人の心はバター、あるいはお米とかパフェとか
人の心を思う、フリーライターのaoikaraです。
時間は前に進むしかない。タイムマシンができれば話は別かもしれないけれど、今のところまだないので、時間は前に進むだけ。
“元通り”なんて言葉があるけど、厳密にいえば元には戻らない。元に近い状態に“進んだ”だけ。たとえ全く同じ状態になったとしても、やっぱり“戻った”わけじゃなく、“進んで”いる。元来た道を戻ったとしても、それは方向を変えて“進んだ”だけ。
全てが不可逆、つまりは元には戻らない。
人の心も同じ。元気だったのに傷ついて、時間をかけて、また元気になったとしても、“元に戻る”などできなくて、傷は癒えても一度もなかったことにはできない。
傷がなかった過去には戻れない。傷があった過去と共に生きていく。
バターは不可逆だと、聞いたことがある。溶けたバターをまた冷やし固めても、元の固形の状態には戻らない。ざらざらの、おいしくないあぶらになるだけ。
お米も不可逆だと聞いた。ふっくら炊き上がったお米が乾いてカピカピになったら、元のふっくらごはんには戻らない。カチカチの、おいしくないかたいものになるだけ。
私たちはバターであり、お米なんだ。
とかいうnoteを書こうとしたのだけど、似たようなことを過去にブログで書いていたから恐ろしい。
https://www.aoikara-writer.com/entry/2020_my_goal
このときは“不可逆”のたとえを“パフェ”でやってる。たしかにパフェも溶けたらもうパフェじゃない。
人間は成長しないというか、思考パターンが同じだなというか。良いように捉えれば、芯が通っていて考えがブレない、ともいえる。
「人の心もバターもお米も不可逆だ」と思いながら、「これ一回考えたことあるな。というか書いた記憶もあるぞ」と思って調べてみたら、やっぱりあった。記憶力は正しかった、というのも良いように考えればね。
自分自身の戒めとしても思う。なかったことにはならないよ。あったこと全てを自分が抱えて、生きていくんだよと。他人に厳しくなる前に、自分に厳しくしてみたらいいと、自分に説いている。
だから、大事にしなければと思う。人の心も、不可逆である全ても。
2021年9月9日(木)
No.990