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闘鷲降臨~3 Wins To Go(21-22 SF Game1)#FE名古屋

まだ最初の40分が終わったにすぎない。

FE名古屋 105-88 熊本

 老練な西宮の斜陽、という感じもしつつ、勝ち切る強さを見せつけて上がってきた熊本。レギュラーシーズンでの得点も示す通り、爆発力、そして個々の力の上限ではB2ナンバーワンだろう。
 一方のFE名古屋は同様にB1トップクラスの個の能力を持った越谷相手に2戦目はがっぷり四つの大接戦の末勝ち上がり。ちょうどいい感じに接戦もこなして、大一番へ。

 それにしても、5季前にはチームでというよりはまずは個ありき、その強さで殴り切ることを是としていたFE名古屋である。それが今ではむしろ個の強さに群で対抗することを志すチームになっているのだから時が経つのは早いものである。そして、ここで打ち破るべき相手が4季前の3位決定戦で敗れた熊本というのは、QFの越谷と同じくらい運命的な組み合わせと言えるかもしれない。

 さて、試合である。序盤からハイペースの殴り合い。熊本の攻撃力も素晴らしいが、FE名古屋も全く負けてはいない。ややシュートチャンスとしての質は心もとないところだったが、選手たちがいいリズムでシュートを決め続け、序盤は互角の展開。ただ、残り2分、ほんの少しの隙からFE名古屋が走ると、ブザービーターもあって35-23と望外のリードで2Qへ。

 2Qも序盤はFEが好調。特に笹山の出来が素晴らしく、自らのシュートにゴール下を活かすパスにと活躍を見せ、得点差はいっとき20点差まで開く。が、熊本も終盤に爆発力を発揮。ちょっとした攻撃失敗の連続であっという間に8点差を詰められ、60-48で折り返し。60点は上手くいきすぎ、48点は取られすぎ。どちらかというと取られすぎというのは相手のペースを表す。となれば12点差はあってないようなもの…

 という不安は正しかった。3Q序盤は完全に熊本のペース。スタートから3ポゼッション連続で得点を許すとタイムアウトを取っても止められず3分で3-11のランを許す。さすがはリードを溶かすことに定評のあるFE名古屋。この後は流石に流れをせき止めたものの、どっちつかずの流れからじりじりと詰め寄られる形に。ただ、一度も追いつかせなかったのは粘り強かった。点差を2点までに押しとどめ、78-73の5点差で折り返し。

 3Qの苦境は熊本の攻撃が良かったという部分もあるが、FE側も熊本の守備にてこずっていた。理由はいつもの相手センターのドロップによるリムプロテクト。ローソンはバッツに比べるとはるかに機動力があり縦にも速いが、その分カバーに引き寄せられる傾向にある。2Qまではそういうローソンの特性を上手く利用してリム近くに穴を開けてそこを突く形ができていたが、このQはハーフタイムにかなり言い含められていたのか、リムプロテクトに専念する形に変わっていた。そこをまともに攻めて攻撃が停滞したのを狙われた形だろう。

 とはいえ、そこで外ばっかりボールを回していては熊本の思うツボである。レギュラーシーズンに熊本で闘ったときgame2はまさにそういうハマり方をした負け方であった。だからインサイドは突かなければいけない。ではどう突くかと言えばまずは走って速く、がそういう時の基本。その前にはまず守備、となったとき、ここでFE名古屋はかなり思い切った手段に出る。ローソンがいる構成の時に熊本が狙うのはインサイドへの合わせとコーナー3。そのコーナー3について本村および磯野についてはやや離し気味にして遅れてクローズアウト、というインサイドでリズムを乗らせない形。ある意味では落としてくれることを願うギャンブルなのだが、このQはそれがある程度ハマる形になった。ここまで高確率で決まっていた熊本の3PはこのQだけは30%に後退。そのリバウンドやスティールからの速い攻撃でリードを拡大してみせた。

 8分ほどでとった熊本のタイムアウトもやや尚早だったかもしれない。タイムアウトを残り1つではオフィシャルタイムアウトまでは我慢せざるを得ないわけで、熊本はその間にどれだけ戦えるかという賭けに出た形。ただ、このギャンブルはFEに良い目が出た。結局オフィシャルタイムアウト時点では16点へ点差が拡大。その後も熊本がオフェンスを成功させてもFE名古屋が返す展開にフラストレーションを溜めたか、JJから受けたファウルにキレたハミルトンがテクニカルファウルで4つ目のファウルを犯し、試合に出すのが危険(万一テクニカルやアンスポをとられたら次試合は出場停止になってしまう)になって下げたところで勝負あり。やや予定外とも見える、熊本ペースの殴り合いをFE名古屋が制して先勝した。

※PotGは3P6/7のJJ。
※石川笹山のPGコンビも素晴らしかった。
※逆に熊本は古野不在を強く感じる結果と言えるかもしれない

 越谷とのgame2を見ても、明日はより一筋縄ではいかない形になりそう。最後まで緩めず、戦い抜いてほしい。

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