寮とシェアハウスどう違う?元寮生メントーク
「共同生活をする」という点では同じ寮とシェアハウス。特に学生生活の中で、どちらかを経験している人も多いと思います。筆者も大学時代に4年間寮に住んだ経験があります。寮とシェアハウスには様々な違いがあり、カルチャーショックを受けました。
今回は、学生寮に住んだ経験のある4人のアオイエ住人に、寮との違いや価値観の変化について伺いました。
インタビューに協力してくれたメンバー
原嶋百香(ももか)
岩永理華子(りかこ)
金久保有希(ゆきちゃん)
黒瀬陽(くろちゃん)
インタビュアー
市村彩(いっちー)
寮の基本情報
まずはそれぞれのメンバーの寮の基本情報を教えてもらいました!
ーー寮の中でも全然違うね〜。それぞれの違いについてさらに深ぼっていきます!
寮と違うところ・同じところ
ーー寮とシェアハウスは他人と生活を共にするというところで共通点もあるけど、具体的のところは異なる点もたくさんあると思います。
早速だけど、ももかは寮とアオイエでの生活で、違うところはある?
ももか
中学生もいる寮だったから、ある程度決まっていることが多くて、むしろ同じところを見つける方が難しいかも🤔
まず、生活全てのタイムスケジュール管理があって、それに基づいて暮らしてた。学校の方針があって、それに共感して入ってくる人たちだったから。朝起きる時間が5時半で、基本的に学校の外には出られず、携帯も持てない。今思うとすごい生活してたなって思う。
ーーお寺みたいだね笑
本当にそう。でも意外とやることはたくさんあって、就寝の22時にはへとへとで寝ちゃうの。
学園のInstagram
一番大きな違いだと感じたのは、一緒に住んでいるという意識の違い。
寮の時は「誰かが気持ち悪いと感じたらダメ」と思っていたけど、そう思わない人もいるんだな、ということに気づいた。
同じところは、シェアハウスに比べて寮の方が規模は大きかったけど、自分の意志を主張すれば変えられることですかね。
ーーそうなんだ!規模が大きくても住んでいる人の意思を尊重する文化があれば意見が通るのは希望だね。
りかこ
違いは、アオイエに来て、しなくていいことが増えたと感じてます。
アオイエではルールを守らなくて怒られるということがほぼない。寮でもそこまでルールが厳しいわけではなかったけど、アルコールや門限に関する制限があった。
あと、ヒエラルキーがない。寮は外国人も多く、先輩後輩を意識する文化は薄かったけど、日本人も多いからベースとして意識する人もいて、人によって感覚の濃淡があるという感じでした。でもアオイエは本当にない。
同じところは、月一で参加義務のあるMTGをするところかな。寮の方がかっちりしていたけど。
ーーたしかにアオイエでは全物件で月一の家族会議(※)をお願いしているね。
(※家族会議・・・住人が集まって家の気になることについて話し合ったり、近況報告する会の名称。)
そう。あと、お祝い事をたくさんするところも似ている!
誕生日にはそれぞれの祝いごとをしていて、嬉しかったな〜。今、アオイエ赤堤でもやってる。
ゆきちゃん
新入居者の受け入れに対する責任を負う必要がないところが一番の違いかも。私の寮は全員が運営に関わっていて、入寮希望者の面談も全員でしていました。面談後の会議で寮生全員がOKして初めて受け入れるので、「定着してほしい」という願望とか「馴染んでもらわないと」という責任感があった。アオイエでは、そういう気持ちはなくて、よくも悪くも放任な感じがします。
ーーアオイエは入居希望者の対応は住人ではなく運営がしているからね。受け入れから責任を持って同じコミュニティで関わり続けるのは、中々すごいことだね。
でも私たちが責任感を持ったところで、新たに住んだ人が馴染めないことも全然あった。それはそれで、寮に長く住む中でゆっくり馴染んでいってほしい、という焦らない期待を持ってましたね。
ーー同じところはあった?
絶対的なルールが全然ないところかな。門限もないし、アオイエと同じくらい自由でした。もちろんその時々で、暮らしやすいように決め事はあったけれど、状況に応じて変えられるものだった。
ーーアオイエは絶対的なルールはなくて、その時にいる人や状況に応じて変化していけるような余白の方を大事にしている気がするね。その代わり、一人一人のニーズを聞くことには価値を置いている。その文化が似ているのかもね。
くろちゃん
規模の違いは大きかったな〜と。寮は掃除の分担もしてくれない人が多かったけど、400人も住んでいて、家賃が安くフリーライダーも多かったから仕方なかったのかなと思います。対してアオイエは10人前後で一軒家に住むので絶対に顔を合わせるし、仲良くなろうという意識がある。
ーー私も似たタイプの寮に住んでいたから、その違いはすごく感じる。
あとは、ジェンダーの比率による違いは意外と大きいなと感じてて。
熊野寮は8:2の割合で男が多くて、意思決定のプロセスや場の雰囲気が大分異なっていた。
また日常的なコミュニケーションにも違いがあると感じました。熊野寮ではちょっとしたことで相手を褒めるといった何気ないコミュニケーションが苦手な人が多かったけれど、アオイエには上手な人が多いなと思ってます。そういったコミュニケーションを日常的にする必要に駆られるということもあるんだろうけど。
ーー同じところはあった?
あまり機能はしていなかったけど、掃除やタスクの分担がしっかりしていたところ、とかですかね。
違うところ・同じところまとめ
アオイエに住んで変化した価値観
ーー自分自身の価値観が変化したところはある??
くろちゃん
アオイエ元田中に住む中で、コミュニティへの帰属意識が生まれたと思います。個々の住人との仲の良さももちろん住む理由ではあるけれど、コミュニティの居心地の良さがあるから住み続けている。
ゆきちゃん
私は「関わり方自体にも多様性がある」と気づいたことで、住人とかかわらないことも一つの関わり方として受け入れられるようになった。
最初は寮の時と同じように他の住人に家にコミットしてもらうことや交流を働きかけていたけれど、アオイエは同質性が低く、社会人も住んでいて忙しい人も多いため、家に求めている価値観や重要度に幅があると気づいた。
ももか
ゆきちゃんの話、すごくわかる。
アオイエは他にコミュニティを持っている人が多く、自分の居心地のいい場所にいれば良いという考え方の人も一定数いるかも。
私は寮に住んでいた時は寮以外に居場所を持っていなかったから、同じ部屋の人のことを嫌いにならないように努力をしていた。
私の経験上、嫌いになりそうな人とも相手と向き合ったらうまくいったから、アオイエでも最初は向き合おうとしてきた。でも、自分が努力したところで、相手に向き合う気がない人もいることを知って、「相性が悪かったら離れてもいい」という考え方に変化した。良いことか悪いことなのかわからないけど。
りかこ
これまで私がシャットアウトしてきたような発言に、実は悪意がないことを知ったのは面白かった。
ホモソーシャルなコミュニティで育ってきた男性住人の発言を聞いた時に、「これが面白いって思ってる世界の人なんだな」と気づいたことがあって。
同じ発言をしたのが普通の友達だったら、「こういうことを言う人なんだ」と距離を置いていたんだけど、シェアメイトは違和感を感じる部分があっても、他に良いところを知る機会も多いから、違和感を感じても「変なやつやな」と捉えられる。
これは寮よりも育ってきた環境や価値観の違いが大きい人と一緒に暮らす経験の中でないと気づけなかった。
アオイエに興味がある人に一言
ーー最後にアオイエに興味がある方に向けて一言!
ももか
寮であれシェアハウスであれ、人と一緒に住む経験はした方がいい!
自分を偽れない・偽ろうとしてもすぐばれちゃう環境で、自分を知れる経験は絶対に損はないと思います✌️
りかこ
違和感を抱くことを苦痛だと捉えたいか、面白いと捉えたいか。もし後者やったら、ぜひアオイエに住んでもろて!笑
ゆきちゃん
アオイエは関わり方自体が多様で正解がなくて、その多様性の中で自分の価値観について考えさせられるところだと思います!私は東京での人脈も広がったし、住んでみて正解だったかな。
くろちゃん
アオイエには物件ごとにいろんな色があって、自分にあう場所も見つけられる。自分は寮よりもアオイエの方が深い関係性を築けていて、安心できる場所だと感じています!
りかこ・ももか
「結局共同生活っていいよね〜」「やっぱアオイエっていいよね」でnote締めてもろて笑
ーーありがたい!実際に書きますね!笑
みなさん、本日は本当にありがとうございました!!
アオイエについて
アオイエは、全国に14の拠点(東京:8箇所、京都3箇所、大阪:2箇所、沖縄1箇所)をもつコミュニティハウスです。「みんな表現者」をコンセプトに掲げ、家という形を通して住人に安心と挑戦を提供しています。
アオイエは、安心と挑戦をうむ環境づくりとして、各家へのキーパー制の導入、ゼミや合宿の実施、入居者へのフォローアップなど、他のシェアハウスには類を見ない取り組みを、5年目を迎えた今もなお続けています。
(インタビュー・編集 市村彩)