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音楽を小説に

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いつも支えてもらっている曲たち。 その世界観を自分なりに解釈し、想像して物語へ。
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2022年3月の記事一覧

花びらたちのマーチ

花びらたちのマーチ

初めて目にしたのは、雨上がりの春の日だった。

正確には、そこで出会ったというわけじゃない。小学校だって一緒だったし、そもそも同じクラスだ。でも、あるじゃないか。名前も顔も知ってるけど、なんか視線が素通りして意識してない、止まらない。わかるよね?

春日は僕にとって、そういう存在だった。下の名前だってパッと出てこない。同じ教室にいる、誰かさん。ほんと、それくらいにしか思ってなかったんだ。

でもそ

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ポラリス

派手な音を立て、ジョッキがテーブルに叩きつけられる。隣テーブルのカップルがあきらかに驚いた表情で一瞬こちらを見て、倍のスピードで目を逸らした。

音を立てた張本人は目をつぶり、眉根に深いシワを寄せて俯くばかり。仕方なしにわたしは小さな声で「すみません」と社会人マナーを済ませておいた。

「なぁ。俺はもう、死ぬよ?」

声が大きい!
先ほどのふたりに加え、ひとつ先の席に座るカップルまでが、ぎょっした

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夜行列車〜nothing to lose〜

夜行列車〜nothing to lose〜

「どうしてわかってくれないの?」
I've nothing to lose, nothing to lose at all.
大丈夫。大丈夫だ。私は何も、失ってなんてない。

ゆっくり動き出した車窓から、いつもの見慣れた駅が見える。車の運転が苦手だった父。それを笑みを浮かべながら揶揄う母。ふたりはそれでも私を連れて、休みになればこの駅から、こことは違う場所へと私を連れて行ってくれた。

いちめん黄

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