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胎内被爆者の想いを世界へ|電子書籍 Hibakusha since I was born の公開

01|翻訳を通して託された想い

原爆が投下されたあの日から、今もなお起き続けていることは何なのか。
この活動は、その問いに対する私たちなりの応えです。

多くの人にとって「原爆」は、あまりの恐ろしさに漠然と距離を置いてしまうようなものとなっています。翻訳をしたメンバーの大半は、広島や長崎出身ではありません。広島や長崎に行ったことがなかったり、被爆者の方のお話を聞いたことがなかったり…。そんな中で、翻訳を通して「原爆」について考えることができればと集まってくれました。

私たちは、被爆者の方が持っている「リアル」をそのまま受け取ることはできません。「苦しい」という言葉以上のことを感じるのに、「苦しい」という言葉でしか受け取れない歯がゆさを持ちながら、記憶のかけらを組み立てるしかありません。どれだけ理解したいと思っても、被爆者の持っている「リアル」を完全に理解することはできません。

だからこそ、理解できないことを理解しながら、理解しようとすることを何よりも大切にして活動してきました。伝承者のように語ったり、被爆者の方に話を聞いてまとめたり…と目に見えるものではないですが、誰かから聞いたという受け売りの「原爆」ではなく、自分なりの「原爆」を考える。そんな活動なのではないかと思います。

証言をしてくださった胎内被爆者のみなさま、
翻訳をしてくれたAOGIRIのメンバーたち、
英語の監修をしてくださった先生、
電子書籍化に向けて制作してくださったデザイナーさん、
クラウドファンディングで支援してくださったみなさま。

ここには書ききれないほど多くの方に関わっていただきました。
そんな1冊を、やっと世界に届けることができます。

この英語版証言集は、次世代の私たちによる継承のバトンです。
私たちが証言集と対話をしながら翻訳し、胎内被爆者のみなさんから託されたものとは、いったい何なのか。

託された「何か」は、翻訳した証言集に託しています。
私たちが翻訳した証言集との対話を通して、手に取るあなたにも「何か」が託されることを願っています。

02|電子書籍

以下のリンクより、証言集の電子書籍を閲覧することができます。英訳版だけでなく、日本語版やこれまで胎内被爆者の方が刊行した証言集も電子書籍化しています。

03|製本版

 クラウドファンディングによるご支援のおかげで、300部ほど製本することができました。製本した300部は、各都道府県の図書館や大学の図書館に寄贈させていただきます。

 製本版は、A4サイズで総ページ数220ページ、厚さ1.2㎝の立派な本になっています。胎内被爆者のみなさんに「こんなに贅沢なことはないね」と言っていただき、この活動に取り組む意味を、改めて実感しました。

04|寄贈先

 製本した証言集は、電子書籍の公開より一足早く、ノーベル平和賞授賞式に参加した胎内被爆者の濱住治郎さん、松浦秀人さんによって世界に届けていただいています。

①ノーベル委員会
②日本大使館
③中満泉 国連事務次長、国連担当上級代表
④ベアトリス・フィン 前ICAN事務局次長
⑤メリッサ・パーク ICAN事務局長
⑥オスロ大学
⑦オスロ市立キューベン高校
⑧ノルウェー国立図書館
⑨オスロ大学図書館
⑩チョン・ウンスル韓国原爆被害者協会会長

製本版を希望される場合は、以下のフォームよりご相談ください。


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