アサルトリリィ×私立ルドビコ女学院 「白きレジスタンス〜約束の行方〜」感想
アサルトリリィ×私立ルドビコ女学院「白きレジスタンス〜約束の行方〜」を観劇(現地1回、配信2回)したので感想です。
当方のアサルトリリィ歴は約6か月。舞台の百合ヶ丘編(LoG、TFG、LM)、御台場女学校編(TSA、TEP)、ルド女シュベスター編(祈り再演版、秘密再演版)、アニメは履修済。舞台メインのほぼほぼ初心者による感想になります。
※アーカイブ期間も終わってるけど、ネタバレ全開なので気にする人は注意ね。
<全体について>
お話としては、前回のシュベスター編で示された来夢や未来にまつわる謎や泉先生失踪など不穏な空気を醸し出しつつ、日葵をターゲットにしたG.E.H.E.N.A.の暗躍が本格化し、リリィたちの取り巻く状況が変化する中で各々が自身のあり方を問われ、どう答えを出すのか…といった内容。
ルド女ならではの明るいノリや各キャラクターの関係性をしっかり描きながら、アサルトリリィ特有の重厚感のあるストーリーの緩急はルド女舞台ならではの魅力。特に今回は3話目ともなるので、何しろ内容が非常に濃い。
特にキャラクターの関係性については、シュベスター編を経たことでより深化していて、それも各学年、シュベスターごと、先輩後輩とそれぞれが必然なものになっているから、全シーン見どころと誇張なく言えるくらい関係性が濃い。
こういう関係性を描く作品って、大体シュベスターメインで同学年サブくらいで終わるもんなんだけど、ルド女はシュベスターではない先輩後輩の関係までちゃん描いてるってところがポイント。
先輩が後輩を指導する部活ものっぽい空気もあって、例えば、渚・朝妃やいちか・花蓮のシーン(詳細後述)はシュベスターではないからこその絡みでしかもそれがストーリー上必須なのよ。それだけで「”俺とお前とのEternal”じゃん!!!!」ってなって、すいせいさんの情緒はやばかった。
ほんと関係性オタクの好きなものがてんこ盛りなので、関係性オタクには履修をマジでお勧めします。
そして、アサルトリリィ舞台ではお馴染みの殺陣は相変わらず目が足りない。しかも今回はステージも横にも広くてすごい動き回るし、長物振り回して走り回って叫んで戦ってで演者さんすげえなって毎回思う。素人目で見てもかなりハードよあれ。
加えてプロジェクションマッピングを融合させた演出は、音響と合わせて迫力満点。こういう迫力は舞台ならではだし、もちろん配信の方がアップなり引きなりのカメラワークで視覚的には見やすいんだけど、五感で感じるって意味では実際に劇場に行ってこそなんよね。音の部分でも音響の迫力だけじゃなくて、例えば演者さんの声のトーンや足音とかもシーンによって強さが違ったりするし、色々と発見がある。
なので、アクションとか殺陣とか好きなオタクには履修をマジでお勧めします。(2回目)
また、G.E.H.E.N.A.の暗躍と泉先生失踪の闇の部分については、主に教師サイドを中心とした描写で展開されてて、ルド女にまつわる暗部と謎の不気味さがひしひしと伝わってきた。取手先生と真壁先生のヤバさったらないし、小阪先生も立場が微妙だからこその危うさが観ててぞわぞわした。
特に海堂先生暗殺は、中盤から終盤にかけてのタイミングで中々の衝撃でしたね。海堂先生…お前とも一緒に戦いたかった…
そして最後の「…泉・ローザ・莉奈!」は引きの演出としては完璧。久々ですね、あんなゾクッとしたエンディングは。ほんと続きが気になる終わり方だったので、完結編を観に行くのは確定しました。
<個別シーンの感想>
ここからは個人的に好きなシーンや印象に残ったシーンの感想。
〇百合亜と聖恋
百合亜×聖恋のシュベスターしか勝たん。
(ここから早口)
個人的には百合亜×聖恋のシュベスターが関係性的に好きで、キャラ的にも百合亜推しになりましたね。このシュベスターの関係性を一言で言うと、見守り系お姉さまと突っ走る系妹。
百合亜は性格的にも境遇的にも必要最低限しか喋んないし、シュベスター編では聖恋に対して若干素っ気なかったのが、今回はシュベスターになっただけあって、聖恋への発言や行動が的確でちゃんとお姉さまやってるのよね。
聖恋も、基本的には来夢や未来との関係が中心でそこに良くも悪くもとらわれて突っ走っちゃう部分があるんだけど、百合亜という一歩引いて見れる人との新しい関係が彼女にとってもプラスになってるというのが非常に良い。
百合亜は重い過去を持ってるんだけど、聖恋も同じくらい辛い過去を持っていて、劇中それを明かすシーンでは、百合亜としては前回のラストで未来を討つという聖恋にとっては本当に重いことをやり遂げたということで彼女の事はもちろん認めているんだけど、聖恋の過去や未来や来夢への想いを聞いて改めて彼女の強さを目の当たりにして百合亜の心境にも変化が現れるんだよね。
その後、聖恋が自身の過去にまつわる秘密(という名のアサルトリリィ特有の激重境遇)を知ってしまい、夜の新宿ゴールデン街戦場を千鳥足でふらついた(余談だけど、舞台終わってから飲みに行ったら聖恋と同じ歩き方の人と数人すれ違った)挙句、動揺からか来夢に襲いかかってしまい幸恵から大目玉食らうんだけど(ここ超絶名場面オブ名場面なので円盤出たら50回は観てね)、ここのお説教タイムもちゃーんと百合亜さまは見てる。(そういう演出なのか本当に見てたのかははっきり記憶にないけど、オタクは幻覚見てナンボの生き物なので見てたことにする。)
とは言え、聖恋もショックからはそう簡単に立ち直れないし、地に足ついてない状態でアイアンサイドに合流したら、テンプルレギオンはノインヴェルト戦術失敗するしで大ピンチ!!!
からの…
百合亜(アイアンサイドver)「その必要はないわ。特殊弾はここにある。(無表情ドヤァ」
展 開 熱 す ぎ か ! ? ! ! ! ?
終盤の「こんなこともあろうかと」ムーブマジでカッコよかった。マジでシビれた。流石、何でも知っててどこにでもいる用意周到百合亜さま。
百合亜は自身の強化リリィ故の特性のこともあって新レギオン加入は一旦は断るんだけど、元々彼女自身も仲間想いというのもあるし、聖恋のリリィとしての想いも知って遂に一歩を踏み出す覚悟を決める。この普段は一歩引いて妹を導きながら、実は妹から影響を受けているという関係性はエモい。
そして、動揺して迷いがある妹を今一度リリィとして立ち上がらせるために自分の背中を見せながら叱咤する模範的お姉さまムーブの熱いこと。「新レギオンでは戦えないわ(戦わないとは言っていない)」と一回断ってからの「その想いが私を動かした」という妹からの影響を受けました宣言からの「あなたが来夢を守るんでしょう?」のお姉さまムーブは百合亜×聖恋の全てが詰まってましたね。この普段は静かに妹を見守り、ピンチではきっちり支えるという関係性、非常にエモです。百合亜さまは妹が大好きなんですね、わかります。(キリン感)
この百合亜の心境の変化が所々で現れてて、特によくセリフとして出る「私は死ねない」の後に続くセリフが、最初は「死なない」だったのが最後は「生きるわ」に変わるのも聖恋とのシュベスターとしての関係もあってこそなので、お互いが影響を与え合うという非常にいい関係だと思います。
あと個人的にとても印象に残ったのは、百合亜役の梅原サエリさんの姿勢がめっちゃ綺麗で、背筋がピーンと伸びてて動きは手足の先までしなやかだったので、所作からして百合亜の芯の強さや優雅さを感じることができました。
(ここまで早口)
〇クララと朝妃
クラモニ尊い。
(ここからも早口)
シュベスター編から因縁あるこのコンビ。古くからのライバル関係ということで過去にも教室破壊などもあったりと腐れ縁という言葉がお似合いのこの二人。
今回はクララが他の1年生組や日葵との関係がなかなか上手くいかずフラストレーションを溜め込む中で、日葵が萌に付きっ切りになったせいで遂にメンタルが不安定になってしまう。一方、朝妃だけはそんなクララの微妙な変化にすぐに気づいて、本心も見抜いてるんだけどどう接すればいいか悩んでしまう、といった話の流れで全編通して印象に残ったのが朝妃役の山﨑悠稀さんの演技で、クララの心境を察しての動き出しや表情の変化、セリフの感情の乗せ方の一つひとつから朝妃のクララに対する想い(オタクの大好物)がめちゃめちゃ伝わってきた。
朝妃からしたら、自分が勝ってると思ってた奴に追い抜かれるし、そいつはどんどん強くなって同期でもトップに立つし、実力という客観的な指標を見せつけられてる以上言い訳は一切できないからめちゃめちゃ悔しい。一方で、かつてはパートナーを組むほどに実力を認めた相手として評価してるからこそ再び共に並び立つにふさわしい存在になりたいし、背中を追いかけ続ける。だから、クララが感情の持って行き方がわからなくてまわりに八つ当たりするわ孤立するわでメンタルがどんどん追い込まれる姿を見てられないから、渚に背中を押されたのもあって、お節介を焼くし戦闘中に唐突に告白する。
クララもずっと背中を追っていた奴を追い抜いて学年トップになったり、テンプルレギオン隊長である日葵のシュベスターになったりと色々なものを背負うことを初めて知ったがゆえに、元々のプライドの高さも相まって、プレッシャーに押し潰されて自分を追い込みすぎ、孤立する中、唯一追いかけて来たのが腐れ縁でライバルの朝妃だったからこそ、お互いに思いの丈を全部ぶちまけることができる。
英雄には試練を。聖者には悪魔を。私には貴女を。
こういう「負けたくないけど実は認めてる」というバチバチなライバル関係はすいせいさん的に超ツボです。(すいせい、貴方その幻覚を見すぎよ。)
最後は機嫌直したクララがいつも通りで草。そら花蓮にも煽られますわ。朝妃もウキウキでワロタ。
(ここまで早口)
…それにしても、くまま何kgあるんやろ…?効果音の重量感すごいやん。あれを指でつまみ上げるクララはサイヤ人か…?(困惑)
〇2年生組
主力の2年生組は、それぞれのキャラが個性が強く、立ち位置もハッキリしてるのと、既にある程度の関係性ができてる状態から始まっているから、そこのやり取りが観てて面白いし、特に今回は新レギオン発足に端を発して、それぞれの方向性やあり方が変わっていく中で、お互いの関係性が変わる部分もあれば変わらない絆を見せられてとてもエモかった。
要は、おばあちゃんが言っていたの人も言っていた「同じ道を往くのはただの仲間にすぎない。別々の道を共に立って往けるのは友達だ」ということ。わかるわ。
また、今回はシュベスター関係以外の2年生と1年生との関係にも焦点が当たっていて、特に仲間との関係に悩む渚と朝妃、自分の失敗で慕う先輩を傷つけたいちかと花蓮が完全に対比関係なってて、自分と同じような境遇にある後輩を先輩として自分の経験を元に向き合い道を示すと同時に自分の中の感情の整理から次のステップに進むというのを見せるという点がとても印象に残った。ここは学年間の多層的な関係もしっかり描くルド女ならではで、学園モノの重要ポイントをきっちり抑えている。これはこれでエモい。
また、2年生はみんなそれぞれキャラが立ってて本当に個性的。
友達大好き渚さま。おせっかいの絶えない地味に苦労人。全方位への配慮の塊。友達の背中は押すし、後輩の面倒はちゃんとみる。このフォロー力と包容力はオカン級。ルド女の精神的支柱と言っても過言ではない。
佳代、騒ぐだけ騒いで結局収まるところに収まる。妹にまで正論で諭されているのがなんとも面白すぎる。洞察力の鬼がなぜザコメンタルなのか。ルナトラのハイテンションでプラマイゼロ理論なのか…?オーバーリアクションのオンパレード、まじで好きです。
佐野、感動を返せこの銭ゲバ。オメダイのダイヤであからさまにテンションを上げるな。直前でめちゃくちゃ模範的お姉さまムーブしてたのは別人格か?それとも俺の幻覚か?
いちか、マジで男前。DLリスト入りしてからのリハビリ期間が長くてメンタル下降気味だったけど、最後はバリバリ前線に出るわ、渚の新チャームまで準備するわで大活躍。底に堕ちてから這い上がってきた人間は強いよ。
日葵隊長、カカロットより指導苦手か?クララは放置されてメンタル不安定になるし、萌は練習なしで難しいことをいきなり実戦でやらされて案の定失敗。隊長業務こなしながらその身を狙われて色々と大変だし、ハイレベルを求めるのはいいが、少しは反省しろ。
〇アイアンサイド
アイアンサイドのメンバー集めの下りとかが作りたて野球部みたいな感じで学園モノっぽさがいい感じに出てたのがよかった。ユニフォームはカッコいいけどメンバーが足りないとかあるある。地味に百合亜の分も用意してたのもポイント。花蓮は高校から野球始めた枠だね。がんばれ花蓮。人数少ないからレギュラー取りやすいぞ。
あと3年生の特殊エフェクトカッコ良すぎ!!なんだあの龍虎のオーラは!?流石に貫禄が全然違う。そら永遠さまの女も大量発生しますわ。かいポン…?いえ、知らない子ですね…
〇小坂先生
何でシリアスとコメディで温度差こんなに激しいんだよ!
バランスはどうなってんだバランスは!
お前ら禁じられた生徒の強化実験を平気でやってんじゃねえか!
わかってんのか!?
海堂先生が殺されたのは泉先生の秘密を探っているのが学園側に感づかれたせいだろうが!
階段一人で降りれるようになったのかよ!?
よかったね!!!
相変わらず小阪先生キャラ濃いわ。
シリアスシーンの時の小阪先生は、自身の立ち位置が学園内でも微妙だから、言動を1つ間違えたら消されるんじゃないかという緊迫感があった。あったんだよ…
小阪先生のメンタル切り替え早すぎだろ!!
主に応援団の下り!!!
真壁先生のお通夜ムードと東京都庁の階段トレーニングを同じ温度で語っちゃダメだろ!!!!!!
階段トレーニングのくだりはマジで現地で笑い堪えるの大変だったんだからな!!!!!!!!!
基本的には生徒思いのいい先生なんだけど、ほんまおもしれえのよこの人。しかも戦ったら地味に強い。流石指導教官。やっぱりこの人がいないとルド女は始まらん。
〇LIVESHOW
まずは何よりリリコレが中止になっちゃって、それ自体は仕方がないことだとは言え正直当時の喪失感は強かったから、今回ライヴパートとして当初の予定の一部分を観ることがができて本当に良かった。
曲数も多くて曲のバリエーションも豊富だし、演者さんのパフォーマンスもかなり仕上がってたから、ライヴパートだけでも結構なボリュームでめちゃ楽しかった。
自分も結構色んなライヴを観てきたけど、舞台役者さんの歌やダンスの上手さに驚いたし、なんならあなた達、ついさっきまで走り回って戦ってましたよね?プロってやっぱすげえなって思いました。
ルド女でこれだけのものを見せてもらえたということは、年明け2月の御台場の舞台も期待していいやつやね?(願望)
個別に印象に残ってることとしては、まず真壁先生のチャームの振り方。ガチオタクのそれなのよ。完全にノリ方が俺ら側でした。他にもちょいちょい演者に紛れたオタクいたね。すいせいさんは見逃さなかったぞ。
千秋楽の「恋のノインヴェルト」に入る前の朝妃と聖恋の茶番が狂おしいほどすこ。↓
ここ、もし円盤になったら無限に再生したい。
曲はギミラブが一番好き。この曲のメンバーはみんなダンス上手だった。特に石井さんと中村さん。配信で引きの画で見ると非常によくわかる。頭一つ抜けてたね。元々は御台場メンバーの曲とのことなので、早くそっちも観てみたいね。
千秋楽の宮瀬さんの「最後の曲です!」からの小菅さんの「えー!」はオタク的には正解。石井さんにうるさい言われてたのは笑っちゃった。本業のライヴとかだとある種の様式美だけど、雰囲気からするになんとなくだけど多分普段はそういう感じのノリじゃないのかもしれない。声出しできるようになったらまた変わってくるのかもしれないけど。
千秋楽のリリィデイズの小菅さんの顔の圧はすごかったわ。小菅さん基本全力投球なところマジで推せる。
そしてなにより…
リリィデイズの取手先生の定点映像を円盤の映像特典で下さい。(切実)
あなたリリィを差し置いて動きが一番キレッキレなのよ。無表情での爆レスファンサ最高でした。まじであの部分は定点で観たい。
<おわりに>
この間遠征が多かったり、ミリシタ5周年イベントを始め、やること多くて正直バタバタして落ち着いて準備できなかった。ほんとこんな状態だった。↓
そんな中で、アサルトリリィというコンテンツや舞台というジャンルにハマり出していたということもあり、直前にはシュベスター編の配信もあって予習もできたから、今回の舞台はかなり高い期待感でもって観劇に臨んだんだけど、想像してた以上のものを観せてもらえた。
特に今回は3話目ということもあって、それまでの積み重ねがあるから、ルド女の楽しい部分は本当に楽しく、本筋の重い部分は本当に重く、その対比でキャラ個人だったり人間関係がすごく際立っているのがこの舞台の魅力だと思う。
また、これはルド女に限らず、初めて現地で観たLMの舞台の時から感じてたことなんだけど、アサルトリリィの舞台はキャラの人としての生の感情がめちゃくちゃ伝わってくるところが一番の魅力で、これが自分がこのコンテンツにハマった理由だと改めて確信した。
本当に今回の舞台は内容が濃かったし、完結編も今回以上のものが来ると期待できるくらい素晴らしい舞台だったので、無事その日を迎えることができることを楽しみに、今後もこのコンテンツを今後も追っていきたいと思います。
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