ある男に起きた奇跡と物語の神話性と書き手の俗物性についての考察。妄想日記。
785文字・30min
これはある男の妄想日記である。
小説のラストのどんでん返し、男の死(自殺)を思いついた。が、肝心の男が自殺する動機が見当たらなかった。小説を読んだすべての読者が納得する「男が自殺せねばならなかった事件」をずっと頭の中で追っていた。
筆者に、小さな奇跡が起きた。
出会ったその日の夜に男と田中未知子はまぐわった。後日、
「私、肌がキレイになってるのよ。これってすごいね」
と男は田中未知子に言われた。男は無神論者だ。奇跡は信じない。だからそんな女性のセ