できないことをあきらめない、その一歩を応援する。|AOi代表・吾妻勇吹さんにインタビュー!
「AOiの最大の魅力は友達になること」と語るのは、AOi代表・吾妻勇吹さん。理学療法士でありながらも、さまざまな事業展開に挑戦。AOiとの出会いや、なぜ大切にしているのか、AOiのテーマなどについて、お話しいただきました。
【AOiのひとたち。】
吾妻 勇吹(あづま いぶき)さん
理学療法士|AOi代表|そらのあしおと代表
理学療法士免許を取得後、急性・回復期病院・在宅領域を経験。学会発表も積極的に行う。
さまざま経験から視野を広げる楽しさを学んだと同時に、医療従事者の直面する現実を解決するべく、
独立し2021年メディシェアJAPANを設立。
現在は、介護美容コミュニティ事業やフィットネスジムオンラインカウンセリング事業、予防に特化した整形外科クリニックなどの医療介護分野の新規事業の構築に携わっている。
理学療法士を捨てた、それが僕が求めていたことだった
ーAOiに関わることになったきっかけは?
吾妻:もともとメディシェアJAPANという医療従事者が集まるオンラインサロンを運営していました。そこで医療従事者の視野を広げる活動をしていたんですね。
その一環で、イベントの一つに他の団体さんとのコラボ企画もあったんです。そのコラボの一つに、急に松川くんから「ディズニー行きませんか?」と誘われました。ハルさんがディズニー好きで詳しいって聞いて、純粋にディズニーにも行きたいと思いましたね。
そうしたら力也くんが「みんなで行こうよ、当事者でもディズニーに行きたいって人たくさんいる、何人か誘うから医療従事者を誘ってよ」と言ってくれたんですよ。そのアイデアが良いなと思ったので、参加することになりました。
なぜ良いかというと、医療従事者の働き方には旅行支援事業というのがあります。保険でまかなえない部分ですね。「旅行に行きたいけど行けない」を、医療従事者が旅行に付き添うサービスです。自費であることは知っていました。
そして、今後これが医療従事者の働き方のひとつになるのではないか?という啓発活動にもつながると思いましたね。なんか面白そう、うちのメンバーの旅行支援の経歴があるメンバーを誘って、4人でやりましょう。となって。
とりあえずディズニー行こうぜ!って。
ーすごい偶然が偶然を呼ぶ!……実際にしてみてどうでしょう?
吾妻:シンプルにディズニーが楽しい!
感じることはいっぱいあるけれど、僕自身の固定概念がたくさん外れたことは大きい。
たとえば、足が動かない。全く動かない方がいて、その方がどういう生活をしているのかを実際に聞けたり、これは難しいじゃないか?ということが、案外ひとりでできたり。障がいを持っている方は、独り暮らしの方が多いんですよ。
それに、堂々としている姿が格好いいと思いましたね。
僕が出会った障がいを持った人たちは「自分を見せたくない」と、自分のことを後ろ向きに捉える方が多かったんです。杖を持ちたくないとか。
それを堂々と、自分のアイデンティティとして捉えていて、シンプルに格好良い。当時の話を聞くと、言いにくいことも気軽に話してくれるんです。
なかには、一度人生を諦めかけた人もいる。僕たちには経験してないことをしています。だからこそ、人の厚みがあるし、尊敬しています。僕なら耐えられないことを乗り越えている人たち。
AOiを通して、僕は理学療法士ではなく、ひとりの人間として関われた気がします。最初は理学療法士の視点から「やってあげなきゃ」なんて思っていたけれど、たまたまアトラクションに居合わせた人みたいな感覚に変わりました。
理学療法士を捨てて関われる。僕のなかではとても大きなことだった。
AOiの最大の魅力は友達になること!
ー理学療法士を捨てる……めっちゃ深い。旅行支援=「してあげてる」のイメージがありますよね。その話を聞くとAOiって旅行支援なのか?と思うのですが、吾妻さんはどのように考えていますか?
吾妻:そう!してあげる感じじゃないんだよね、AOiは。
ディズニーに行ったときの話なんですが、車いすの参加者さんが「夕陽を見たい!」って言ったんです。でもその夕陽、車いすの方の視線だと見えづらくて、少し階段を登った場所じゃないとよく見えなかったんです。
僕たちは「そっか、車いすじゃ見れないもんね。じゃあ登ろうよ」って、車いすを持ち上げて階段を登ったんですよね。
いたってシンプルに、当たり前にできたことなんです。でも、車いすの方から見たら当たり前じゃないこと。僕たちだからできたことでもある。僕たちはやってあげようとか、面倒くさいとか1ミリも思わないです。
もしかしたら仕事なら、そう思っているかもしれないですね。でも友達だから。AOiの魅力は友達になること。
ー泣けるエピソード……。感動しちゃいます。
僕は車いすの友達が増えました。だから普段、カフェに行っても「この段差、あの人だったら無理やろ」とか考える。坂道ひとつとっても、傾斜がキツくて、車いすの人じゃ怖いって感じると思います。友達になるからこそ感じられることですよね。
僕みたいに、友達が増えたことで見える視点が増える人が出てきてくれたら、世の中が温かくなるんじゃないかな、と思います。
理学療法士なのに、バリアフリーに興味がなかったのですが、今はいろいろな角度から見える。AOiは学びが多くて、言葉に収められないです。一回来てみて!って、思います!
最大の魅力は友達になること。
ー友達になること、これって大人になってから難しいですよね。AOiのテーマ、大事にしている想いはなんでしょうか?
吾妻:テーマは「できないことをあきらめない。その一歩を応援する」です。
たまたまそれがこのイベント事業だっただけ。このイベントをきっかけに、ひととのつながりを感じたり、次どこに行こうかなって考えたり。そういう場所であって欲しいですね。
もう一つのテーマは固定概念の壁を壊すこと。壁がなくなったときに、人って温かくなるのではないかな、と思います。固定概念(ある意味そのひとの正義)=壁。それがあるからぶつかる。
私には無理とか、できないとか。その壁を超えた時に優しくなれる世界があると思います。
僕がメディシェアJAPANで挑んできたことはこれだったと気づいたんです。医療従事者にもこんな働き方がある、こんな価値がある。医療従事者を笑顔にしたいというテーマだったけど、実は違っていて、医療業界の固定概念を壊したかったのだと思います。
固定概念を壊すことを考えること、その人たちと一緒にいるのが好きだったから、熱くなれましたね。
また、バリアフリーは人の温もりの塊だと感じました。ものづくりに対する想いや、誰かのために熱くなれる人。誰かのために頑張っている自分が好きだなと、最近気づきましたね。
固定概念を壊した先に見えた、ひととのつながり、全国どこでも会える場所でありたい
ー固定概念を壊す。私たちが勝手に考えている部分も大きいですよね。そんな固定概念を壊した先、これからの計画などはありますか?
吾妻:まず、4月15日にユニバに行きます。テーマパークに行くイベントとして、AOiを確立させたいです。ゆくゆくは若者が楽しみたい場所に行くのもいいかなと。
大事なのはどこに行きたいか・行けるかではなくて、AOiのメンバーと行きたいと思ってもらえることです。それは運営陣に障がい当事者さんに入ってもらい、お互いの視点からイベントを創りあげていることも影響していると思います。
AOiのすばらしい点は、日本全国から人が集まるところです。理由の一つに、テーマパークだから参加したいというのこともあるのかなとは思います。
もう一つは、つながりを大切にしている私たちだから。口コミが口コミを呼ぶのかな。だから地方の方でも参加してくださいます。北海道から関西から……経済を動かしてますよね。(笑)そこまでしてもAOiに参加したいって思ってくれるのは本当に嬉しいです。
ーAOiは今後どんな方向性に向かっていきますか?
吾妻:イベントで医療従事者と障がい者のイベントと言えば、AOiだよね!と誇れる事業でありたいですね。
AOiの存続を考え、社会や国から応援してもらえる事業になっていきたいですね。日本の経済を良くするためにも海外に目を向けたい。海外のディズニーに行くことも目標にしたいと考えています。
全国どこにいても会える場所。出会える、・帰ってこれる場所でありたいと思います。
ー今後、参加してほしい人に向けてメッセージをお願いします!
吾妻:まずは一回来てみて!
多くの方に来て欲しいですけれども、欲を言えば、AOiにはポジティブな人に参加してほしいと考えています。
「できないと思っていたけど、できるって思いたい」と、考えている時点で、その方はポジティブだと思います。AOiはそんな人たちの集まりだから、自然と笑顔になりますよね。みんなで楽しみたいと思っているし、大人の修学旅行みたいな感じです!
ぜひ、来てください!
AOiはなぜか自然と笑顔になれて、いつのまにか友達になれる場所。あの空気感、初対面なのに懐かしい友達かのようになれますよね。今回は吾妻さんにAOiの魅力や想いについてお話しいただきました!
ありがとうございました!
◆取材:ハル 執筆・編集:ハル
Twitter:@slp_reha_04
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