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恋はエゴ、醜悪で、美しい

映画を意識的に見るようになってから自分の好き嫌いがだんだんわかってくるようになった。
食べ物と趣味の好き嫌い(人間は除く)は無いほうだと思っていたが、恋愛エモ映画は苦手なことに気づいた。恋愛エモ映画は自分で名付けたのだが、なんかいい感じの男女がいい感じの映像と音楽に合わせ、コミュニティの中で惚れたはれたを繰り返す作品である。

私はこれをどう楽しめばいいのかわからない。
恋愛リアリティショーもそうだが、まず他人の恋愛に対してめちゃくちゃ受け身である。どういう顔をして見ればいいのかわからないし、誰かに感情移入するわけでもなく、好きにやらはったらよろしいやん、と思ってしまうのだ。

パリ13区もそういう風に受け取ってしまい、AにフラれたからBに行く戦法が気に食わないし、ちょっとおしゃれな街並みとモノクロで孤独の心象風景を表現しましたと言われても、味付けのりみたいな孤独の沼にいる住人にとっては、はぁさようでございますかとずっと凪の状態だった。

そういえば私はAがダメならBだと言うのが短期間に起こるとダメなことにも気づいた。若草物語もアレさえなければすごく良かったのに、と思った。多分、自分がかませ犬になった経験があるからかな。

どちらかと言うと、フランソワオゾンみたいな爽やかでありながら、自分のエゴ丸出し恋愛一人ずもうの方が好きみたいです。


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青井翠
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