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心の赴くままに、身体を動かす

駅に向かう道でのこと。N印の青いバッグを背負った小学校中学年くらいの少年が、水筒をブラブラさせて目の前を歩いていた。

彼の歩みはとても気まぐれだった。のんびり歩いていたので追い越したら、いきなり走り出して抜き返されたり。スキップしたかと思いきや、いきなり止まったり、カニ歩きをし始めたり。私が一定の速さで歩き続ける横で、彼は緩急織り交ぜた様々な歩みで、駅までの道中を楽しんでいるようだった。

いつの間に、あんな風に歩かなくなったんだろう。

ウキウキと心躍る日にはスキップしたくなるし、期待に胸膨らませて走り出したくなる日もある。だけど、それを実行することはない。大人がそれをしたら、明らかに怪しい人だと思われるもの。そうやって心の衝動を押し込め続けるから、心と身体が、思考と行動が、言葉と表情が、分離してしまうのかもしれない。

試しに会社の廊下をスキップしてみたら、曲がり角の先にいた先輩に大笑いされたけれど。心の赴くままに身体を動かすのも、たまには悪くない。

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