劇場総集編ぼっち・ざ・ろっくRe:Re:感想と俺の好きなバンドの話
どうも城北です。
劇場総集編、どっちも公開日にみてきましたよ。三連休寝て片付けして終わりになってしまうので、せっかくだからnoteにも感想記事をあげようと思います。ネタバレします。
音を聴け、音を。
そう言わんばかりに音が良くて、映画館で正解だな、と思いました。というかスラダン予告編の第ゼロ感で飛べる。
作品通しても、8話相当部分のあのバンド覚醒シーンが大好きなんですけど、あそこ、本当にライブハウスにいるみたいで頭が溶けそうでした。自分の地元のライブハウスは経営難で無くなってしまって、久しくライブハウスが恋しかったんですけど、あそこを思い出すようなシーンでしたね。スタンディングで観たいくらい。
そして、後編ではあのシーンに直接繋がるように新曲『ドッペルゲンガー』が歌われるわけです。新規カットの喜多郁代の表情が忘れられない。すげえいい顔してましたよね。
この曲本当にいいですね。
孤独だった頃を忘れてしまいそうになるくらいのバンドの楽しさと、そこを失ったらアイデンティティが無くなってしまうっていうジレンマが混ざり合って昇華した楽曲だと思います。
「個性を失ったら死んでるのと同じだ」と、同じ足掻きを繰り返してきたであろう先輩に突きつけられた銃口から、アンサーがこんなにも鮮やかに、痛みと爽やかさを伴って歌い上げられると震えますよ。本当にJKかこいつは。嘘つけ!
ここにいない自分を、というか、ここに辿り着くまでの自分に対して手を差し伸べて、違うけど同じ存在として自己に重ねていくいい楽曲だったと思います。
で、エンディング。正直、イントロでなんの曲かわかりませんでした。フジファブリックの『若者のすべて』みたいなフレーズのせいで、ソート対象がほぼ無限に増えてしまって、テナーとかあっちゃこっちゃいきました。
数小節でアジカンであることは確信できましたが、歌詞的にもまさか『Re:Re:』とは思いませんでした。だって結束が解散した後の曲でしょあれ。ソルファって思いの外年食った楽曲が多いアルバムなんですよ。モラトリアムの終わりみたいなテーマですから。サイレンとかやばいでしょ。
提供か?提供にしちゃ最近のアジカンじゃねえな、ワワワ〜ランドマークの音だな?まさか深呼吸?まさかムスタング?まさかセンスレス?と思考がとっ散らかり、ついにあのフレーズ出てきた時、僕はしんしんと泣きました(River)
ぶっちゃけ、アジカンのカバーとかコピバンって昔から好きじゃなかったんですよ。本家の絶妙な感覚が崩れるので。でも、転がる岩とか完璧で、結束のおかげで前提はとっくの昔に崩れてました。
アレンジがもう最高で。ギターもベースもバカみたいに暴れてるのが気持ちよかったのと、イントロアウトロのドラムフレーズが最高に好みです。編曲の三井さん、愛がすげえなと思いました。
ゴッチも十二日にあげた記事でムスタング浮かべてましたけど、なんかすごい『未だ見ぬ明日に』らへんっぽいっすよね。あの頃のアジカンの音色好きなので引き出された時震えました。ああ俺の好きなアジカンの味がするって。
ラストとレベルと好きなバンドの話
今回、ラストの追加シーン、結構いろんな考察産んでると思います。
自分はこのシーン、バンドを選ばなかった人生を想って、そこに手を差し伸べたいというぼんやりとした決意の表れなのかなと思いました。
それは、ひとりちゃんだけじゃなくて、製作陣も改めてそういう決意をしたくてやったことだと思います。
本質に立ち返るというか、邦ロックの優しさというか、自分たちが先人の開いた轍の上を通って、この先に待つ孤独な少年少女を救っていきたいみたいな。
昔書いた記事でも言ってますけど、ロキノン世代の邦ロックってやっぱりレベル(反逆)の対象が抽象的なイメージがあります。
それは政治で救えない、普通に生きてることが苦しい誰かとか、そもそも普通って枠組みに苦しめられて、軋轢に擦り傷をいっぱいつけられてる誰かを救うためだと思うんですよね。そういうのを強いてくる見えない社会へのレベルなんですよ。
ここは自由だよ、仲間がいるよ、解放区なんだよって教えてあげて、それを好きになった同士で繋がって、無理して一つの世界に生きることから解放してやりたいって、そういう一心で。
俺がアジカンと同じくらい大好きな10-FEETも、そこは変わらない核としてずっと歌い上げてくれてるところですよ。古くは『2%』とか『VIBES BY VIBES』(とかいくつもありますけど)、最近のだと『アオ』とかね。弱くてもいいし、嘘ついて無理して合わせたりしなくていいんだよって。
紅白にまで出てしまいましたけど、根底は全く変わってなくて。同世代の代表だくらいな勢いで、紅白にも仲間をたくさん連れてってましたよね。僕はジーフリがいて泣いちゃいました。
人気になっても仲間は仲間で、それは俺たちファンも同じで、それを確かにするためにああいうことをしたんじゃないかって思います。だからあの瞬間だけ、画面の中がライブハウスになったんです。
今回の総集編はどうも、同じ空気を感じました。
どんだけ人気になっても、人気だけ先走っても、作品の伝えたいことは、これまでロックが育てた優しさを、レベルを、もう少し先で待つ、孤独な僕たちのところまで届けたいってことなんじゃないかなと。向いてるのは必ず僕らの方なんですよ。
そういう普遍性を改めて出されたので、実は二期にはあんまり不安感を覚えてはいません。時間はかかるでしょうけど。楽しみに待ちますよ。多分、この先で待ってる俺はまだ、ロックが大好きなので。
追記
いずれかのオンリーイベントで小説誌を出す予定です。好きなバンドと、ロックに救われてきた人生を伸ばして、暗い未来を迎えてしまった結束メンバーに救いを届ける内容になってます。
https://www.pixiv.net/novel/series/9982588
とりあえず9月の結束ロックは山人とかぶってるのでいけないですけど。
買ってくれる人いるかなぁ。なんか重たいらしいから。
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