自分の哲学をもった管理栄養士を目指してほしい
私は管理栄養士養成施設を卒業してから8年が経過し、現在では田舎の私立大学で管理栄養士の卵を育てている。
これまで多くの栄養士・管理栄養士と出会ってきた。しかし、優秀な管理栄養士は少ない。
日本人の食事摂取基準を理解していない。
治療ガイドラインを理解していない。
病態・疾患を理解していない。
生理・代謝学を理解していない。
そもそも文章が読めない。文章が書けない。
こんな管理栄養士しか出会っていない。(都内に行けば優秀な管理栄養士もいるのだと思うが)
この世界は少しやばいとすら思う。しかし、管理栄養士は上記のことができなくても、現場での経験が大切であると学生に伝えている。
「頭でっかちな管理栄養士は現場にはいらない」
辛口で申し訳ないが、そんなことを学生に伝えている管理栄養士は終わっている。
病態・疾患を理解していない管理栄養士を誰が信用するのだろうか。
その管理栄養士に対して医師はどう思っているのだろうか。
あなたたちのような先輩がいるからいつまでたっても管理栄養士の序列は低いままである。
「士」は「師」にならないし。
給料も少ない。待遇も決してよくない。
これでは管理栄養士の卵たちからすると将来は不安になってしまう。
私は、一応、管理栄養士を取得している。
学部時代から私になかでは管理栄養士の哲学(信念)をもって研究活動や管理栄養士としての活動を行ってきた。
まずは、ヒトの身体の働きを知ること。すなわち生理学、代謝学を理解する。そして病態、疾患を理解することが大切である。
そのために、生物基礎、数学、英語などの基礎学力が必要となる。
医師や医療従事者と良いコミュニケーションを取るために、多くの教養も必要であろう。
この知識を蓄えたうえで、現場での経験となる。これが私の考える理想の管理栄養士像である。
しかし、私の住んでいる地域にはこんな管理栄養士はいない。
大ベテランの先輩栄養士ですら、申し訳ないがレベルが低い。
私の研究室では、私の哲学に基づいた指導が行われる。
とにかく、調べ学習をさせる。調べたら文章でまとめて、さらにパワーポイントで発表させる。(当たり前の指導なのだが)
この活動をすることで、自然と国家試験の合格ラインに近づき、就職しても即戦力に近づくことができる。
管理栄養士の哲学は人それぞれである。
これは、認める。
しかし、自分の哲学(信念)がない管理栄養士は最悪である。
僕が育てている学生は、4年間の中で自分の哲学を見つけ貫くことができる管理栄養士に育ってほしいものである。
例え、管理栄養士として仕事をしなくても。