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ルッキズムに囚われているワタシへ。


中学生の頃男子に言われた「デブ」「ブス」などの言葉は、今でも私の自信を危うくさせる。

当時13歳だった私は男子の心無い言葉のせいですっかり自分の外見がコンプレックスになってしまい、人と自分の外見を比べることをやめられなくなってしまった。
すれ違った人と自分の脚の細さを比べたり、周りの友達に体重を聞いたり。友達のウエストと足の長さをメジャーで測ったこともある。

当時BMI19だったし別に太ってなかった。テニスのコーチには「お前は細すぎる、筋肉がない!」と怒られていた。

19歳の時、「あおいは聞いたら怒るから」と渋って好きなタイプを教えてくれなかった元カレが、申し訳なさそうに「スタイルがいい人」と言った時、さらに心は打ち砕かれた。あぁ、やっぱり私って太ってるんだ。

2019年の11月、ジムに毎日通って40kg以下になってからも私はずっと自分のことを太っていると思っていた。というより、自分が痩せたことに気が付かなかった。

ジムに通い始めたのはただ単に楽しかったからで全く苦に感じなかったし、食が細くなったのも自分では気付かなかった。家族と友達に「あおいって細いよね〜」と言われても、嫌味か?と思っていたし、健康診断で痩せ型と診断されて看護師の叔母に「これ以上細くなったらダメよ!」と言われても、自分が痩せている実感はまったくなかった。

正直に言うと、今でも私の身長150cmに対する理想の体重は38kg~42kgで、BMI18以上は太っているという考えがやめられない。これは私が思春期の時にかけられた呪いだ。

最近はどこでも「ありのままの自分を愛そう!太っててもファッションを楽しもう♪」みたいなスローガンを見かけるが、私はそのようなボディポジティブアクションが好きではない。

太っている人は別に好きで太っているわけじゃない。誰だって美味しいものを好きなだけ食べて太らないでいられるならその方がいい。動物は摂取カロリーが消費カロリーを上回ると脂肪がつくから太ってるだけだ。
そもそも太ってるからと言ってその人が誰に迷惑をかけたんだろう。ポジティブでもネガティブでも放っておいてほしい。

そんな呪いの中で生きているので、台湾に住んで最初の3ヶ月で6kgも体重が増えた私は自分の中では当然デブで、自信をなくした。

話が体型中心になってしまったが、私の(もしくは多くの女性の)呪いはこれだけじゃない。髪型、顔、ファッションなど多岐に渡り、外見そのものが呪いになっている。

私にとってのファッションやメイクは鎧そのもので、見た目がそのまま自分の自信に影響してくる。だからテキトーな運動着とすっぴんで過ごしている日と、お気に入りの服を着てフルメイクの日とではこなせるタスクの量が全然違う。おそらく多くの人がそうだろう…と思っていた。

今の彼氏と付き合うまでは。彼は超合理的な国・ドイツ出身で、噂に違わずファッションに興味がなかった。体温調節のためのパーカー、丈夫で何年も履けるLEVI'S、1日中歩き回れるスニーカーが彼の制服だ。

私が信じていた外見のチカラなぞ彼にはまったく関係なく、お風呂を出て半裸の状態でもパソコンを開いてプログラミングを始める。

彼は服などにお金や時間をかけて外見を整えるよりお金では買えないものを素敵だと思うらしい。だから彼はたくさん本を読んでジムに行って身体を鍛えて、勉強して知識を蓄える方がもっと大事だ、と言っていた。

「あおいは見た目を気にしすぎだ。kleider machen leute (Clothes Make the Man)を読め」と言われてしまった。

彼はとにかく私とは正反対の考えを持っているので、不思議な話だが外見のことで意見が衝突するたびに自分がルッキズムから解放されているような気がする。

台湾という環境も1つの要因かもしれない。台湾は男性は半ズボンにシャワーサンダル、女性もムダ毛やプリンなどあまり気にしない人が多い。
また、ここの女性は年齢に関係なくミニスカやホットパンツを履く。日本だと「年相応の格好を」とか「見苦しい」と言われそうな体型や年齢でも、台湾の人々は自分が着たい服、したいメイクを自由に楽しむ。今日は頭にビニール袋を被って歩いているおじさんを見た。

最初は「ここの人たちはTPOというものを知らないのか?」と困惑した。overdressedか、講義に寝巻きで来るようなunderdressedの2択しかないように感じたからだ。

台湾生活に慣れていくうちに、台湾には別にTPOがないわけじゃなくて、日本ほど他人のことを気にしない人が多いからみんな自由に過ごせることに気がついた。

私も台湾では自由を謳歌していて、体重のことは頭にあれど初めて見た目を気にしなくていい生活を送っている。「あなたも可愛い、みんな可愛い、私も可愛い」が台湾での私のモットーだ。

卒業後日本に完全帰国することを考えると少し怖い。
また人の目を気にして自信をなくす気がするし、自分のことだけでなく人の見た目(特に体型)も気にしてしまう悪い私になるのではないかと不安だ。

人のことも自分のことも見た目でジャッジしない自分になるためには、見た目以外のことで自信をつけるしかない。本をたくさん読んで語彙力や感受性を豊かにするとか、もっと勉強して知らない世界を知るとか。noteをぼちぼち続けているのもその一環で、私は自分の考えをもっと鮮明に表現できるようになりたい。

最後に。

"Don't judge a book by its cover."

表紙だけで本の良し悪しを決めるな

(あと将来自分に子供ができて、自分の子供が誰かにデブとかブスとか言ったら私はぶん殴ってでも止めさせる。)

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