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日本建国の武神⛩️鹿島神宮〜大願成就の覚悟と旅の安全を願う〜
“日本三名瀑”、“日本三景”、“日本三大夜景” ーー 何かと知名度の高い“3つ”の要素を候補に挙げる際に使われがちなフレーズですね。3つに絞り込むことに何の意味もありませんが、一方で非常にシンプルで心惹かれることもまた事実。実際、私自身もこの候補を中心に旅作りをすることも多いですから💦
そうした三候補の1つに“日本三大神宮”がある。神社の格式の高さで日本最高峰にあたる”伊勢神宮”に続き、日本建国の際に出雲に舞い降りた二柱を祀る神社が“香取神宮”、そして今回の主役“鹿島神宮”です⛩️
そんなわけで、今回は日本三大神宮の一角で日本建国の武神“武甕槌大神”を祀る『鹿島神宮』を訪れました🚗💨
◾️過去記事:2025年02月02日投稿
(前回の旅はこちら♪)
📝日本三大神宮〜延喜式神名帳と神社の格式〜
日本全国には約8万5000社以上の神社があり、例えば小さく祀られたお社まで含めると約30万社に達するとのこと。これは全国約7万8000カ寺を誇る寺院、そして全国5万5000店と言われるコンビニエンスストアと比較しても圧倒的です🕵️♀️
ちなみに、都道府県別に傾向はさまざまですが、例えば出雲大社や伊勢神宮、金刀比羅総本宮など非常に有名、あるいは格式が高い神社がある地域はそれ以外の神社の数が大幅に少なくなります。まぁ、勢力圏を考えると当たり前ですかね(^◇^;)
◾️参考:2025年02月24日閲覧
そうした神社のなかでも御祭神や歴史的背景から”格式”が異なり序列があります。神社の場合は“社号”によりある程度の判別が可能で、神宮▶︎宮▶︎大社▶︎神社▶︎社と並びます。特に“神宮”は皇室の祖先、あるいは皇族と縁の深い日本神話の神様が御祭神として祀られている神社ですね💁♂️
なお、“大社”は現在上から3番目に位置する“地域を代表する神社”という位置付けですが、本来は“出雲大社”だけの極めて格式高い称号でした。ゆえに出雲大社だけは“神宮”に匹敵する別格扱いの神社になりますのでご注意を…⛩️
◾️参考:2025年02月24日閲覧
さて、全国の神社のなかで最も格式高い“神宮”の社号は計24社あり、さらに最高峰に位置する3つの神社のことを“日本三大神宮”と呼ぶわけです。ま、個人的には“日本七大神社”の方がいい気もするけど🧑🏫
日本三大神宮は平安時代に日本全国の神社を格式別に分類した書物であり国宝『延喜式神名帳』が由来で、ここに当時存在していた約2800社の神社一覧が記載されているんですよ、ええ📝
◎伊勢神宮(三重県伊勢市):日本最高峰の神社
◎鹿島神宮(茨城県鹿嶋市):日本建国の武神
◎香取神宮(千葉県香取市):日本平定の刀剣神
この3社に共通する特徴は「国家鎮護の神」。日本国の建国基盤であり、その直系とされる皇室からの御崇敬が極めて篤いことから、明治時代以前における”神宮”の称号はこの3社のみ、すなわち神社のなかでも格式が極めて高いのです⛩️
とはいえ。
この『延喜式神名帳』は大和朝廷の政治的思惑も含まれた書物です。実際に平安時代より前、奈良時代に編纂された日本最古の史書『日本書紀』において登場する神社は「伊勢神宮」「出雲大神宮(出雲大社)」「石上神宮」の3社。このズレは”格式”のどこに重きを置くかでばらつきが生じるから起こるんですよ、ええ💦
個人的には「伊勢神宮」「石上神宮」「出雲大神宮」「出雲大社」「鹿島神宮」「香取神宮」、そして草那藝之大刀を祀る「熱田神宮」を含む7社を“日本七大神社”として推したいと思っていたりします👌
さてさて、旅の前の知識はこれにて終了❗️あとは現地に行って悠久の歴史を感じることこそ至高である✨
⛩️鹿島神宮〜日本建国の武神と大願成就を果たす決意の場所〜
私の住む神奈川県海老名市から鹿島神宮にいく場合、圏央道経由で関東を右回りに半周するか、もしくは首都高を抜けて東関東自動車道を突っ切るかの二択。本来は後者の方が距離も短く所要時間も少なくて済みますが、この日は首都高各地で事故渋滞が発生していたので前者を選択しました💁♂️
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画像引用加工元:Google Map…2025年02月24日引用加工
撮影:あおいのとり 2025年02月24日
Screenshot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
今回通る圏央道、正式名称は首都圏中央連絡自動車道ですが、このルートが出来てから関東各地を旅することが非常に簡単になりましたね。まだ途中区間で片側1車線だったりするボトルネックはあるものの、東名道、中央道、関越道、東北道、常磐道がスムーズに連絡できるので非常にありがたいですね🙏
(まぁ、連休の度に事故るクルマで台無しになるケースも多いけど💦)
今回は圏央道を直走ること約2時間30分で鹿島神宮周辺まで辿り着きました。幸いにもクルマが少ない上に鹿島神宮周辺の混雑も想定よりはマシ。周辺の駐車場を探してクルマを止め、歩いて鹿島神宮へと向かいます🚶
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撮影:あおいのとり 2025年02月24日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
快晴の空にクルマと人通りが多く、流石は日本三大神宮の一角…とは思いつつ、残念ながらすでに昼時を過ぎていたことで蕎麦処など食事ができる場所は準備中。「あぁ、ここもやってないんだ…💦」と寂しい雰囲気も一緒に感じながら社へと近づいていきます🚶
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撮影:あおいのとり 2025年02月24日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
参道入り口では鹿島神宮の碑とともに大鳥居が迎えてくれます。普通の神社でも感じることはありますが、どこか外界と隔絶した雰囲気、文字通りにフッと空気感が変わる境目がある。思わず礼節を弁えてしまうような不思議な感覚とともに境内に入ります⛩️
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撮影:あおいのとり 2025年02月24日
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参道は多くの観光客で賑わっていましたね。外国人の方も結構多く、おそらく観光ツアーの目的地の1つとして選ばれることも少なくないのかなと思いましたね🚌
この参道を歩いていくと国の重要文化財である桜門がお出迎え…
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撮影:あおいのとり 2025年02月24日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
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撮影:あおいのとり 2025年02月24日
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⚠️鹿島神宮桜門廻廊保存修理工事:〜2026年05月31日⚠️
まさかの保存修理中という悲しさよ😭そう言えば秩父神社を訪れた際も修理工事中で何も見られなかったなぁ…神様から修行が足りんと言われている気がします💦
ちなみに、来年2026年は鹿島神宮式年大祭『令和八年 鹿島神宮 式年大祭御船祭』が開かれます。12年に1度しか開催されない大規模な祭典で、御船祭としても国内最大級の規模を誇る。スケジュールがあれば無理にでも参加してみたいですね✨
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撮影:あおいのとり 2025年02月24日
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桜門をくぐり抜けると、右手に正式参拝する建物である拝殿が姿を表します⛩️
鹿島神宮の御祭神は「武甕槌大神<タケミカヅチノオオカミ>」。全知全能に近い最高神である天照大神を除きいわゆる“日本神話最強の武神”。かつて天照大御神の勅命を受けて葦原中つ国に降り立ち、大国主命から国譲りの交渉を成功させ、さらに幾多にわたる国難をすべて跳ね除けるなど日本建国の礎にして武神として古来より伝えられてきた由緒正しい神様です💁♂️
また、その武甕槌大神の持つ神剣・韴霊剣は国家安寧の象徴と言われ、かつては大和政権の日本平定を大いに支え、その剣を授かった天津神の皇子は後に“神武天皇”として初代天皇に即位。その恩恵への感謝として、この地に鹿島神宮を勅祭したことがすべての始まりと言われていますね🕵️♀️
◾️参考:2025年02月24日閲覧
拝殿では二礼二柏手一礼で参拝。特に柏手が上手くできるかどうか…毎回ここに気合を込めています。今回は何と1回目の柏手が上手く鳴りませんでしたね。いや〜これだと神様への願い事も半分くらいしか届かないかも💦
そんな私のお願いごとは「今後も安全に旅を続けられること」。武甕槌大神は幾多の災難や困難に打ち勝つ神様ですから、私のような“最凶の厄年”である暗剣殺の人間でも救ってくださるような気がしますので…いや、ホントに怖いんですよ☠️
◾️過去記事:2025年01月14日投稿
(↓暗剣殺を知りたい方は是非どうぞ💦)
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撮影:あおいのとり 2025年02月24日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
さて、この鹿島神宮ですが何気に境内は広いのです。例えば有名な要石までは約500メートルほど歩く必要があり、道中も砂が多い参道を歩いていくのでお年寄りの方は気をつけた方がいいかも知れません⚠️
今回は要石まで行きますので、奥の宮を目指して境内を奥へと進んでいきます。なお、この拝殿の近くでどうやら結婚式が行われていたようで、白無垢に身を包んだ美しい花嫁さんとご家族様が写真を撮られていました📸🤵
◾️参考:2025年02月25日閲覧
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撮影:あおいのとり 2025年02月24日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
花嫁さんを横目に、私は再び奥宮を目指して歩を進めます。この参道の脇にはホントに樹齢何百年はあろうかという杉の木が並ぶ。特に御神木と呼ばれる杉は高さ約40メートル、樹齢は約1300年と圧倒的。文字通りの悠久の時を経て今この場所にあるんだなぁ〜思うと、何だか不思議と気持ちが穏やかになりますね⏳
そんな過去からの歴史に想いを馳せていると、目の前には歴史を感じる社殿が姿を現します。徳川家康ゆかりの摂社奥宮ですね💁♂️
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撮影:あおいのとり 2025年02月24日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
この摂社奥宮の社殿は、“天下分け目の決戦”と謳われる関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康が奉納したモノ。武神である武甕槌大神に対する深い感謝の念が伝わります。最初は現在の拝殿の位置に奉納されましたが、新しい社殿の建立に際しこの場所まで遷してきたんだとか。約400年前でも遠い昔の出来事に思えますが、この神社の歴史からすれば歴史書に載る戦国の世すらも最近のことなんでしょうね📚
◾️参考:2025年02月25日閲覧
さて、奥宮の社殿を背にまだまだ杉林の奥へと進んでいきます。すでに西日が林の隙間を抜けて幻想的な風景を醸し出すなか、小さな社が見えてきました👀
鳥居と小さく囲われた境内に祀られる小さな石…これが要石です✨
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撮影:あおいのとり 2025年02月24日
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要石は武甕槌大神が座された磐座で、文字通りの“日本国の礎”とされる霊石柱のこと。この石柱は極めて大地の深い場所に埋め込まれて日本を繋ぎ止めている“国の大黒柱”とされ、一説には大地を揺らすナマズの頭を押さえ込んでいるとも伝えられています🕵️
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撮影:あおいのとり 2025年02月24日
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過去にはこの石柱を調査するべく、江戸時代に“水戸黄門”で知られる水戸藩主・徳川光圀が掘削を実施。その際に石柱の周囲を掘り進めたものの、夜間作業中断後の翌朝になると元通りに埋まっていたとのこと。その後も何度か同じことを繰り返し、最後には七日七晩不眠不休で掘り進めたが、結局のところ根元まで届かず。さらに多数の怪我人が続出したことで断念したことが江戸時代の書『水戸黄門仁徳録』に記載されています📙
こうした時代を超えてもなお神秘的存在感を放つ“要石”ですが、実は同様の霊石がお隣の香取神宮と三重県の大村神社、そして愛媛県の鹿島神社にも存在する。何れも莫大な霊力で地震を鎮める役割があるとされ、今日に至るまで大切に管理されています💁♂️
◾️参考:2025年02月25日閲覧
ちなみに、今から約14年前の2011年に「鹿島の要石が割れたのではないか」という噂が囁かれました。そう、東北地方太平洋沖地震に伴う東日本大震災の不安感がそうした噂を引き込んだのです。もちろん、要石は割れていません✅
こうした古代から脈々と受け継がれる日本人の地震に対する畏怖や尊敬の象徴が要石です。例えば“ナマズの頭を押さえ込んでいる”という伝説も、1つの神社ではなく全国規模の言い伝えであり、各地域の信仰とも共存するほど日本文化のなかに溶け込んでいる。つまり、神社にある要石に異常がないかを見守る、それは“常日頃から地震に対する警戒心と備えを意識する”ことと同義です。
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撮影:あおいのとり 2025年02月24日
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神話の時代の神様たち、あるいは古代の人々から悠久の時を経て、この要石は私たちに地震に対する警戒心を解かないよう教訓を与える存在であり続けている。そう考えると、この要石がより興味深い存在のように思えてなりません👀
◾️参考:2025年02月25日閲覧
とはいえ。
実は日本神話の神様は割とテキトーな部分もあったりすることは有名です💦
例えば江戸時代後期の1850年代に「安政伊賀地震」「安政東海地震」「安政南海地震」「安政江戸地震」「安政飛越地震」「安政八戸沖地震」ともはや世紀末待ったなしの大地震が連発した際、鹿島神宮のナマズ絵を使ったお札が流行したことで要石は有名になりました。特に安政江戸地震は江戸の被害が極めて深刻だっただけに、「なぜ要石があるのに地震が起きてしまったのか」という疑問が多くあったと言われます🧐
その理由は「武甕槌大神が神無月で出雲へ出かけられていたから」。この霊石は神様の状況次第で効力の強弱があるらしく、神様不在の状況では地震を完全には抑え切れないのです。さらに、日本神話の神様は非常に人間くさいので、気分か落ち込んで引き篭ってしまわれたり、お酒の飲み過ぎで酔い潰れられたりする。すなわち、神様の体調次第でも割と効力に濃淡ができるわけです。
そりゃ、たまには地震も起きちゃうよ…日本神話の神様だもの。
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撮影:あおいのとり 2025年02月24日
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要石を後にして帰路に着きますが、その途中には鹿島神宮の鹿園があります。この鹿たちは“神の遣い”として今でも神聖視されています…というか、ヤギと羊の間みたいな声でメェ〜って鳴くんですね💦🦌
そもそも武甕槌大神が葦原中つ国、いわゆる日本へと派遣された理由は、天照大御神の直命を受けたからです。その命を武甕槌大神に伝える遣いを果たした神様が鹿神である天迦久神。ゆえに“神の遣い”として崇められているというわけです👌
ちなみに、鹿島神宮の御祭神で武神である武甕槌大神と、香取神宮の御祭神で武と威厳の神である経津主大神はともに刀と縁が深い神様です。そして、その刀を打つ際に使われる道具の1つが鞴<ふいご>。簡単に言えば送風装置で、鍛錬の際に送る風の加減を変えて鋼の温度を調整する非常に大事なツールです⚔️
この鞴の材料…実は“鹿の皮”です。お互いに切っても切れない関係であるからこそ、その鹿の神である天迦久神が遣わされた武甕槌大神が遣命を了承したことは非常に感慨深いものがあるんですよねぇ〜✨
◾️参考:2025年02月25日閲覧
そんなわけで、鹿島神宮の旅のお話でした。本当は香取神宮にも参拝するつもりでしたが、残念ながら時間が足りずに後日に持ち越しですね。皆様もぜひ悠久の時に想いを馳せる鹿島神宮に参拝してみては如何ですか?それでは👋