結局買ってしまうもの
美術館に行ったらついつい買ってしまうもののひとつが図録だ。大きくて重いあれ。
できる限り我慢するようにしている。保管するにも場所をとるし、そこそこのお値段がする。(もちろん内容を考えると安いくらいだが、毎回買っていると……という話し)
人気の展覧会で人が多く満足に鑑賞ができなかった時、あまりにも展覧会の内容が素晴らしすぎて何度も何度も見たいと思った時。どうしてもスケジュール的にいけなかった展覧会の図録をプレゼントしてもらったこともある。
今住んでいるのが北海道だから首都圏の美術館に気軽に行けるわけではない。みたい展示をすぐに見に行けるわけではないからこそ、図録は私の家の小さな美術館だ。
特に、好きな画家がメインの展覧会の図録は手元に置いておきたい。2023年の「マティス展」(私がマティスに魅了された展覧会)と2024年の「マティス 自由なフォルム」(GWに鑑賞した展覧会)の図録はどちらも手元にある。
仕事が残業続きで疲れてしまった時、マティスに元気をもらう。マティスの色に私はいつもワクワクする。もちろん目の前で作品を鑑賞する瞬間には劣るけれど、いつかニースやヴァンスに行ってマティスの過ごした街を感じてみたいな……なんて想像をしていると、また明日も頑張ろうという気持ちになる。
時代を辿れる展覧会の図録は勉強になる。2022年開催の「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」は初期ルネサンスから19世紀のポスト印象派までの作品が展示されていた。
図録をじっくりと読みながら展示を思い出す。この時代が好きだなとか、なぜかこの画家の作品に惹かれるななんて思いながら図録を読むのも楽しい。西洋絵画の流れを感じながら図録を読んでいると日常から離れられる気がする。
図録用にと購入した小さな本棚は図録と美術関連の本で1段目が埋まってしまった。ゆっくりとだけどいっぱいなってきた本棚をみて何だか嬉しくなる。次はどんな図録がここにくるのだろう。私だけの小さな美術館は、私の心の拠り所だ。