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歯並びも関係あるの?顎関節症と全般性不安障害とパニック障害のはなし【後編】
歯科治療によって歯並びと噛み合わせがズレてしまいあごの痛みを抱えたまま引っ越したのが前回までのおはなし。
この頃は「矯正と治療で歯並びがズレたのだから、再度矯正し直すなりすれば良くなるはずだし、矯正できる歯科ならズレてしまった歯並びとかの状態もわかるだろう」という思い込みが強かったため、引っ越し先でも矯正もやっている歯科を探していました。
この思い込みの発端には、矯正治療を行ってくれた歯科医が、レントゲンの骨格写真を見ただけで出身地を言い当て、その後噛み合わせが気になると訴えれば見ただけでどこがずれているか分かり、少し調整するだけで驚くほど快適にしてくれるという、私からすると神業とも思える処置をしてくださる先生だったため、この先生のことをとても信頼していたというエピソードがあります。
そのため、矯正治療を行っている歯科ならどこもそのくらいのスキルがあるのだろうと強く思い込んでいたのです。
よく考えたら現在の不具合の元凶となった歯科も矯正治療を掲げていたのに。
引っ越し先での歯科探しは2件ほど失敗し、3件目でようやく私の訴えを聞いてくれる歯科医を見つけることができ、そこの先生が丁寧に話を聞いて調整を重ねてくださったおかげで、あごの痛みや違和感は感じるものの、四六時中痛くて不快、という状態は少しずつ改善していきました。
それでもやっぱり少しずつ削って様子を見る、という程度の調整では痛みを完全になくすまでには至らず。
あまりにも痛みが長引いているため、ある時先生にそもそものあごの位置を元の位置に戻すようにできないかと相談してみたことがあるのですが、自分はそういった治療は専門ではないから、本当に困っているなら専門の病院を紹介しますよ、と言われました。
ですが、当時の私は先述の思い込みがあったことと、専門医=高額な治療費になるのではと尻込みして断ってしまいました。
と、ここでまた旦那の転勤で遠方へ引っ越すことに。
そして現在の土地にきたのですが、ここで新しい歯医者を探していた時に初めて「噛み合わせ」専門の歯科というものが存在することを知ることになります。
いや、前の先生が紹介しますよと言っていたのがこういう歯科医だったのかもしれないのですが、先述した思い込みで自分がかかるべきは矯正歯科医だと決めつけていたため、ネットで検索して見つけた噛み合わせを主に見ているという歯科のサイトに記載されていた、噛み合わせが合わない事によっておこる不調の説明の中に自分がその時抱えていた症状が含まれていたのを見るまでは、噛み合わせに対する専門医がいることも、噛み合わせ自体の調整によってこの痛みが消える可能性があるなどとも思ってもみなかったのです。
すぐにその歯科に予約を入れ受診しました。
そしてこれが大正解。
なんと先生は初回の診察で、何度か口を開け閉めした様子と歯の当たる位置などの状態を見ただけで、その当時の私に起こっていた歯とあご周り、ひいては体に出ていた不調に至るまで言い当てて(?)くださったのです。
その後も治療中気になることがあって尋ねれば、私の訴える症状がどのような原因で発生しているのかなど分かりやすく丁寧に教えてくださったため、治療に対するストレスも感じないし、むしろこの先生以前からずっと気になっていた症状に対しても理解できることになり、私のストレスはどんどん軽減されていきました。
治療はあごの位置を調整するための特殊なマウスピースを就寝中に装着するだけ、というもので、毎晩ほんの僅かずつ調整されるため効果はなかなか実感しにくかったのですが、治療を始めて4年が過ぎた現在、気づけば一番酷かった頃一日中悩まされていたあごの痛みは、今はたまにしか感じることは無くなっています。
そして痛みを感じないことのほうが日常になってきたところでようやく、「これってもしかして、噛み合わせの不具合のせいで起こっていたのでは?」という、体の不調にも気づけるようになったのです。
最初に気づいたのは体の傾き具合です。姿勢とも言えます。
噛み合わせがずれると骨格も歪むそうで、噛み合わせ専門の歯科では毎回方眼紙のような大きなマス目のある壁紙の前に立って写真を撮って改善具合を見るのですが、初回撮影時の私は、あごの痛みの強い左側の方に重心が寄っていて、自分はまっすぐ立っているつもりなのに、写真に写る私の体の軸は左側に傾いてました。
この状態は、治療を続けてあごの位置が正しい位置に戻って来るにつれてわかりやすく改善されていき、あごの痛みを感じなくなった今はほぼ真っすぐになっています。
そしてもうひとつ改善が顕著だったのは「耳鳴り」でした。
耳鳴りの症状はもう何年も続いているのですが、治療がだいぶ進んで耳鳴りが軽減していることに気づいたある時、たまたま見かけた「顎関節症と耳鳴りの関係」について書かれた記事で、顎関節症によって耳のあたりにストレスがかかり、それが原因で耳鳴りが引き起こされることがあると知りました。
そしてその記事を読んで思い返してみると、あごの痛みが強かった頃と、耳鳴りの音の強さはほぼ比例していたように思えて、実際今痛みをほとんど感じなくなっている右耳の耳鳴りはもうほとんど聞こえなくなっているし、まだ少し痛みの出ることのある左側も、痛みのある時は耳鳴りが強いけど、痛みの少ない時は小さくなっていることに気づいたのです。
まさかあごの状態から耳鳴りが引き起こされるなんて思ってもみなかったので、気づいた時はただただびっくりしたのですが、その後しばらくしてからふと、以前いただいたあの、「ちゃんと噛めていないのでは」というコメントを思い出しました。
このコメントは全般性不安障害とパニック障害のことについて書いた記事に付けられていました。
で、ここでは歯の話なんか全然していないんですね。
そこでようやく、この言葉はもしかして、噛む回数が少ないということを言っていたのではなく、噛み合わせが合っていない、ということを指摘したコメントだったのでは?と考えるに至りました。
ストレスはメンタル関係の不調の原因としてよく言われますが、コメントの意図を仮定してから当時の自分を振り返ってみると、確かに私は噛み合わせの不具合が原因で24時間365日ずっと痛みと不快感を抱えていて、それが慢性的なストレスにつながっていたのではないかと今なら思います。
そしてあのコメントは、その噛み合わせが合わないことからくるストレスも、全般性不安障害とパニック障害の原因のひとつになっているのではないか、と指摘するものだったのでは?と思い当たったのです。
そう考えてから今一度振り返ると、噛み合わせが合わなくなって痛みを感じるようになった頃から耳鳴りは酷くなっていたし、メンタルの状態が一番酷かった頃は、そういえば耳鳴りも、普通の音が聞こえづらくなるくらいには大きく聞こえていました。でも痛みも治まって耳鳴りもほぼしなくなった今は、メンタルの状態も安定しているなと。
医者ではないので因果関係を断言できるものではありませんが、私にとってはあごの痛みや不快感からくるストレスも、全般性不安障害とパニック障害の症状と無関係ではなかったのではないか、と考えさせてくれたコメントでした。
こころとからだは繋がっている。
なんて言われただけじゃピンとこないけども、気づけばなんだかスッキリするものです。
きっかけをくれたコメント主の方に、今更ながらの感謝を。