嘘
嘘
いちばんはじめの方法として、
僕は泣いているふりをして下を向くと、
湖が見えて白鳥が泳いでいた。
さらに早く下を向くと、
他の鳥たちもやって来て、
「今までで、
誰がいちばん嘘が上手かったかい」
と問うので僕は、
「詩や小説を教えて下さった人です」
と言った。
「どんな噓を?」
「先生は、
僕を傷つけないためについた嘘」
「先生は、
僕を笑わせるためについた嘘」
「先生は、
僕が前を向くためについた嘘」
「良い噓と
悪い噓があることを知りました。
良い噓には、やさしさが含まれていた。
その事は後から気付く。
年を重ねるたび、
それらは僕を支えてくれている」。
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