない。

何かを始めるって、すごくパワーがいる。

こんな時こそロックをガンガンに流して、ろれつの回らない鼻歌を歌いながら軽い気持で動き出すのがいいのだろう。

健康には気を付けて、明日もいい日にしよう。


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