見出し画像

落語:《息子の始末》:あらすじ(950字)


注意:本作《息子の始末:初稿》脚本は12862字:原稿用紙32枚。

原稿は初稿です。人様に見せられる代物ではありません。

現代令和版、吉原遊廓落語(滑稽噺)の雰囲気だけをお楽しみください。

あらすじ


父が総理大臣の吾郎は三十路を過ぎて部屋に篭る。東大法科を出て法学や経済の本は熱心に読むが専らゲームばかりだ。今日はこっそりと部屋を抜け出して外出した。
父は吾郎が心配になって吾郎に説教をする。が、今日は副総裁の事務所でおもてなしを受けたという。父は面食らったが、お前は人付き合いを大事にすべきだと息子を諭す。

吾郎:
「今、家の玄関で、偶々、副総裁の第一秘書の暗部さんに会いました。吉原神社に誘われました」

父:
「暗部って裏金工作で有名な副総裁の第一秘書の暗部? ならば逆に、お前が暗部を接待をしてみなさい」

親父は息子の服を着させ、財布に札束を握らせて、接待の指南をする。

吾郎:
「では、行ってきます」

父:
「待ちなさい。これをよく覚えておきなさい。ニンゲンの人生っていうのは生きている間をどのように生きたかではない。いつ、どこで、どのように死ぬのかで決まる。人生は、生き様ではい、死に様なのだ」

吾郎は外に出ると暗部が見えます。
早速、飯屋に入って泥酔する吾郎。
気づくと夜の吉原遊廓ソープランド店内。

暗部:
「もう入店してますよ」

息子:
「え! 僕の初恋は初音ミク。アイドルは2Dアイドルですよ! 無理無理無! 絶対に無理! 僕の腕から離れて、こんな場所は汚らわしい! 」

暗部:
「汚らわしいとは何ですか! どこで生きる人間も同じ人間です。汚らわしいと言うのなら自分の目で確かめなさい! 」

吾郎はトップ嬢のセーラと出会った。
翌日から三百六十五日毎日二人は逢瀬を重ねる。
父龍洞内閣の不信任案決議が可決されて内閣が総辞職したその日。
セーラの持ち部屋の五号室から二人は一向に出てこない。

暗部:
「セーラの五号室、ここずっと静かだね。開かずの部屋になったのかい? 」

しの:
「あれからもずっと相変わらずに一番人気のセーラの部屋よ」

暗部:
「なんかあったのかい? 」

しの:五号室の扉を開ける。
「ふたりはずっと裸のままあんなふうな格好で抱き合ってるわよ」

元首相の父:
「おい、私の息子が! 吾郎! どこだ! ああ。なるほど。こりゃあ、いい死に様だ」

いいなと思ったら応援しよう!

蒼井瀬名(Aoi sena)
よろしければサポートおねがいします サポーターにはnoteにて還元をいたします