マガジンのカバー画像

ショートショート

94
1.ショートショートとは小説の中でも、特に短い文章量で、構成される作品のことです。 2.このマガジンは、葵拓真が書いたショートショートシリーズの総まとめ集である。 このマガジ…
運営しているクリエイター

2023年1月の記事一覧

大雪瞑想(ショートショート)

「今年は10年ぶりの大寒波なんですって、まぁ大阪は降らないでしょう」
ニュースを見ながら、母はこう呟いた。
大雪なんて、滅多にないことなので、「絶対降らないね、日本海側くらいだよ、雪なんて、テレビで見てるぐらいがちょうどいい」と言うと、大欠伸をして、寝室へと向かってベットの上で睡眠する。
僕は寝ながら考える
雪のない世界について考える
雪が売れる世界について考える
雪が不可欠な世界について考える

もっとみる

フレッシュ滅亡サラダ(ショートショート)

「フレッシュ滅亡サラダという言葉を知っているか」
瞑想心理学のポセイドン教授は、生徒たちにこう問いかけた。
大半の生徒たちは、答えを導くことができずに、黙り込んでいる。
数時間静かな沈黙が、続いていたが、とある生徒が手を挙げた。
この生徒の名は、宮下みどりという。
彼女は難儀な性分を持ち合わせている可哀想な女だ。
「フレッシュ滅亡サラダという言葉の意味は、国が滅亡するときには、一つの要因だけではな

もっとみる

イザナミ(ショートショート)

イザナミ出版は、noteというアプリとコラボして、作品を募集することにした。
選ばれた人は、週刊少年イザナミの漫画家の人を紹介され原作者として、活躍することを約束されるという。
直訳すると、こういうことが、書かれている記事を峯岸大輝は、読みながら「面白そう、応募してみよう」と呟いた。
週刊少年イザナミといえば、誰もが思い浮かぶ有名作家を持つ、有名漫画雑誌だ。
大輝にとってこれは、つまらない人生から

もっとみる

20歳の再会2.(ショートショート)

3年前に成人式で出会った僕らは、同棲生活を始めた。
同棲生活しているある日の朝食のこと、僕は、明日のことについて話していた。
「明日の9日、妹の成人式なんだよ。だから久しぶりに実家帰ろうと思ってさぁ」
長堀千聖「それは、お祝いしてあげないと」
「うん、でも久しぶりに、実家に帰ってきたらびっくりするかもしれないな」
長堀千聖「もしかしたら、私たちが喧嘩したなんて思うかも」
「まさか、そんなことはない

もっとみる