#49 生徒が勝手に学び始める英語授業⑨教科書を学習しよう(教科書の内容理解編)
さぁ、今日も張り切っていきましょう。令和の新教育「生徒が勝手に学び始める英語授業」です。その実践をこのnoteでまとめています。
今回も、教科書の内容理解編。
前回のnoteでは「輪島塗りを作るように教科書を学習しよう(させよう)」という内容を書きました。
今回は、じゃあどうやって教科書を何度も学習させるの?という、だいぶ核心的なところを書きます。もしよければ、お付き合いくださ〜い。
教科書の7周学習の概要
こんな感じ↓
1周目:教科書の「ざっくりリスニング」
2周目:教科書の「ピンポイントリスニング」
2.5周目:教科書の読み取り
3周目:文法のキーセンテンス学習
4周目:音読(4種類)
5周目:音読筆写
6周目:暗唱
7周目:アウトプット活動
こんな感じで教科書の学習をぐるぐると回していきます。1周目から行きますね。
0.5周目:そりゃもう英単語の学習をがっつりしていますよ
1周目から行きましょうと言っておいてあれなんですが、0.5周目みたいな感じです。
うちのクラス、私が担当しているクラスは、そりゃもうがっつりと、本当にがっつりと語彙学習をしています。
語彙の習得に関しては、その「回転数」と「濃度」が大切です。
「回転数」の多い語彙学習とは、何度も何度も語彙に触れることで、
また「濃度」の高い語彙学習とは、生徒達一人一人の進度に応じた語彙を学習することです(soccerというスペルも発音もすでに知っている生徒がそれ以上soccerを単語学習する必要はない)。
これまでの紙と鉛筆ベースでの指導では、それが不可能に近かったですが(特に、「回転数」)、ICTを活用してその両方を実現させました。
語彙学習プラットフォーム「Quizlet」を使って、生徒たちはタイピングにより英語を学んでいく内容・方法が、このマガジンの前半に書いてあります。
音声を聞き、その音声に対応する英単語をタイピングすることで、これまで紙と鉛筆ではできなかった「回転数」で語彙を学習できるようになりました。
また、これまで紙の単語テストでは実現できなかった「音声を伴った単語テスト」を実現。これにより、「回転数」と「濃度」の高い語彙学習を続けています。
うちの生徒は、そりゃもうがっつりと語彙学習をしてから(並行しながら)教科書の学習に入っていきます。たぶん、教科書に入る頃には、ほぼほぼ単語を習得した状態で入っていく。これがたぶんうちのクラスの生徒達の大きな特徴です
1周目:教科書の「ざっくりリスニング」
単語の学習がある程度進んできたら、いよいよリスニングの学習に入ります。単語を学習していると言えども、生徒たちにとったら教科書の内容自体は初めてです。そこで、本当にざっくりと教科書のリスニングを行います。これはワークシートで。
教科書の1つのパートにつき2つくらいの質問です。日本語の質問で、生徒たちは音声だけ(リスニング)を頼りに質問の答えを考えます。
ざ〜っと教科書の内容を理解させるのが目的なので、ほぼ1回のみのリスニングで流していきます。パート1が終わったら、パート2へ。それからパート3へ。1つの単元全てをざっくりと理解していきながら、リスニングを流していきます。
ニューホライズンなら「ユニット」全てを終わらせます。生徒たちは単語もほぼ理解しているし、本当に簡単な内容のリスニング問題(そういう意味では、「このユニットもできるぞ・・・できる・・・!」と思わせるのも目的かも)なので、生徒たちは完答することが多いです。
そんな調子で、定期テストまでテスト範囲をざ〜っとやっちゃう。ユニット5とユニット6がテスト範囲なら、2つともざっくりリスニングで理解させちゃう。大体どんなことが書いてあるか。
2周目:教科書の「ピンポイントリスニング」
テスト範囲全てのリスニングが終わったら、もう一度戻って来てリスニングをします。これで2周目ね。
あらかじめ質問を与えておいて、そこをピンポイントで聞き取る感じ。
さっきの1週目がぼんやりと大枠を聞き取るのなら(カメラでまだ焦点はあってないけどなんとなく全体像がわかる)、
2周目のリスニングでは、「ピッ」と焦点を部分的に当てる感じ。
例えば、日本と海外の夏祭りを2度楽しんだ生徒とのスピーチをリスニングするとして、We enjoyed two summer festivals.なら、「この生徒は何回夏祭りを楽しみましたか?」みたいな質問をパートに1つから2つほど与える。
そんな感じでリスニングを単元全体に行ってテスト範囲までいっちゃう。それで2周目かな。
最後に、まとめとしてデジタル教科書に付属されている「プレゼンテーション」みたいな機能で、動画と字幕付きで場面とか登場時文物とかをみんなで確認して終わり。
今日は、0.5周目から2周目までをお伝えしました!!
ちなみにライティングの授業実践が本になりました。明治図書から出版しています。参考になれば↓
スピーキング活動にお悩みの方は、こちらもぜひ参考にどうぞ。新刊です。
ではでは。